経理の職務経歴書完全ガイド|例文・テンプレート付きで書き方が丸わかり

「経理の職務経歴書の例文が見たい」「実績がない場合どう書けばいい?」など、経理の職務経歴書について気になっていませんか?
ネット上に経理の書き方のノウハウはたくさんありますが、多くの採用現場を見てきた経験からすると、誤った情報も多いので注意しましょう。
このページでは、転職エージェントとして1,000人以上の職務経歴書を添削し、内定に導いてきた筆者が、経理の職務経歴書について、以下の流れで解説します。
- 経理の職務経歴書をつくる3ステップ
- 経理の職務経歴書の書き方【見本・例文付き】
- 無料ダウンロード可|経理の職務経歴書のテンプレート集
- 職務経歴書の提出時のポイント
- 最高の状態で応募するには、プロの添削は必須
全て読めば、経理の職務経歴書は、具体的にどう書くのが正解か、レベルアップの秘訣までがわかり、職務経歴書で失敗しなくなるでしょう。
著者:I.J(現役転職エージェント)
1. 経理の職務経歴書をつくる3ステップ
職務経歴書は、あなたのこれまでの職歴やスキル、自己PRをまとめた書類で、中途採用では履歴書と一緒に提出が求められます。
「これまで何をしてきたか」「何ができる人なのか」を書き、自分を売り込むカタログのような存在です。
職務経歴書のゴールは、採用側に、あなたが「自社にマッチした、長く活躍できる人材」と思わせることです。
そのためにも、書くにあたって以下の3ステップを意識しましょう。
- 応募先が、どんな人材を求めているかを知る
- 求める人材にあった自分の経験・強みを洗い出す
- マッチした経験・強みを強調してつくる
STEP1.応募先が、どんな人材を求めているかを知る
まずは、求人や採用ページにある以下の情報をもとに、応募先がどんな人材を求めているかを知りましょう。
- 求める人物像
- 必須条件、歓迎条件
- 具体的な仕事内容やミッション(同じ経験があったり、成果を出せそうな人が求められる)
- 企業理念や職場の魅力(そこに共感できる人が求められる)
求人には、こうした「どんな人が欲しいか」の情報がたくさん含まれています。
まずはこれらを丁寧に読み込んで、どこを目指してアピールすべきかをつかみましょう。
経理で求められる人材とは
経理の求人では、以下が欲しい人材として書かれていることが多いです。
- 正確性がある(細かい数字や仕訳をミスなく処理できる)
- 期日を守れる(月次・年次決算や支払業務など、スケジュールを厳守できる)
- 基本的な会計知識がある(簿記の基礎や会計ソフトの使用経験がある)
- 柔軟性がある(予期せぬトラブルにも臨機応変に対応できる)
- 業務改善の意識がある(非効率な業務を見直し、ミスや負担を減らす提案ができる)
- コミュニケーション能力がある(社内の他部署や、社外の取引先などとのやり取りをスムーズに行える)
- Excelなどのツールが使える(関数やピボットなどで集計・分析、資料作成ができる)
応募先では、中でもどんな人材を求めているのか、求人を細かくチェックしましょう。
STEP2. 求める人材にあった自分の経験・強みを洗い出す
次に、自分が応募先が求める人材と、アピールできる経験や強みがないか、これまでの職歴を振り返りましょう。
【例】
求める人物像「臨機応変に対応できる、柔軟性のある方」
↓
予想外の状況に冷静に対応したり、相手に合わせて対応を変えるなど、柔軟性を発揮した経験はないか振り返る
大きな成果を上げていなくても、工夫して取り組んだ経験があれば通用するので、細かく洗い出しましょう。
STEP3. マッチした経験・強みを強調してつくる
次に、求める人物像にあった経験・強みを、自己PRに盛り込むなど、強調した職務経歴書を作りましょう。
応募先と関係ない強みまで、あれもこれもとアピールする人がいますが、それでは採用担当に刺さりません。
応募先に合った経験・強みをアピールすれば、自社に合った人材とみなされ、普通に面接に進めるようになります。
具体的な作り方について、次から詳しく解説していきます。
2. 経理の職務経歴書の書き方【見本・例文付き】
次に、具体的な経理の職務経歴書の書き方について解説していきます。
どの業界・職種も同じですが、経理でも、職務経歴書は以下の5ブロックで作るのが定番です。
それぞれ、意識すべきことや記入例を解説していきます。
①タイトル・日付
最初に大きめのフォントで「職務経歴書」とタイトルを中央揃えで入れます。
そして、その下に右端揃えで氏名と日付を入れます。
日付は、提出方法によって以下を入れましょう。
- メールで提出:送付日
- 郵送で提出:投函日
- 面接時に持参:面接日
②職務要約
職務要約は、あなたが「どんな仕事をしてきたか」のあらすじです。
200~300文字で、以下2点を入れた内容で書きましょう。
- これまでの職歴(どこで、どれだけの期間、何をしてきたか)
- 応募先にとって魅力を感じる経験・スキル・実績のアピール
最初に読まれるつかみの部分で、ここで自社に合わないと判断されると、その先は読んでもらえません。
求人票を事前にしっかりチェックして、アピールすべき内容は慎重に選んで書きましょう。
経理の例文
求められる人物像が「正確に数字を扱える人」の場合 |
製造業(従業員250名)の経理として5年間、仕訳入力から月次決算まで一貫して担当してきました。 伝票と原始資料の照合作業をルール化し、直近3年間は修正仕訳ゼロを達成。 上司からは「安心して任せられる」と評価され、チェック体制の標準化にも貢献しました。 正確さと慎重さを活かし、貴社の経理部門においても活躍できると考えております。 |
求められる人物像が「業務改善を主体的に提案できる人」の場合 |
ITベンチャーで経理・労務を兼任し、経費精算フローを見直して月120時間の工数を削減。 自社開発のワークフローシステム導入を主導し、全社への説明会も実施しました。「改善提案の行動力」を役員から高く評価されています。 貴社でも、既存のやり方に捉われず業務効率を高める仕組みづくりに取り組んでいきたいです。 |
求められる人物像が「期限を厳守しスピード感を持って仕事を進める人」の場合 |
小売チェーン本部で月次・年次決算を担当し、月次締めを5営業日から3営業日に短縮。 スケジュール管理表を作成して部門間の提出遅延をゼロにし、「締切意識の高さ」を評価されました。 限られた時間でも正確に処理できる力を活かし、貴社の決算早期化に貢献したいと考えております。 |
③職務経歴
職務経歴では、あなたがこれまで、どこでどんな仕事をしてきたかを具体的にまとめていきます。
ここで最低限入れいるべき内容は、以下の4つです。
- どれだけの期間、どんな会社で働いていたか
- どんな仕事をしていたか
- 働く中で何を心がけていたか
- その仕事で何を達成したか(実績や得た評価など)
一つ目の会社情報は全て必要ですが、その他は経歴の中から全てを書く必要はありません。
応募先の求める人材に合わせて、アピールできそうな内容を選んで書いていきましょう。
書くこと1. どれだけの期間、どんな会社で働いていたか
履歴書のように会社名を出すだけでなく、採用担当が具体的にイメージしやすいように書きましょう。
以下の情報を入れることで、「どんな規模」「どんな業種」「どんな役割の中で仕事をしていたか」が伝わりやすくなります。
- 従業員数、資本金、売上高(規模感)
- 事業内容(何を扱っている会社か)
- 自分が所属していた部署名・ポジション
経理の例文
×悪い例 |
株式会社山田製作所(2018年4月~2022年3月) 経理として勤務。 |
◯良い例 どんな会社にいたかイメージしやすい |
株式会社山田製作所(2018年4月~2022年3月) 【業種】自動車部品の金属加工メーカー 【従業員数】約120名/【資本金】3,000万円/【売上高】約25億円(2021年度) 【所属部署】管理部 総務課 【職種】経理 |
書くこと2. どんな仕事をしていたか
やっていた仕事も、「経理業務を担当」のようにあっさりでなく、具体的に書きましょう。
採用担当が仕事ぶりをイメージしやすいので、担当業務から仕事量まで細かく書くことが大切です。
また、即戦力になるアピールになるので、応募先の求人に書かれた業務内容で、やっていたものがあれば、必ず書いておきましょう。
経理の例文
×悪い例 |
・経理業務全般を担当 |
◯良い例 具体的でイメージしやすい |
・現金出納管理、伝票起票、仕訳入力(1日20〜30件) ・請求書の発行および入金消込(月100件以上) ・経費精算対応(従業員50名分/週次で対応) ・弥生会計を用いた仕訳入力と月次処理サポート |
書くこと3. 働く中で何を心がけていたか
あなたの仕事に対する姿勢や、能力をアピールできるので、業務の中で何を意識して働いたかも書きましょう。
わかりやすくなるので、業務内容と一緒にそれぞれにした工夫などを書いていくのがおすすめです。
経理の例文
×悪い例 |
月次決算の補助業務を行っていました。 |
◯良い例 仕事に対する姿勢が伝わる |
月次決算の補助業務を行っていました。 スケジュール通りに進行できるよう、各担当者との事前連携を意識して対応していました。 |
書くこと4. その仕事で何を達成したか(実績や得た評価など)
アピール内容の説得力がグンと増すので、以下のように達成したことを必ず書きましょう。
- 「1時間かかっていた作業を30分に短縮した」のような、業務改善や自己成長
- 「上司・お客様からこう評価された」のような他者からの評価
実績は、なるべく数字を使って、客観的に凄さが伝わるように書くと効果的です。
経理は数字で成果が上がるタイプの仕事ではないため、「実績なしで書くことがない」と悩む方が多いです。
こうした方は、社内外からも受けた評価など、信頼されていたことが伝わるエピソードを書くと良いでしょう。
経理の例文
×悪い例 客観的に何がすごいのかわからない |
経費精算を効率的に行っていました。 |
◯良い例 数字で説得力あり |
経費精算の手順をマニュアル化し、処理にかかる時間を従来の1件10分から7分に短縮(年間約120時間の効率化に貢献)。 |
④活かせる資格・スキル
ここでは、資格やスキルなど、応募先で活かせそうなものをメインで記入しましょう。
使えるソフトを書く際は、「Excel(データ集計、表・グラフ作成)」のように、何ができるかまで書くと効果的です。
簿記など、応募先で活かせそうな資格があれば、持っていなくても勉強中と書いておくだけで、意欲のアピールになります。
経理の例文
×悪い例 |
【資格】 ・なし 【スキル】 ・Excel ・会計ソフト |
◯良い例 どこまで仕事を任せられる人かが伝わる |
【資格】 ・日商簿記2級の取得に向けて学習中(仕訳の基礎知識を活かし補助業務に対応可能) 【スキル】 ・Excel(VLOOKUP、ピボットテーブルを使った月次レポート作成が可能) ・弥生会計(仕訳入力〜試算表作成まで一通り対応可能) |
⑤自己PR
自己PRを作る際に重要なのは以下3つです。
- アピールする強みは、企業の求める人材に合わせて1~2個に絞る
- 結論ファーストで、300字程度で
- イメージしやすいように、具体的なエピソードを入れる
具体的には、以下の3つの流れで作りましょう。
①強みになる経験・スキル |
例:私の強みは、他部署との円滑な連携に必要なコミュニケーション力です。 |
②その強みを裏付けるエピソード |
例:経理として社内の各部署とやり取りをする中で、業務の背景やスケジュール感を理解した上での確認や調整を心がけ、「話が早い」「伝えやすい」と信頼され、決算前の資料提出率もほぼ100%を維持してきました。 |
③強みを活かして、応募先で頑張りたいという思い |
例:貴社でも、経理部門と他部署の橋渡しとして、スムーズな連携を支える役割を果たしたいと考えております。 |
強みをいくつもあげたり、具体的なエピソードがないと、伝わりにくくなるので注意しましょう。
また、応募先で活かせない強みでは意味がないので、必ず求人をチェックするなどして、応募先が求める強みをアピールしましょう。
経理の例文
アピールしたいのが「業務改善の意識の高さ」の場合 |
私の強みは、業務の改善点を見つけ、効率化を図る視点を持っていることです。 経費精算で同僚のミスが多発していたため、社内向けの簡易マニュアルを作成し、合わせてExcelの入力チェック機能を活用する仕組みに見直したところ、翌月から確認工数を40%削減できました。 貴社でも、経理部門のミスを減らし、効率的な業務フローを構築することで、組織全体の生産性向上に貢献したいと考えております。 |
アピールしたいのが「正確性」の場合 |
私の強みは、数字に対して責任を持ち、正確な処理を徹底できる点です。 前職では、月次決算における伝票入力や請求書発行を担当し、内容の二重チェックや未処理確認などを欠かさず行ってきました。実際に、3年間で入力ミスや誤請求による修正は一度もなく、上司からも「安心して任せられる」と評価されていました。 貴社でも、経理業務の基盤を支える一員として、正確で信頼される仕事をしていきたいです。 |
アピールしたいのが「柔軟性」の場合 |
私の強みは、急な依頼にも対応できる柔軟性です。 月末に集中する請求処理や決算業務では、日々のタスクに優先順位をつけ、突発的な依頼にも対応できるように段取りを工夫してきました。特に繁忙期には、営業部からの急な依頼にも柔軟に対応し、感謝の言葉を多くいただいています。 貴社でも、急な対応が求められる場面でも焦らず確実に業務を進められる力で、チームの信頼に応えていきたいと考えております。 |
⑥その他全体を通して意識すべきポイント
ここまで解説した以外で、職務経歴書を書く上で、意識すべきことを以下に全てまとめました。
- 読みやすい見た目を意識する
- 誰にでもわかる表現で書く
- 数字は積極的に使う
- ネガティブなことは書かない
- 自信がなさそうな表現はしない
- 経歴に弱点がある人は、説明を入れておく
- 未経験でも、アピール材料は必ずある
ポイント1. 読みやすい見た目を意識する
読み手に内容が伝わりやすくなるので、職務経歴書は以下を意識して描きましょう。
採用担当は、一枚につき数分しか目を通さないことも多く、流し読みでも伝わる構成にするのが重要です。
改行なしでびっしり書き込んだり、読みにくい状態だと、いくら内容が良くても読んでもらえません。
ぱっと見を良くするだけで、読み手のことを考えられる、プレゼン力のある人材としてアピールにもなります。
ポイント2. 誰にでもわかる表現で書く
職種や業界特有の専門用語はなるべく使わず、使う場合は解説を入れるなど、誰にでもわかる表現を意識しましょう。
最初に書類審査をするのは、募集職種の現場を知らない人事というケースも多いです。
専門的すぎると読んでもらえず、不利になるので、就活中の学生でも理解できるレベルを意識して書きましょう。
経理の例文
×悪い例 専門用語が多い |
勘定奉行を使用して仕訳入力、支払予定表の自動連携、CSVデータ取込処理を担当。 |
◯良い例 誰にでもわかる表現 |
経理ソフトを使って日々の入出金や支払いデータの入力・管理をしていました。 |
ポイント3. 数字は積極的に使う
内容に説得力が出るので、全体を通して、数字を積極的に使っていきましょう。
以下のように、数字を使うだけで、実績のすごさが一気に伝わりやすくなります。
- 数字なし:月次決算の業務効率を改善しました。
- 数字あり:月次決算のフローを見直し、担当変更や資料整理を行った結果、締め作業を5日から3日に短縮しました。
また、数字を使いつつ、周囲と比べてどれだけ優れているかも表現できるとなおいいです。
例えば「部署内8名の中で、処理件数が最多」のように、全体の中での立ち位置も書けると、よりすごさが伝わります。
経理が数字を入れられる主なポイント
- 仕訳・伝票処理件数(月平均◯件の仕訳入力をミスなく対応)
- 月次・年次決算の担当規模と締め日数(月次決算を単独で担当、締め作業を◯営業日で完了)
- 請求書・支払処理の件数(月◯件の請求書発行・支払処理を担当)
- 経費精算処理件数と対応人数(全社員約◯名の経費精算業務を月◯件処理)
- 改善による時間・工数の削減(処理フローの見直しで月◯時間の工数を削減)
ポイント4. ネガティブなことは書かない
前職の悪口など、ネガティブな内容は書かないようにしましょう。
いくら事実でも、応募書類に書かれていると、なんでも人のせいにする面倒な人という印象を与えます。
転職理由を書く際も、「こんな仕事がしたかったから」のように、前向きな姿勢が伝わるよう内容にしましょう。
経理の例文
×悪い例 前職への不満だけ |
ルーティン業務ばかりでやりがいがなく、自分の成長を感じられなかったため転職を決めました。 |
◯良い例 将来に向けた、前向きな内容 |
経理の中でもより分析や改善に関わる業務に挑戦したいと考え、決算業務だけでなく経営に近い立場で数字を扱える環境を志望しました。 |
ポイント5. 自信がなさそうな表現はしない
未経験からの応募だったり、スキルに自信がなくても、変に謙遜したり、自信がなさそうな内容は書かないようにしましょう。
採用側を不安にさせるだけでメリットは一つもなく、高確率で落とされてしまいます。
自信がない方も、選考のためと割り切って、活かせる経験・意欲を打ち出して、活躍できる人材と堂々とアピールしましょう。
(例)未経験から経理への応募の場合
×悪い例 自信がなさそう |
経理は未経験で、数字が得意とは言えませんが、少しずつ学んでいきたいと思っています。 |
◯良い例 経験を活かして、活躍できるアピール |
営業職で売上管理や予算調整を日常的に行っており、数値の扱いや改善意識には自信があります。経理職でも丁寧な処理と分析力を活かして貢献していきたいです。 |
ポイント6. 経歴に弱点がある人は、説明を入れておく
以下のように、経歴的に不利になる弱点がある人は、先回りして説明を入れておきましょう。
- 転職回数が多い
→どんな理由で転職をしてきたのか、前向きな理由を書く - 働いていない、空白期間がある
→前向きな目的や、致し方ない事情を説明しておく - フリーターをしていた
→「夢を追うため」のように、前向きな目的でフリーターだったことを説明する - 病気で休職していた時期がある
→現在はすっかり良くなり、仕事に支障はないことをはっきり書く
一言説明を入れておくだけで、こうした経歴の方でも「一度面接で会ってみよう」となる確率は大きく上がります。
ポイント7. 未経験でも、アピール材料は必ずある
未経験転職の場合など、即戦力になれるとアピールできる経験がないと悩む方がよくいます。
しかし、こうした方でも、視野を広げると、実は求められる能力を前職で発揮していたり、アピールポイントは大抵見つかります。
(例)営業の経験のみ→経理に応募
- 毎月の売上目標を達成するために、受注率や客単価をエクセルで分析し、改善策を立てていた。
→数値をもとに現状を把握し、改善する意識が高く、数字に強いことは経理でも活かせる。- 見積書・請求書の作成や入金確認など、金額ミスが許されない処理を正確に行っていた。
→金額の正確性や納期意識が求められる点は共通しており、丁寧さ・責任感をアピールできる。- 納期の交渉や社内の他部門との調整など、各所と連携しながら業務を進めていた。
→経理でも社内の各部門とやりとりが発生するため、調整力やコミュニケーション力が強みとなる。
アピール内容に迷う方は、視点を変えて、同じような力を発揮した経験がないかを振り返ってみましょう。
どうしても見つからない場合は?
求人にマッチしたスキルがどうしても見つからない方は、以下の能力をアピールできる経験がないか探してみましょう。
- コミュニケーション能力(顧客との関わりを工夫して、高い成果を出したり、評価された経験はないか)
- マネジメント能力(部下を教育して成果を上げた経験はないか)
- プレゼン能力(人前で発表したり、わかりやすさを工夫して企画書などを作った経験はないか)
これらはどんな仕事にも求められる能力で、エピソードと一緒に伝えられれば大きなアピールになります。
3. 無料ダウンロード可|経理の職務経歴書のテンプレート集
経理の職務経歴書の基本的な書き方は、これまでお伝えした通りです。
ただ、書く上で意識すべき点は、具体的な職種や状況によってもさらに変わってきます。
- 経理の場合:年次・月次決算など担当業務の範囲と、責任の大きさが伝わるように具体的に記載する。
- 経理事務の場合:仕訳や伝票処理など日々のルーティン業務でも、正確性や処理量を数値で示して強みに変える。
- 財務の場合:資金繰りや資金調達に関わった規模や役割を明記し、会社全体の視点で動ける人材だと伝える。
- 未経験からの応募:数字を扱う仕事やミスの許されない事務経験など、経理に近い業務で発揮した力を結びつけて伝える。
- 転職が多い:会社ごとに異なる会計ソフトや制度に柔軟に対応してきた実績を示し、順応力をアピールする。
- 派遣・パートからの転職:担当した範囲や責任の大きさを正社員同様に丁寧に書き、業務の中核を担っていたことを示す。
それぞれ、採用担当に好感を持たれる、アピールができるテンプレートをまとめたので、是非参考にしてください。
職種別テンプレート | |
状況別テンプレート |
4. 職務経歴書の提出時のポイント
次に、職務経歴書の提出時のポイントについて、以下の方法別に紹介していきます。
- メール
- 郵送
- 面接当日に持参
内容が良くても、提出方法が悪いと台無しで、それだけで落ちるケースもあるので、確認しておきましょう。
4-1. メールで送る場合
メールで職務経歴書を送る場合は、以下の点を意識しましょう。
- ファイル形式は指定がなければ「PDF」
- ファイル名は「氏名/応募書類」
- 企業の指定がない限り、パスワードの設定は不要
ワードやエクセルで書いた場合も、ファイル形式は、編集ができず、どんなPCでも開きやすいので、PDFに変換して送りましょう。
「名前をつけて保存」に進み、ファイル形式でPDFを選べば変換ができます。
ファイル名は、「氏名_応募書類」のように、わかりやすく管理しやすい名前を設定しておきましょう。
メールの例文
メールの例文は以下の通りで、伝わりやすい件名にして、簡潔に書きましょう。
件名:【職務経歴書のご送付】山田太郎/経理 応募書類
株式会社〇〇 人事ご担当者様
お世話になっております。
このたび貴社の経理に応募いたしました、山田太郎と申します。ご依頼いただいておりました職務経歴書を添付にてお送りいたします。
PDF形式で作成しておりますので、ご確認いただけますと幸いです。ご不明な点やご要望等がございましたら、お気軽にご連絡ください。
何卒よろしくお願いいたします。――――――――――――――
山田 太郎(やまだ たろう)
メール:xxx@example.com
電話:090-1234-5678
――――――――――――――
パスワードの設定は不要
また、送付時に、セキュリテイの観点から以下の2回に分けて送る手法があちこちで紹介されていますが、不要です。
- パスワード付きzipファイルに書類を変換して送る
- 別でパスワードを記載したメールを送る
この手法(PPAP)は、セキュリティ効果がないことや、不便な点から、2020年に内閣府が廃止の方針を出しています。(内閣府HPより)
古い常識ですし、パスワードを設定して送ると、採用担当がスムーズに開けないことで、マイナス印象にもなりかねません。
例文通りにメールを書き、書類を添付して一度送るだけでいいでしょう。
4-2. 郵送する場合
郵送で職務経歴書を送る際は、以下を意識しましょう。
- 送付の目的や挨拶を書いた「添え状」をつける
- 封筒はA4の書類がそのまま入る大きいサイズを選ぶ
- ①添え状、②履歴書、③職務経歴書の順にクリアファイルに入れて送る
郵送の際は、「応募書類を送るのでよろしくお願いします。」という意味を込めた添え状をつけるのがマナーです。
応募先に合わせた自己PRを入れることで、中身をしっかり読もうと、採用担当に関心を持たせる効果も期待できます。
添え状の記入例
添え状の記入例や注意点をまとめたのが以下です。
必要な方は、「添え状のテンプレート(経理)」をダウンロードしてご活用ください。
封筒はA4がそのまま入る大きいサイズを選ぶ
郵送の際は、折り目のない綺麗な状態で送るために、A4サイズが折らずに入れられる、角形2号サイズの大きい封筒に入れましょう。
封筒の作成例は以下の通りです。
担当者名がわからない場合は、”様”ではなく部署名に”御中”をつけましょう。(例:〇〇株式会社 人事部 御中)
送付時は、書類を①添え状、②履歴書、③職務経歴書の順に新品のクリアファイルに入れて送りましょう。
万が一料金不足があると応募先に迷惑をかけるので、念の為郵便局の窓口で提出するのがおすすめです。
4-3. 面接当日に持参する場合
面接当日に職務経歴書を持参する場合は、以下の点を意識しましょう。
- 無地で、A4がそのまま入る大きい封筒を用意
- 宛先は書かず、裏面に「自分の住所氏名」、表面に赤で「応募書在中」と記入
- 添え状は不要で、①履歴書、②職務経歴書の順にクリアファイルに入れる
- 封は閉じずに、現地で中身を出して、封筒と一緒に面接官に手渡す
持参する場合も、むき出しの書類を渡すのではなく、必ず封筒を用意してそれに入れましょう。
書類だけを渡すと雑な印象を与えますし、現地に行くまでに折れたりすることを避けるために必須です。
封筒の記入例
以下のように、宛先以外のみ記入します。
渡す際は、面接官の場合は、中身を取り出し、相手が読める向きに直して、封筒と一緒に手渡します。
受付で渡す際は、封に入れたままの状態で、担当者に渡しましょう。
5. 最高の状態で応募するには、プロの添削は必須
職務経歴書のレベルを、もう一歩上げるためにも、転職エージェントを使ってプロの添削は必ず受けておきましょう。
転職エージェントとは、担当がついて転職サポートが受けられる完全無料のサービスです。
具体的に言うと下記の6つをしてくれ、あなたは面接以外で企業と直接やりとりする必要がなくなります。
- キャリアの相談
- 求人の紹介
- 応募書類の添削
- 面接対策
- 面接や入社の日程調整
- 年収交渉
応募の際は、職務経歴書の通過率を上げるための添削・アドバイスをしてくれます。
提出前に、転職エージェントを頼るべき理由
具体的に、職務経歴書の作成にあたって、転職エージェントを頼る理由をまとめると以下の通りです。
- 企業ごとに、どんな書類が通りやすい・落ちやすいというデータを持っている
- 企業が求める人材の最新情報を持っている
- プロの目線で、自分では気づけないアピールポイントを見つけてくれる
理由1. 企業ごとに、どんな書類が通りやすい・落ちやすいというデータを持っている
大手の転職エージェントだと、同じ会社に年間100人以上を紹介しているケースもよくあります。
そのため、企業ごとにどんな書類が通り・逆にどんな書類が落とされるというデータを豊富に持っています。
その傾向を踏まえて、書き方のアドバイスがもらえるので、通過率は格段に上がります。
理由2. 企業が求める人材の最新情報を持っている
転職エージェントは、紹介の質を上げるため、普段から企業に「どんな人材が欲しいか」の聞き取りを行なっています。
そのため、求人票には載りきらない、以下のようなタイムリーな情報も持っていることも多いです。
- 秘密裏に進めるプロジェクトがあり、それに向けてこんな人が欲しい
- 最近責任者の変更でチームの雰囲気も変わり、求められる人のタイプも変わった
職務経歴書は、求める人材とマッチすることをアピールする書類で、どこを目指して書くべきかの最新情報が知れるのは大きな強みです。
理由3. プロの目線で、自分では気づけないアピールポイントを教えてくれる
職務経歴書を書くにあたって、どうしてもアピールできる内容が浮かばない、自信がない人もいるでしょう。
転職エージェントは選考のプロで、こうした方でも、職歴や経験の中から、自分では気づけないアピールポイントをたくさん見つけてくれます。
例えば、私が過去に転職エージェントとしてサポートした事例として、以下があります。
20代女性 販売職の経験のみ → 経理を志望 |
|
本人の悩み | 接客メインの仕事で、アピールできる経験スキルがないと思い込み、応募をためらっていた。 |
職務経歴書でアドバイスしたこと | ・「レジの現金管理」「売上日報の作成」を“日次の数字管理業務”として表現し直す →未経験だが、経理と近い仕事をしてきたと伝わる ・在庫管理をミスなく行った経験を、数字に強い証拠としてアピール → 経理は数字を使った管理業務で、数字に強い人が求められる |
結果 | 前職の経験が、経理として働く上で強みになるのが伝わり、内定を獲得。 |
これは、ご本人が「普通だと思っていた業務」でも、見せ方次第で強みに変わるという成功事例です。
こうしたアドバイスが受けられるので、自信のない人ほど転職エージェントは頼るべきです。
使うだけで有利になることも!
大手のエージェントだと、企業からの信頼も厚く、使うだけで書類選考に通りやすくなることもあります。
どこ誰かわからない直接応募に比べると、エージェント経由が安心と考える人事も多いからです。
「この人の紹介なら安心」と人事に強く信頼されている担当もいて、使うだけで「まずは会ってみよう」となる確率が格段に上がります。
職務経歴書の添削に強い転職エージェント5選
しかし、転職エージェント全てが職務経歴書の添削に強いわけではなく、ノウハウが全くない素人集団のような業者もあるので注意しましょう。
添削を頼むエージェント選びで重視すべきなのは以下2つです。
- 実績のある大手か
→大手ほど経理の求人が豊富で、企業ごとの選考データもたくさんあり、頼りになる - 経験・年収の面であなたのサポートに強いか
→大手の中でも、それぞれ力をいれる人材が変わるので、自分にあった業者選びが大事
まずは以下の大手5社から、ご自身の経験に合わせて3社を選びましょう。
経理 経験者 |
未経験 | ||
年収 600万以下 |
年収 600万〜 |
||
MS-Japan | ◎ | ◎ | ◎ |
doda | ◎ | ◯ | ◎ |
マイナビAGENT | ◎ | ◯ | ◎ |
パソナキャリア | ◯ | ◎ | × |
JACリクルートメント | △ | ◎ | × |
転職エージェントは担当者との相性が合う・合わないがあるので、念の為3社は使っておきましょう。
それぞれ特徴を解説していきます。
MS-Japan:経理志望の全員におすすめ
「MS-Japan」は、経理をはじめとした管理部門や、士業の転職に特化した転職エージェントです。
30年以上と、特化型エージェントの中でもトップクラスの実績を誇ります。
経理部門の紹介は一任する企業も多く、未経験からベテラン向けまで豊富な求人があるので、経理の転職には外せない1社です。
向いている人 | 経理志望の全ての人 |
求人数(財務・経理・会計) | 約3,000件 |
対応エリア | 全国 |
運営会社 | 株式会社MS-Japan |
運営歴 | 1990年~ |
MS-Japan公式ページ:https://www.jmsc.co.jp
doda:経理の求人数は国内トップクラス
「doda」はパーソルキャリアが運営する、業界トップクラスの実績と豊富な求人を持つ転職エージェントです。
大手中心に良質な求人が多く、サポート体制も整っていることから利用者からの評判は抜群にいいです。
長年の実績から、「まずはdodaさんにお願いしよう」と考える企業の採用担当も多く、大手・優良企業の求人も多いので、登録しておいて損はありません。
向いている人 | 経理未経験、経験者(年収~600万円) |
求人数(経理・財務・会計) | 約6,500件 |
対応エリア | 全国 |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
運営歴 | 1989年~ |
doda公式ページ:https://doda.jp/consultant/
マイナビエージェント:未経験からの転職サポートも得意
「マイナビAGENT」は、大手マイナビが運営する、20~30代の若手のサポートに強い転職エージェントです。
新卒で多くの学生が使っている「マイナビ」の実績もあり、若年層向けの求人や企業とのパイプは豊富にあるので、30代までの方は積極的に使いましょう。
未経験の業界・職種へのチャレンジにも強いので、未経験から経理を目指す方には特におすすめです。
向いている人 | 経理未経験、経験者(年収~600万円) |
求人数(経理・財務・会計) | 約2,000件 |
対応エリア | 全国 |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
運営歴 | 1973年~ |
マイナビAGENT公式ページ:https://mynavi-agent.jp/
パソナキャリア:ハイクラスや女性のサポートに強い
「パソナキャリア」は求人の半数が年収800万を超える、ハイキャリアのサポートに強い転職エージェントです。
運営元のパソナは、人材派遣業の運営歴が40年を超える業界大手で、有名企業とのパイプが強く、大手企業の経理職の求人が充実しています。
また、会社を上げて女性のサポートに力を入れているため、ハイキャリアの女性の方には真っ先におすすめしたい一社です。
向いている人 | 経理経験者(年収600万円~) |
求人数(経理・財務・会計) | 約1,800件 |
対応エリア | 全国 |
運営会社 | 株式会社パソナ |
運営歴 | 1976年~ |
パソナキャリア公式ページ:https://www.pasonacareer.jp
JACリクルートメント:年収600万円以上は利用必須
「JACリクルートメント」は、ハイキャリアの転職で真っ先に名前が上がる老舗の転職エージェントです。
実績や知名度の高さから、企業側もハイクラスな求人はJACにだけ相談していることも多いため、年収600万以上の方は必ず登録しておきましょう。
求人はそこまで多くありませんが、経理部門の責任者や、英語力も求められる外資系の経理など、ハイクラスな求人はここに集中しています。
向いている人 | 経理経験者(年収600万円~) |
求人数(経理・財務) | 約540件 |
対応エリア | 全国 |
運営会社 | 株式会社ジェイエイシーリクルートメント |
運営歴 | 1988年~ |
JACリクルートメント公式ページ:https://www.jac-recruitment.jp/
まとめ
経理の職務経歴書について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
職務経歴書は、以下の3ステップを意識して作るのが重要です。
- 応募先が、どんな人材を求めているかを知る
- 求める人材にあった自分の経験・強みを洗い出す
- マッチした経験・強みを強調してつくる
最高の状態で応募するためにも、提出前には、プロに無料で添削が頼める以下の大手転職エージェントの利用がおすすめです。
経理経験者 | 未経験 | ||
現在の年収 600万以下 |
現在の年収 600万〜 |
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MS-Japan | ◎ | ◎ | ◎ |
doda | ◎ | ◯ | ◎ |
マイナビAGENT | ◎ | ◯ | ◎ |
パソナキャリア | ◯ | ◎ | × |
JACリクルートメント | △ | ◎ | × |
当ページの内容が、あなたの転職成功のお役に立てることを心から祈っております。