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40代で仕事辞めたい!なんとかなる?次はある?最新データでわかった結論

「40代で仕事を辞めたい!」「辞めたら次はない?」など、40代で仕事を辞めていいのか気になっていませんか?

40代でも年間で1割は仕事を辞めていて、転職者の7割は収入を下げずに転職できているデータもあります。

ただし、辞めて後悔する40代の方もいて、辞める時期や転職活動には注意が必要です。

このページでは、キャリアコンサルタントとして、1,000人以上の転職・退職相談にのってきた筆者が、仕事を辞めたい40代が知るべき全情報を、以下の流れで解説していきます。

このページを読めば、40代でも自分は仕事を辞めてもいいのか、最新の転職事情からまず何をすべきかまでがわかり、気持ちを楽にすることができるでしょう。

著者:I.J(現役転職エージェント)
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ij
30代の現役転職エージェントで、当サイトの発起人。

新卒で大手エージェントに入社。求職者向けのキャリアアドバイザーを経験後、法人担当(採用企業側の担当)も経験する。

累計3,000名以上の求職者をサポートしてきた経験を活かし、他社勤務も経て、現在は大手エージェントの、求職者のサポート部門でマネージャーを行う。

匿名だからこそ発信できる業界の裏事情など「綺麗事では語れない、転職する人に真に価値のある情報を」という思いでこのサイトを立ち上げた。

1. 40代で仕事を辞めたいのは、あなただけじゃない!

仕事を辞めたいのは自分がダメだから?甘い?と悩む方もいます。

しかし、40代で仕事を辞めたり、辞めたいと悩む方はたくさんいて、辞めたい感情は特別なものではありません。

1-1. 年間で、40代の10人に一人は仕事を辞めている

国の調査では、40代の10人に一人は、実際に仕事を辞めたり、転職をしていることがわかっています。

離職率
(辞めた人の割合)
転職入職率
(転職した人の割合)
20~24歳 28.9% 13.9%
25~29歳 18.5% 15.9%
30~34歳 15.3% 11.7%
35~39歳 10.7% 9.1%
40~44歳 10.4% 8.4%
45~49歳 8.3% 8.2%
50~54歳 8.4% 6.5%
55~59歳 8.5% 6.4%

引用:e-Stat「政府統計の総合窓口」2024年の調査結果より

20~30代に比べると少ないですが、大きい差はありません。

40代の場合、以下の事情で、20~30代に比べて転職のハードルは高くなります。

  • 若手を欲しがる企業が多く、40代以上は積極採用する企業が減る
  • 管理職経験や、専門スキルなど、若手に比べて即戦力になるかを特に重視される
  • 住宅ローンや子供の教育費があり、収入を下げられない人が多い

しかし、一定数は転職できていて、決して珍しいことではありません。

1-2. 辞めた理由に多いのは「人間関係」「給料への不満」

40代が仕事を辞めた主な理由をまとめると以下の通りで、「人間関係」「給料への不満」が特に多いです。

40~44歳 45~49歳
職場の人間関係が好ましくなかった 16% 10%
給料等収入が少なかった 10.5% 14.3%
会社の将来が不安だった 10.2% 10%
労働時間・休日などの労働条件が悪かっった 7.6% 8.3%
仕事の内容に興味が持てなかった 6.1% 7.1%
能力・個性・資格を活かせなかった 3.6% 4%

データ引用元「厚生労働省 令和6年雇用動向調査

私は過去に40代のキャリア相談にも多くのってきましたが、これらの理由が多いのは確かです。

人間関係のストレスといっても様々ですが、40代だと、以下のケースで悩まれる方がよくいました。

  • 苦手な上司や同僚と長年付き合ってきたが、もう限界
  • パワハラ気質の上司と付き合うのがしんどい
  • 相談できる人がいないなど、社内で孤立感がある

給料については、役職に就いたり仕事の責任は増える一方、給料が満足に増えないと感じる方が多かったです。

1-3. 「仕事辞めたい=甘え」は間違い

仕事を辞めたい・つらいと感じるのを、根性がない甘えととらえる意見もありますが、間違いです。

3人に1人は、自社がブラックと感じているデータもあり、世の中には人が次々が辞めていく、労働条件の悪い会社があるのも事実です。enジャパン

さらに、全国の6割以上の企業でパワハラ、4割近い企業でセクハラが報告されていて、会社に問題があるパターンも多いです。厚労省

辞めて当然と言える会社も多数あり、ひとくくりに甘えというのは間違いです。

また、私は人材業界で長年働く中で、前職で全く評価されなかった人が、転職先では好業績を上げ、生き生きと働くパターンをいくつも見てきました。

職場には合う・合わないがあり、運悪く合わない職場に行き、ストレスを感じるのも、よくある話です

1-4. 心身が限界なら、無理をしてはいけない

単なる悩みだけでなく、不眠や急に涙が出るなど、明らかに心身に不調が出ている方は、乗り越えようと無理をしてはいけません。

心身に不調がある状態(うつや適応障害)で無理に続けると、悪化して1年以上働けなくなったり、余計に復帰が遠のく場合もあるからです。

まずは転職を考えるべきですが、その元気も出ない方は、以下のような給付金を頼って、まずは休むのも一つの手です。

主な対象 申請先 もらえるお金
失業保険 雇用保険に入って直近2年で1年以上働いていた人 ハローワーク 前職の給料の5~8割を3~5ヶ月間もらえることが多い
職業訓練受講給付金 失業保険の対象外で、ハローワークで職業訓練に通う人 ハローワーク 月10万円と訓練に通う交通費を3~6ヶ月
傷病手当金 うつなど、病気で働けないと医師の診断を受けた人 健康保険組合 もらっていた給与の3分の2を最長1年6ヶ月

また、休職制度がある会社なら、それを使うのもおすすめです。

心身にダメージがあり、どうすべきか迷う方は、会社の産業医や、近所のメンタルクリニックに、相談してみましょう。

医師への相談をためらう方もいますが、診断を受けることで、給付金の対象になったり、会社向けに休職や退職の正当な理由を作ることもできます。

2. 40代で仕事を辞めて、次はあるのか

40代で仕事を辞めたい方がまず悩むのが、「次はあるのか」という点です。

結論から言うと、40代で転職したり、未経験の仕事を始める方は近年増えていて、40代でも十分チャンスがあります。

若手に比べて求人が減るのは確かですが、人手不足で年齢を問わず熱心に採用する企業が近年増えていて、そこまで不安になる必要はありません。

2-1. 今は、40代以上でも転職が当たり前の時代

以前までは35歳を超えると転職は難しいと言われてきましたが、今は違います。

「一社で定年まで」という価値観が変わり、年齢を問わず採用する人手不足の企業が多いことから、40代以上の転職も増えています。

以下のように、大手転職エージェントでは、ここ数年で中高年の転職成功者が大きく増えています。

参考

・doda:ミドルシニアの転職実態レポート
・株式会社リクルート:ミドル世代の転職は10年で約6倍へ 経験の棚卸しは10年以上さかのぼることが重要

2-2. 近年は、人手不足で転職がしやすい売り手市場

近年は、あらゆる業界で人手不足が深刻で、採用に積極的な企業が増えています。

働きたくても仕事に就けない人の割合(完全失業率)は、直近10年で下がり続けていて、近年は2%台で推移しています。

完全失業率推移

引用:NHK

ほとんどの方が、探せば仕事に就ける時代で、結局辞めてもなんとかなる方が多いです。

厚生労働省の調査」によると、前職を辞めて6ヶ月以上の期間が空く人は全体の1割程度で、8割の方は4ヶ月以内に転職できています。

2-3. 40代以上でも、完全未経験の仕事に転職できる!

今の仕事が嫌で辞めたいけれど、「いまさら新しい仕事は無理だろう」と不安に思う方もいます。

しかし、最近は年齢を問わず、未経験の転職もしやすい状況です。

以前は経験者しか採らなかった企業も、人手不足で経験がなくても採用する動きが加速しています。

実際以下のように、「リクルートエージェント」を使った40代のうち、4人に1人は完全未経験の転職に成功しています。

リクルートエージェント利用者のデータ

引用:リクルート

以前まで未経験の転職ができるのは20代までという常識がありました。

しかし、上記の通り、近年は、年齢を問わず未経験からの転職に成功される方も多いです。

2-4. 40代でも、約7割は年収を下げずに転職できている

ローンがあったり、「年収が下がるのは困る」という思いから、次がないと悩む方もいますが、実際はほとんどの方が下げずに転職が可能です。

厚生労働省の調査によると、転職した40代の約7割は、年収を下げずに転職ができています。

年齢 転職で収入アップ、もしくは維持できた人の割合
20~24歳 82%
25~29歳 69.4%
30~34歳 75.2%
35~39歳 73.5%
40~44歳 69.6%
45~49歳 73.3%
50~54歳 70.4%
55~59歳 61%

データ引用元「厚生労働省 令和6年雇用動向調査

人手不足で人材の取り合いになっていて、採用時の待遇を上げる企業も増えています。

20~30代に比べて大きな差はなく、40代以上の転職が、特別不利になることはありません。

2-5. 転職以外の方法もある

仕事を辞めた後は、経験を活かして普通に正社員として転職する以外に、以下の選択肢もあります。

辞めた後どうするか 向いている人
フリーランスとして独立する ・エンジニアやデザイナーなど、個人でも仕事が取れる専門スキルがある
・組織に入らず、自由にやっていきたい
契約社員・パートなど、他の雇用形態を選ぶ ・家庭や健康の事情で、フルタイムでなく、好きな時間だけ無理なく働きたい
・収入が下がってもいいから、責任の少ない立場でストレスを減らしたい
一定の学習期間をとって、資格取得に挑戦 ・手に職をつけたい
・学習期間を取る、金銭的な余裕がある

その他、心身に不調があったり、働くのが難しければ、失業保険や傷病手当金をもらって休む方法もあります。

40代でも、転職も含め選択肢はたくさんあって、結局なんとかなる方がほとんどです。

3. 仕事を辞めたい40代が、まずすべきこと

仕事を辞めたい40代の方は、まず以下をやってみましょう。

  • 結局、何が嫌で辞めたいのかを書き出してみる
  • まず、辞めずに解決する方法を探る
  • 誰かに辞めたい思いを相談してみる
  • 自分の市場価値を調べてみる

つらい気持ちを楽にしたり、今後どうすべきかを決めることにつながるので、一つでもできそうなものがあれば、やってみましょう。

やること1. 結局、何が嫌で辞めたいのかを書き出してみる

上司の〇〇が苦手・業務のここがしんどいなど、結局何が理由で辛いのかを、一度全て書き出してみましょう。

人はぼんやりした不安にストレスを感じるもので、一度明確にしてみることで、気持ちが整理されて楽になります。

次に、以下のように書き出した不満を一つ一つ、残って解決できるか、できないかチェックしていきましょう。

  • 課長に毎日成績について小言を言われるのがしんどい
    →成績を上げたり、別の営業部に行けば解決するかも
  • 給料が仕事のきつさに見合っていない
    →基本給の低さ、昇給の難しさは頑張っても同じで、変えようがない

そうすることで、何に対処すべきか、転職をすべきかなど、今後取るべき動きを整理することもできます。

「同じ思いをしないために、次はこんな職場がいい」のように、次の職場に求めるものも明確になり、転職活動にも役立ちます。

やること2. まずは、辞めずに解決する方法を探る

辞めたい理由を整理したら、それぞれ、まず辞めずに解決する方法はないかを考えましょう。

転職がしやすい時代とはいえ、すぐ決まる保証がないのも事実で、辞めずに解決するに越したことはないからです。

まだ在籍が短かったり、直近で転職を繰り返している人は、辞めると転職でも不利になりやすいので、特に注意が必要です。

以下のように、まずは、残って不満を解消する方法はないか、一度は考えましょう。

  • 社内で部署の異動や担当業務の変更を相談する
  • 長めの休暇をとってリフレッシュしてみる
  • 最低限しか頑張らないスタイルに変えるなど、仕事への向き合い方を変える

特に、社内での異動や業務変更の相談は、一度はしておくべきです。

近年は、あらゆる業界で人手不足が深刻で、「辞められるくらいなら、異動させてでも残って欲しい」と考える職場はたくさんあります。

相談すれば、前向きに動いてくれる職場も多いはずです。

やること3. 誰かに辞めたい思いを相談してみる

辞めたい気持ちを一人で抱え込んでいると、余計つらく感じるはずです。

話すだけで楽になることも多いので、まずは気心の知れた同僚・友人・家族に辞めたい思いを話してみましょう。

自分では思いつかないアドバイスがもらえたり、話す中で自分の不満が整理されて、次のステップに進みやすくもなります。

ただし、同じチームの上司や同僚への相談は控えましょう。

理由は以下二つです。

  • 「自分の負担が増える」と感じて引き止められたり、フラットに相談できない
  • 変に気を使われたり、会社に居づらくなることもある

やること4. 自分の市場価値を調べてみる

以下のような方法で、今の自分の市場価値を調べてみるのもおすすめです。

  • doda」などの転職エージェントへの無料相談
  • ビズリーチ」などのスカウトサービスへの無料登録

辞めたいけど次がないと悩む方は多いですが、実際どうなのかが明確になり、次のステップに進みやすくなります。

可能性があるとわかれば、「いつでも辞められる」と気持ちが楽になり、吹っ切れて辞めずに済む方もいます。

実際に、選択肢を広げて気持ちを楽にするため、こうしたツールで市場価値を調べる方は最近増えています。

口コミ・評判

Tさん
上司に付いていけないなぁ、会社辞めようかなぁという同僚がいたので、
転職エージェントとかと話して自分の労働市場の価値を調べるだけでも落ち着くよ、
と愛社精神のかけらも無い的確なアドバイスを実施
引用元:X

口コミ・評判

Eさん
ビズリーチで企業からのスカウト開封することでとりあえず自分は会社辞めてもいくらでも働き口はあるんだという安心感を得る
市場価値が高い人間だと思い込めるだけでも少しは精神が安定する
引用元:X

お金をかけずに簡単にできますし、すぐの転職希望がなくても全く問題はないので、気になる方は試してみましょう。

4. 40代でも仕事を辞めていい?迷った時の判断基準

これまでお伝えしたとおり、近年は売り手市場で転職がしやすく、40代でもチャンスが大きいです。

しかし、全員が辞めてもなんとかなるわけではなく、一部、辞めて後悔する方がいるのも事実です。

ここでは、自分はどうなのか、迷う方向けに、辞めるべきかの判断基準を解説していきます。

4-1. 仕事を辞めてもいい3つのケース

以下に一つでも当てはまる方は、仕事を辞めて、新しい職場に行った方がいいです。

  • 「将来こうなりたい」と思える上司・先輩がいない
  • 根本的に社風が合わない
  • 心身に不調が出ている

私が過去にカウンセリングした方の中でも、こうした方は、辞めて後悔しているケースはほぼありません。

①「将来こうなりたい」と思える上司・先輩がいない

今の職場の上司や先輩に、5年後・10年後こうなりたいと思える人がいない場合は、辞めても後悔しないでしょう。

上司や先輩の姿はあなたの将来像でもありますが、そこに憧れないなら、やる気が出ないのは当然で、方向転換した方がいいです。

具体的には、以下3つで憧れるポイントがない場合、きつい思いをして続けても、無駄になる可能性が高いです。

  • 仕事内容:「同じ仕事がしてみたい」と思えるか
  • 待遇:「こんな給料がもらえて羨ましい」と思えるか
  • ワークライフバランス:労働時間や、プライベートの過ごし方も含めていいと思えるか

逆に今は辛くても、上に「あの人みたいになりたい」と思える人がいるなら、今辛くても、踏ん張る価値はあるはずです。

②根本的に社風が合わない

会社にはそれぞれ以下のような独自の社風がありますが、それが耐えられない人も、辞める事をおすすめします。

  • 体育会系で上下関係が強い
  • 時間外勤務は当たり前の文化がある
  • 実力よりも、付き合いの良さが評価につながる
  • 保守的で、新しい提案が通りにくい
  • 毎回何人もの許可がいるなど、意思決定のスピードが遅い

社風は長年かけて作られるもので、急には変わらず、個人の努力ではどうにもならないのが普通だからです。

社内で部署や業務内容を変えても解決は難しく、当面しんどい状況が続くのは間違いありません。

ここで悩む方は、どんな環境の方が自分には合う、活躍できるというイメージが今ははっきり湧くはずです。

耐えて貴重な時間を無駄にするよりも、そこを目指して転職した方が、あなたの将来にとって有益です。

③心身に不調が出ている

以下のように、心身に不調のサインが出ている方も、辞めることを検討すべきです。

うつ病の症状の例
・疲れているのに眠れず、日中もぼんやりして集中できない
・趣味など、これまで楽しかったことが楽しめなくなった
・食欲が激減・もしくは激増して、短期間で体重が大きく変動
・遅刻や早退、欠勤が増えた
・口数が減り、マイナスな発言が増えた
・頭が回らず、今までできていたことが、出来なくなった
・病気でないのに、頭痛やめまい、微熱、吐き気、下痢や便秘などの症状が続く
・イライラして落ち着きがなく、ずっと不安

参考:厚労省HP「こころの耳」

こうしたサインには、早めに対処しないと、さらに悪化して1年以上の長期の休みを取らざるを得なくなるケースもあります。

心身のSOSは素直に受け入れ、失業保険や休職の制度を使うなりして、休むことを優先しましょう。

状態が悪い方は判断力が鈍り、いきなり転職活動をしても失敗しやすいので、まずは休んで、体調を良くすることを目指しましょう。

また、自分現在の疲労度やストレスのレベルは、厚生労働省の以下のページでも診断できます。

これらで高い疲労やストレスが確認できた方も、環境を変えることを考えましょう。

4-2. 仕事を辞めない方がいい4つのケース

逆に、以下に当てはまる方には、直ぐには辞めないほうがいいでしょう。

  • 一時的な悩みが理由になっている
  • 社内で異動すればマシになりそう
  • 今動くと、転職で不利になる
  • 辞めた後のお金の目処が立たない

①一時的な悩みが理由になっている

以下のように、一時的な悩みが理由になっている場合は、直ぐに辞める事はおすすめしません。

  • 新しい現場に慣れずに、ついていくのが大変
  • 忙しい時期で、業務量が増えている
  • 普段しないようなミスをしてしまい、落ち込んでいる
  • 大きい仕事を引き受けて、プレッシャーを感じている
  • 家庭など私生活の問題で、仕事のストレスにも影響している

しんどい時期は、「すぐ楽になりたい」と辞めることを考えがちですが、本当に辞めるほどの悩みかは、冷静に考えるべきです。

慣れや、時間の問題で解決できそうな悩みで辞めると、「もう少し我慢すればよかった」と後悔しやすいです。

転職は大きなエネルギーを使いますし、職歴が多いと経歴的にも不利なので、まずは休暇などでリフレッシュを挟みつつ、乗り越える努力をしてみましょう。

②社内で異動すればマシになりそう

悩みの原因が、特定の上司や部署によるもので、異動で解決できそうな場合は、辞める前に異動希望を出しましょう。

残って解決したほうが、これまで作った社内の評価や人脈を無駄にせずに済みますし、給料面でもマイナスが少ないです。

新しい環境に行くのはストレスかもしれませんが、1から新しい会社に行くより負担は少なくなります。

③今動くと、転職で不利になる

以下のように、今辞めると転職活動で不利になる経歴の方も、すぐに辞める事はおすすめしません。

  • 入社して1年も経っていない
  • 前職も早く辞めていて、短期離職が続く

直ぐに転職活動しても、「忍耐力が低く、すぐ辞めるのでは?」と警戒され、不利になりやすいです。

少なくとも1年、できれば3年は続けたほうが次の転職では有利になり、希望通りの職場にも行きやすくなります。

心身が限界といった仕方ない場合を除いて、なるべく今の職場に残る努力をしましょう。

④辞めた後のお金の目処が立たない

退職前に次の内定が決まればいいですが、そうでない場合は、お金の余裕がない人は辞めるべきではありません。

例えば、以下のようなケースです。

  • 失業保険の対象外(過去2年でフルタイムで働いた期間が1年未満)
  • 住宅ローンや教育費など、毎月の出費に耐えられる貯金がない

金銭的に余裕がないと、焦って条件の悪い職場に飛びついてしまったり、負のループになりやすいです。

辞める前に内定を決めるのが一番いいですが、難しい場合は、以下のような方法で、お金の目処はつけておきましょう。

  • 失業保険の対象になる期間までは働く(1年以上働けばクリア)
  • ボーナスの支給時期までは耐える
  • スキマバイトなど、他の収入源を作っておく
  • 家族や実家を頼る約束を取り付ける
失業保険とは?

仕事を辞めた人の再就職を支援するための給付金で、ハローワークで申請すると、前職の給料の5~8割を3~5ヶ月間もらえることが多いです。

詳しく知りたい方は「退職後に失業保険をもらうには?退職理由別の手続き・金額まとめ」をご参考ください。

5. 次を決めるために|40代が転職活動で意識すべきこと

転職を考えている40代の方は、以下を意識しましょう。

  • なるべく、たくさん応募する
  • 少なくとも6ヶ月はかかる想定をする
  • 未経験の業界も視野に入れる
  • 柔軟な姿勢をアピールする
  • 希望年収は高くしすぎない
  • 肩書きよりも「何ができるか」をアピールする
  • 転職エージェントは必ず使う

これらを意識するだけで、40代にありがちな失敗が防げて、ライバルに大きく差をつけることができます。

5-1. なるべく、たくさん応募する

40代の方は、慎重に数社を選ぶのではなく、なるべく多く応募をするスタンスを取りましょう。

20~30代に比べて選考の通過率はどうしても下がり、少しずつ受けても、中々決まらない可能性が高いからです。

転職成功者は、8割が10社以上に応募しているデータもあり、少なくともそれ以上は受けていくべきです。

リクルートエージェントの転職成功者データ

引用:リクルートエージェント

40代の方は、書類の通過率が10~20%なことが多く、10社受けても面接に進めるのは1~2社なことが多いです。

そのため、30社以上受けて、やっと決まるというケースも珍しくありません。

複数応募には、成功率が上がるだけでなく、以下のメリットもあるので、積極的に応募していきましょう。

  • 面接を複数こなすうちに、面接慣れして、アピールが上手くなる
  • 内定を複数もらうことで、気持ちに余裕を持って活動できる
  • 「他社ではこの条件で内定している」と伝えることで、年収アップにつながったり、交渉の材料にもなる

5-2. 少なくとも6ヶ月はかかる想定をする

40代の方は、内定が出るまでは、少なくとも6ヶ月はかかる長期戦を想定しておきましょう。

若手に比べて求人が少ないこともあり、実際に40代の約半数が内定が出るまで3ヶ月以上かかっているデータもあります。

age_data_period

引用:en ジャパン「転職活動期間に関する調査

職種別に見ると、平均年収が高いコンサル、金融系が特に時間がかかりやすい傾向があります。

高年収・管理職クラスの転職は、求人が少ないだけでなく、企業側も慎重に選考を進める傾向があり長引きやすいです。

焦って転職を決めて後悔しないためにも、期間には余裕をもっておきましょう。

5-3. 未経験の業界も視野に入れる

可能性を広げるためにも、応募先は、未経験の業界も視野に入れていきましょう。

リクルートの調査」では、40代の6割以上は業界を変えて転職をしていて、実際多くの方が成功しています。

私が過去にサポートした40代の方も多くが業界を変えていて、事例としては以下があげられます。

転職前 転職後
印刷業界の法人営業
年収480万円
IT業界の法人営業
年収600万円
食品メーカーの経理
年収500万円
製薬メーカーの経理
年収650万円
機械メーカーの営業
年収700万円
不動産業界の個人営業
年収830万円
SIerのITエンジニア
年収600万円
農業法人の事務員
年収450万円
飲食店のマネージャー
年収500万円
有料老人ホームの介護職
年収400万円

職種はそのままで、業界だけを変える場合は、より利益率の大きい業界に行くことで、年収アップにつながるケースもよくあります。

営業、エンジニア、経理など、一つの職種の専門性が高ければ、別業界でも通用するので、特に未経験の業界は積極的に検討しましょう。

職種も変える場合、年収は下がりやすいですが、休みが多かったり、その他メリットがあれば、納得して転職される方が多いです。

5-4. 柔軟な姿勢をアピールする

40代以上転職では、あなたが会社に馴染んで働ける柔軟性があるかをシビアに見られます。

中高年はプライドが高く、自分のやり方に固執したり、組織に馴染めないパターンがよくあるからです。

こうした見られ方をしないためにも、以下のようなエピソードを話すなどして柔軟性はアピールしておきましょう。

  • チーム内の異なる考えも取り入れ、プロジェクトを成功させた。
  • 既存の方法でうまくいかない点を修正しながら、困難を乗り切った。
  • 畑違いの他部署の考えを、自分の仕事に取り入れて成果を上げた。

その他、「1から学んでいきたい!」といった謙虚な姿勢を示すのも効果的です。

5-5. 希望年収は高くしすぎない

40代は役職についていたり、元々年収が高いことも多く、希望年収も高くして、条件が合わずに落とされるパターンがよくあります。

選考の段階では、年収関係なく頑張りたい、という姿勢を見せておくに越したことはありません。

面接では希望年収について聞かれますが、「御社で働きたい気持ちが一番で、年収は関係ありません。」のように、まずは入社への熱意を優先して伝えましょう。

どうしても理想の年収がある場合は、「希望としては〇〇万円ですが、最低希望は〇〇万円です。」と低めの年収も一緒に提示しておくと、安全です。

また、内定後に「実は他社からより高い年収で内定を頂いていて、、」と切り出せば、有利な立場で高い金額に変更してもらえることも多いです。

強気の提示をしたい方も、内定前は控え、内定後に交渉するようにしましょう。

5-6. 肩書きよりも「何ができるか」をアピールする

40代以上が転職活動でやってしまいがちな失敗が、「部長をやっていました。」のように肩書きだけのアピールで終わらせてしまうパターンです。

採用担当が知りたいのは、肩書きそのものではなく、具体的にその立場でどんな仕事をしてきたのかです。

部長などの肩書きの持つ意味は会社によってバラバラで、それだけでは、活躍できる証明にならないからです。

役職についていたり、肩書きがある方も、アピールする際は、何をしてどんな成果を出してきたかまでを、伝えましょう。

悪いアピール例
(肩書きのみ)
・前職では営業部長として20名の部下を統括していました。
良いアピール例
(どんな工夫をして、どんな成果をあげたかまで)
・営業部長として20名のチームを率い、前年比120%の売上成長を達成しました。特に新規法人営業体制を自ら設計し、若手3名を中心に取引先開拓の仕組みを構築しました。

こうするだけで、「うちでも活躍できそう」となり、選考の通過率を大きく上げられます。

5-7. 転職エージェントは必ず使う

40代の方は、以下の点でメリットが大きいので、必ず転職エージェントは使っておきましょう。

  • エージェントしか持っていない、40代が対象の好条件な求人に出会える
  • 選考で有利になりやすい
  • 転職のあらゆるサポートが無料で受けられる

転職エージェントは、転職相談から求人紹介、選考対策、企業とのやりとりまでフルサポートしてくれる完全無料のサービスです。

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大手中心に、採用はまずエージェントに頼むのが当たり前の企業も多く、エージェントにしかない求人も多いので、使わないと損します。

また、担当は、企業ごとの過去の面接データも持っていて、選考に通るためのアドバイスもしてくれます。

ただでさえ若手に比べて求人が少なく、不利にもなりやすい40代の転職には必須のサービスです。

面接日の調整など、企業とのやりとりは全て代行してくれて、手間が減るので、働きながらの活動もグッとしやすくなります。

転職エージェントの注意点

転職エージェントは、業者ごとに、紹介できる求人の量や質、選考に向けたサポート力は大きく差がつきます。

新しかったり、小さい業者は選べる求人が少なく、経験が少ない分、企業ごとの対策にも弱いケースが多いです。

相談をするなら、多くの人に選ばれている、以下のような大手がおすすめです。

いずれも大手・優良企業と強いパイプを持ち、企業ごとの面接データも知り尽くしていて、非常に頼りになります。

40代でも積極的にサポートしてくれるので、迷ったらこれらを選んでおきましょう。

6. 仕事を辞めたいけど、辞める勇気が出ない人へ

私はこれまで、キャリアカウンセリングを通じて、多くの方の仕事を辞めたいという相談に乗ってきました。

その中で、心身が限界だったり、明らかに辞めるべき状況でも、一歩踏み出せずに、つらい思いをして続ける方をたくさん見てきました。

こうした方に、まずお伝えしてきたのが以下のポイントです。

  • あなたが辞めても、会社は普通に回っていく
  • 辞めるのは正当な権利で、裏切りや悪ではない
  • 無理をして続けても、実は失うものがたくさんある

責任感や、罪悪感から、退職をためらう方が多いですが、思い込みによるところも大きいので注意しましょう。

6-1. あなたが辞めても、会社は普通に回っていく

職場に穴をあけ、迷惑をかけると気にする方もいますが、世の中の多くの仕事は替えがききます。

「代わりがいない」というのは思い込みで、一人が辞めた程度では動じずに、普通に回っていくのが会社組織というものです。

アップルの創業者スティーブ・ジョブスは2011年に亡くなりましたが、社長が変わってからも、iPhoneは売れ続け、アップルの株価も上がり続けています。

大企業の社長でさえ、替えが効くのが現実で、あなたの仕事も間違いなく誰かが代わりにこなしてくれます。

人手不足で、辞めることに責任を感じる方もいますが、「人員を揃えるのは会社の責任」と割り切りましょう。

欠員も見越して採用したり、退職者が出にくい職場を作るのは会社の責任で、あなたが背負う必要は全くありません。

6-2. 辞めるのは正当な権利で、裏切りや悪ではない

仕事を辞めることが、裏切りや悪いことと感じる方もいますが、完全な間違いです。

会社は自由に退職していいことが法律で決められていて、辞めることは正当な権利です。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる

この場合において、雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

引用:民法第627条

逆に退職を無理に止めていい法律はなく、会社はあなたを縛ることはできません。

最近は、退職代行を使って強行突破で辞めることもできますが、法的に問題になることがめったにないのもこれが理由です。

長く社風に染まっていると、自分が悪いという発想になりがちですが、法的には辞めても全く問題ないことは知っておきましょう。

6-3. 無理をして続けても、実は失うものがたくさんある

つらい状況でも、続けていれば、今の居場所や一定の収入は守ることができます。

短期的に見ると得をしているようにも見えますが、以下のように、失うものも実はたくさんあります。

  • 健康:心身を限界まで追いやり、1年以上など長期の休養を要する状態になる方も
  • 人間関係:余裕がなくなり、家族や友人に冷たくしたり、あたるなどして、大事な人間関係を壊してしまう方も
  • お金:お酒やショッピングなど、ストレス発散にかけるお金が増えてしまう人も
  • キャリアアップの機会:環境次第で、生き生き働けて年収を上げられる人も、動かなければ何も得られない
  • 若さ:転職には若い方が有利で、50代以上はさらに転職の難易度が上がる

このように、長い目で見ると、損になることも多いので注意しましょう。

(参考)辞めたいと言えない場合はどうしたらいい?

会社に「辞めたい」と伝える勇気がどうしても出ない方は、最終手段として、退職代行を使うこともできます。

退職代行とは、2~3万円で退職手続きを代行してくれて、会社と直接のやりとりゼロで退職ができるサービスです。

退職代行の仕組み

怖くて退職が言い出せない人も、スムーズに辞められるメリットがあり、近年急速に利用者が増えています。

退職希望を代わりに伝えるのがメインですが、業者によっては以下にも対応していて、全て丸投げすることができます。

  • 退職時の有給休暇の申請
  • 残業代や未払い賃金の請求

退職が言い出せなかったり、引き止めに自分で対処する自信がない方は、退職代行の利用も検討しましょう。

20以上のサービスを比較しましたが、使うならあなたの状況別に以下がおすすめです。

正社員におすすめ 退職代行トリケシ
反論されても交渉してくれて安心!労働組合運営のおすすめNo.1
パート・アルバイトにおすすめ 退職代行モームリ
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未払い賃金の請求までしたい人向け フォーゲル綜合法律事務所
弁護士運営の中でも、トップクラスの実績

サービス詳細や、これらがおすすめの理由は、「退職代行とは?サービスの仕組みから注意点まで利用前に知るべき全知識」でさらに詳しく解説しています。

まとめ

仕事を辞めたい40代はどうすべきかを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

40代でも、年間で1割は仕事を辞めて転職しています。近年は、人手不足の売り手市場で、40代以上も転職しやすく、チャンスも大きいです。

以下の大手転職エージェントに相談すれば、40代でも親身なサポートが受けられて、次はあるのか、どんな可能性があるのか具体的に知ることができます。

まずはエージェントへの無料相談で、自分の市場価値を知るところから始めてみましょう。

このページの内容があなたの悩みを軽くして、未来を明るくすることを心より祈っています。