仕事辞めたい!悩む人が知るべき全事実と辞めるべきかの判断基準

「仕事辞めたい!」「もう疲れた…」など、仕事を辞めたいと悩んでいませんか?
世の中に辞めたいと思いながら働く人はたくさんいて、実際に年間で300万人が仕事を辞めて転職しています。
ただ、辞めから後悔する人もいて、辞めるタイミングには注意が必要です。
このページでは、キャリアコンサルタントとして、1,000人以上の転職・退職相談にのってきた筆者が、仕事を辞めたいと悩む方が知るべき全情報を、以下の流れで解説していきます。
- 「仕事辞めたい、疲れた」という方にまず伝えたいこと
- 仕事を辞めたい人にまずやって欲しい4つのこと
- 自分は仕事を辞めるべき?迷った時の判断基準
- 辞めると決めたら|円満退職に向けて今すぐできること
- どうしても辞められない人へ|仕事と楽に向き合う10つのコツ
このページを読めば、仕事を辞めたい方がまず何をすべきで、実際辞めるべきかまでが明確になり、気持ちを楽にすることができるでしょう。
著者:I.J(現役転職エージェント)
1. 「仕事辞めたい、疲れた」という方にまず伝えたいこと
私はキャリアコンサルタントとして転職相談にのる中で、これまで多くの方の「仕事辞めたい」という悩みを聞いてきました。
その中で、相談者の方の気持ちを軽くするために、まず以下をお伝えしてきました。
- 「仕事辞めたい」と感じる人は、他にもたくさんいる
- 「仕事を辞めたい=甘え」は間違い
- 真面目・責任感のある人ほど悩みやすい
- 辞めたいと悩むのは、悪いことばかりではない
- 結局、辞めても何とかなる人がほとんど
- あなたが辞めても、会社は普通に回っていく
- 辞めるのは正当な権利で、裏切りや悪ではない
- 精神的に限界なら、一旦休むことを選んでもいい
「おかげで楽になった」と言ってもらえたことも多いので、ぜひ参考にしてください。
1-1. 「仕事辞めたい」と感じる人は、他にもたくさんいる
周囲が当たり前のように働いている中、仕事を辞めたいと感じることに引け目を感じる方もいます。
しかし、辞めたい感情は何も特別なことではありません。
「総務省の調査」によると、働く人の内、1,000万人以上は転職を希望していて、職場の10人に一人は仕事を辞めたいと感じています。
また、直近1年で転職を経験した人は300万人以上もいて、たくさんの人が仕事を辞めているのも現実です。
「続けられないのは自分がダメだから」と自己嫌悪になる方もいますが、そんなことはなく、多くの人が通る道です。
辞めたい理由に多いのは人間関係
定年や会社都合を除き、仕事を辞めた人の理由を、多い順に並べると以下の通りで、人間関係が最も多いです。
- 人間関係
- 給与が少ない
- 働く時間や休みなどの労働条件
- 仕事内容
- 会社の将来への不安
- 自分の能力・個性・資格が生かせない
苦手な上司・同僚がいたり、いじめがあったり、内容は様々です。
些細なことにも見えますが、こうした理由で、多くの人が毎年仕事を辞めているのが現実です。
1-2. 「仕事を辞めたい=甘え」は間違い
辞めたいのを、根性がない甘えととらえる意見もありますが、私が人材業界に長年いた経験からすると間違いです。
前職で全く評価されなかった人が、転職先では好業績を上げ、生き生きと働くパターンをいくつも見てきました。
職場には合う・合わないがあり、運悪く合わない職場に行き、ストレスを感じるのはごく普通のことです。
「リクルートの調査」によると、転職経験がある人は20代で4割、30代以上は5~6割で、実際に約半数の人は一度は転職を経験します。
辞めたくなって当然のブラック企業もある
また、3人に1人は、自社がブラックと感じているデータもあり、世の中には人が次々が辞めていく、労働条件の悪い会社があるのも事実です。(enジャパン)
さらに、全国の6割以上の企業でパワハラ、4割近い企業でセクハラが報告されていて、会社に問題があるパターンも多いです。(厚労省)
辞めて当然と言える会社も多数あり、こうした点でも、ひとくくりに甘えというのは間違いです。
1-3. 真面目・責任感のある人ほど悩みやすい
仕事にストレスを感じて、悩んでしまうのは、弱さではなく、真面目で責任感が強い証拠でもあります。
結果を出そうと気を張ったり、周囲への迷惑を気にするまともな人ほど、ストレスを感じやすく、参ってしまう傾向があります。
私の経験上、こうした人は、環境次第では活躍できるチャンスの大きい、優秀な方というケースが多いです。
辞めたい自分を悪く考えず、社会で活躍できる資質があると、一度ポジティブに自分を認めてあげてほしいです。
1-4. 辞めたいと悩むのは、悪いことばかりではない
仕事を辞めたいと悩むのは悪いことばかりでなく、自分にとってより良い環境を見つけるきっかけにもなります。
今感じているストレスは、自分が本当はどんな環境が合っているかのサインでもあるからです。
- 労働時間が長すぎてつらい
→定時退社が当たり前の、残業が少ない職場がいい - トップダウンで、言われた通りにしか動けず不満
→裁量を持って、伸び伸び働ける職場がいい - 仕事が単調すぎて成長できる実感がない
→キャリアアップにつながる、スキルが身に付く職場がいい
働いてみて、何がストレスなのかを身をもって知らないと、自分はどんな環境に向くかはわからないものです。
環境を見直すいい機会になるので、一度、何が不満のかを整理してみるのがおすすめです。
1-5. 結局、辞めても何とかなる人がほとんど
辞めても次がないと悩む方も多いですが、いざ転職活動をしてみると、あっさり決まる方も多いです。
実際、「厚生労働省の調査」によると、仕事を辞めた人の約6割は2ヶ月以内、8割は4ヶ月以内に転職できていています。
大手転職サービス「doda」で転職する人の8割以上は30代までの方で、若手の方は特にチャンスが大きいです。
また、仕事が嫌な気持ちは、永遠に続くようにも感じますが、以下のように時間が解決したり、結局何とかなるケースも多いです。
- 苦手な人がいたが、異動があり離れることができた
- 自分が仕事に慣れてきたことで、悩まなくなった
- 長い休みを取ったり、人に話すことで大分楽になった
そのため、すぐに辞めることはせず、状況が変わるのを待ったり、気持ちを楽にする方法を試すのもおすすめです。
最近は、年齢関係なく転職がしやすい売り手市場
以前までは35歳を超えると転職は難しいと言われてきましたが、今は違います。
「一社で定年まで」という価値観が変わり、年齢を問わず採用する人手不足の企業が多いことから、40代以上の転職も増えています。
以下のように、大手転職エージェントでは、ここ数年で中高年の転職成功者が大きく増えています。
- doda:45~60歳の転職決定者が5年(2019~2023年)で2倍に増加
- リクルートエージェント:40代・50代の転職者が10年(2014~2024年)で6倍に増加
また、40代以上でも7割以上が未経験の業界・職種に転職していて、中高年からの新しいチャレンジもしやすい状況です。
参考
・doda:ミドルシニアの転職実態レポート
・株式会社リクルート:ミドル世代の転職は10年で約6倍へ 経験の棚卸しは10年以上さかのぼることが重要
・株式会社リクルート:「異業種×異職種」転職が全体のおよそ4割、過去最多に 業種や職種を越えた「越境転職」が加速
1-6. あなたが辞めても、会社は普通に回っていく
職場に穴をあけ、迷惑をかけると気にする方もいますが、世の中の多くの仕事は替えがききます。
「代わりがいない」というのは思い込みで、一人が辞めた程度では動じずに、普通に回っていくのが会社組織というものです。
アップルの創業者スティーブ・ジョブスは2011年に亡くなりましたが、社長が変わってからも、iPhoneは売れ続け、アップルの株価も上がり続けています。
大企業の社長でさえ、替えが効くのが現実で、あなたの仕事も間違いなく誰かが代わりにこなしてくれます。
人手不足で、辞めることに責任を感じる方もいますが、「人員を揃えるのは会社の責任」と割り切りましょう。
欠員も見越して採用したり、退職者が出にくい職場を作るのは会社の責任で、あなたが背負う必要は全くありません。
1-7. 辞めるのは正当な権利で、裏切りや悪ではない
仕事を辞めることが、裏切りや悪いことと感じる方もいますが、完全な間違いです。
会社は自由に退職していいことが法律で決められていて、辞めることは正当な権利です。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる
この場合において、雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
引用:民法第627条
逆に退職を無理に止めていい法律はなく、会社はあなたを縛ることはできません。
最近は、退職代行を使って強行突破で辞めることもできますが、法的に問題になることがめったにないのもこれが理由です。
長く社風に染まっていると、自分が悪いという発想になりがちですが、法的には辞めても全く問題ないことは知っておきましょう。
1-8. 精神的に限界なら、一旦休むことを選んでもいい
単なる悩みだけでなく、不眠や急に涙が出るなど、明らかに心身に不調がある時は無理をしてはいけません。
精神的に不調がある状態(うつや適応障害)で無理に続けると、悪化して1年以上働けなくなったり、余計に復帰が遠のく場合もあるからです。
転職する元気も出ない方は、以下のように、まずは休む方法を取るのも一つの選択肢です。
どうすべきか迷う方は、会社の産業医や、近所のメンタルクリニックに、相談してみましょう。
医師への相談をためらう方もいますが、診断を受けることで、給付金をもらえたり、会社向けに休職や退職の正当な理由を作ることもできます。
在職中に、うつなどで働けなくなった方は、健康保険組合が窓口の「傷病手当金」の対象になる可能性があります。
医師の診断を受けて受給が決まると、もらっていた給料の3分の2程度の金額が、最長で1年半支給されます。
2. 仕事を辞めたい人にまずやってほしい4つのこと
仕事辞めたいと感じ方は、まず以下をやってみましょう。
- 結局何が嫌で辞めたいのか整理する
- まず、辞めずに解決する方法を探る
- 誰かに辞めたい思いを相談してみる
- 自分の市場価値を調べてみる
今後どう動くべきかが見えてきて、つらい気持ちを楽にすることもできます。
やること1. 結局何が嫌で辞めたいのか整理する
上司の〇〇が苦手・給料が低いなど、結局何が嫌で辞めたいのかを、一度全て書き出してみましょう。
人はぼんやりした不安にストレスを感じるもので、一度明確にしてみることで、気持ちが整理されて楽になります。
次に、以下のように書き出した不満を一つ一つ、残って解決できるか、できないかチェックしていきましょう。
- 課長に毎日成績について小言を言われるのがしんどい
→成績を上げたり、別の営業部に行けば解決するかも - 給料が仕事のきつさに見合っていない
→基本給の低さ、昇給の難しさは頑張っても同じで、変えようがない
そうすることで、本当に辞めるべきかを整理することもできます。
不満の種は、なるべく細かく分解していくのがおすすめです。
例えば、「営業の仕事が嫌」という方は、具体的に仕事のどこが嫌なのか、好きな部分はないかまで、細かく書いてみましょう。
営業が嫌な理由 | ・ノルマ達成のため、数字に追われ続けるのが苦しい ・飛び込み営業など断られる場面が多く、精神的に疲れる |
営業の好きな部分 | ・既存顧客と信頼関係を築けたときにやりがいを感じる ・自分の提案で契約が取れた瞬間の達成感が大きい 「ルート営業」「既存顧客中心の営業」であれば、もっと気楽に働けるかも! |
そうすることで、「営業自体というより、今のスタイルの営業が向いていないだけ」のように、次の職場を探す軸を見つけることもできます。
やること2. まずは、辞めずに解決する方法を探る
辞めたい理由を整理したら、それぞれ、まず辞めずに解決する方法はないかを考えましょう。
転職がしやすい時代とはいえ、すぐ決まる保証がないのも事実で、辞めずに解決するに越したことはないからです。
まだ在籍が短かったり、直近で転職を繰り返している人は、辞めると転職でも不利になりやすいので、特に注意が必要です。
以下のように、まずは、残って不満を解消する方法はないか、一度は考えましょう。
- 社内で部署の異動や担当業務の変更を相談する
- 長めの休暇をとってリフレッシュしてみる
- 最低限しか頑張らないスタイルに変えるなど、仕事への向き合い方を変える
やること3. 誰かに辞めたい思いを相談してみる
辞めたい気持ちを一人で抱え込んでいると、余計つらく感じるはずです。
話すだけで楽になることも多いので、まずは気心の知れた同僚・友人・家族に辞めたい思いを話してみましょう。
自分では思いつかないアドバイスがもらえたり、話す中で自分の不満が整理されて、次のステップに進みやすくもなります。
ただし、同じチームの上司や同僚への相談は控えましょう。
理由は以下二つです。
- 「自分の負担が増える」と感じて引き止められたり、フラットに相談できない
- 変に気を使われたり、会社に居づらくなることもある
やること4. 自分の市場価値を調べてみる
以下のような方法で、今の自分の市場価値を調べてみるのもおすすめです。
辞めたいけど次がないと悩む方は多いですが、実際どうなのかが明確になり、次のステップに進みやすくなります。
可能性があるとわかれば、「いつでも辞められる」と気持ちが楽になり、吹っ切れて辞めずに済む方もいます。
実際に、選択肢を広げて気持ちを楽にするため、こうしたツールで市場価値を調べる方は最近増えています。
お金をかけずに簡単にできますし、すぐの転職希望がなくても全く問題はないので、気になる方は試してみましょう。
3. 自分は仕事を辞めるべき?迷った時の判断基準
次に、結局自分は仕事を辞めるべきか、続けるべきか迷った時の判断基準をそれぞれ紹介していきます。
3-1. 仕事を辞めるべき3つのケース
以下に一つでも当てはまる方は、仕事を辞めて、新しい職場に行った方がいいです。
- 「将来こうなりたい」と思える上司・先輩がいない
- 根本的に社風が合わない
- 心身に不調が出ている
私が過去にカウンセリングした方の中でも、こうした方は、辞めて後悔しているケースはほぼありません。
①「将来こうなりたい」と思える上司・先輩がいない
今の職場の上司や先輩に、5年後・10年後こうなりたいと思える人がいない場合は、辞めても後悔しないでしょう。
上司や先輩の姿はあなたの将来像でもありますが、そこに憧れないなら、やる気が出ないのは当然で、方向転換した方がいいです。
具体的には、以下3つで憧れるポイントがない場合、きつい思いをして続けても、無駄になる可能性が高いです。
- 仕事内容:「同じ仕事がしてみたい」と思えるか
- 待遇:「こんな給料がもらえて羨ましい」と思えるか
- ワークライフバランス:労働時間や、プライベートの過ごし方も含めていいと思えるか
逆に今は辛くても、上に「あの人みたいになりたい」と思える人がいるなら、今辛くても、踏ん張る価値はあるはずです。
②根本的に社風が合わない
会社にはそれぞれ以下のような独自の社風がありますが、それが耐えられない人も、辞める事をおすすめします。
- 体育会系で上下関係が強い
- 時間外勤務は当たり前の文化がある
- 実力よりも、付き合いの良さが評価につながる
- 保守的で、新しい提案が通りにくい
- 毎回何人もの許可がいるなど、意思決定のスピードが遅い
社風は長年かけて作られるもので、急には変わらず、個人の努力ではどうにもならないのが普通だからです。
社内で部署や業務内容を変えても解決は難しく、当面しんどい状況が続くのは間違いありません。
ここで悩む方は、どんな環境の方が自分には合う、活躍できるというイメージが今ははっきり湧くはずです。
耐えて貴重な時間を無駄にするよりも、そこを目指して転職した方が、あなたの将来にとって有益です。
③心身に不調が出ている
以下のように、心身に不調のサインが出ている方も、辞めることを検討すべきです。
うつ病の症状の例 |
・疲れているのに眠れず、日中もぼんやりして集中できない ・趣味など、これまで楽しかったことが楽しめなくなった ・食欲が激減・もしくは激増して、短期間で体重が大きく変動 ・遅刻や早退、欠勤が増えた ・口数が減り、マイナスな発言が増えた ・頭が回らず、今までできていたことが、出来なくなった ・病気でないのに、頭痛やめまい、微熱、吐き気、下痢や便秘などの症状が続く ・イライラして落ち着きがなく、ずっと不安 |
参考:厚労省HP「こころの耳」
こうしたサインには、早めに対処しないと、さらに悪化して1年以上の長期の休みを取らざるを得なくなるケースもあります。
心身のSOSは素直に受け入れ、失業保険や休職の制度を使うなりして、休むことを優先しましょう。
状態が悪い方は判断力が鈍り、いきなり転職活動をしても失敗しやすいので、まずは休んで、体調を良くすることを目指しましょう。
また、自分現在の疲労度やストレスのレベルは、厚生労働省の以下のページでも診断できます。
これらで高い疲労やストレスが確認できた方も、環境を変えることを考えましょう。
3-2. 仕事を辞めない方がいい4つのケース
逆に、以下に当てはまる方には、直ぐには辞めないほうがいいでしょう。
- 一時的な悩みが理由になっている
- 社内で異動すればマシになりそう
- 今動くと、転職で不利になる
- 辞めた後のお金の目処が立たない
①一時的な悩みが理由になっている
以下のように、一時的な悩みが理由になっている場合は、直ぐに辞める事はおすすめしません。
- 新しい現場に慣れずに、ついていくのが大変
- 忙しい時期で、業務量が増えている
- 普段しないようなミスをしてしまい、落ち込んでいる
- 大きい仕事を引き受けて、プレッシャーを感じている
- 家庭など私生活の問題で、仕事のストレスにも影響している
しんどい時期は、「すぐ楽になりたい」と辞めることを考えがちですが、本当に辞めるほどの悩みかは、冷静に考えるべきです。
慣れや、時間の問題で解決できそうな悩みで辞めると、「もう少し我慢すればよかった」と後悔しやすいです。
転職は大きなエネルギーを使いますし、職歴が多いと経歴的にも不利なので、まずは休暇などでリフレッシュを挟みつつ、乗り越える努力をしてみましょう。
②社内で異動すればマシになりそう
悩みの原因が、特定の上司や部署によるもので、異動で解決できそうな場合は、辞める前に異動希望を出しましょう。
残って解決したほうが、これまで作った社内の評価や人脈を無駄にせずに済みますし、給料面でもマイナスが少ないです。
新しい環境に行くのはストレスかもしれませんが、1から新しい会社に行くより負担は少なくなるはずです。
③今動くと、転職で不利になる
以下のように、今辞めると転職活動で不利になる経歴の方も、すぐに辞める事はおすすめしません。
- 入社して1年も経っていない
- 前職も早く辞めていて、短期離職が続く
直ぐに転職活動しても、「忍耐力が低く、すぐ辞めるのでは?」と警戒され、不利になりやすいです。
少なくとも1年、できれば3年は続けたほうが次の転職では有利になり、希望通りの職場にも行きやすくなります。
心身が限界といった仕方ない場合を除いて、なるべく今の職場に残る努力をしましょう。
④辞めた後のお金の目処が立たない
退職前に次の内定が決まればいいですが、そうでない場合は、お金の余裕がない人は辞めるべきではありません。
例えば、以下のようなケースです。
- 失業保険の対象外(過去2年でフルタイムで働いた期間が1年未満)
- 失業保険の支給までの1~2ヶ月を無収入でやっていく貯金がない
金銭的に余裕がないと、焦って条件の悪い職場に飛びついてしまったり、負のループになりやすいです。
辞める前に内定を決めるのが一番いいですが、難しい場合は、以下のような方法で、お金の目処はつけておきましょう。
- 失業保険の対象になる期間までは働く(1年以上働けばクリア)
- ボーナスの支給時期までは耐える
- スキマバイトなど、他の収入源を作っておく
- 家族や実家を頼る約束を取り付ける
失業保険とは?
仕事を辞めた人の再就職を支援するための給付金で、ハローワークで申請すると、前職の給料の5~8割を3~5ヶ月間もらえることが多いです。
詳しく知りたい方は「退職後に失業保険をもらうには?退職理由別の手続き・金額まとめ」をご参考ください。
4. 辞めると決めたら|円満退職に向けて今すぐできること
仕事を辞めようと決めた方が、円満退職に向けて今からできることを以下に全てまとめました。
- 就業規則で、退職のルールを確認する
- 引き止めにあいにくい退職理由を用意する
- 有給休暇の残りを確認する
- 引き継ぎ書類を作っておく
- 転職に向けた準備を始める
どれも簡単にできるので、現時点では迷っている方も、念の為進めておくのがおすすめです。
4-1. 就業規則で、退職のルールを確認する
退職希望をいつまでに、誰に出すかは、会社ごとにルールが違うので、就業規則で確認しておきましょう。
以下の点は、勤め先ごとに就業規則で決まっていて、それぞれ違います。
- 退職希望はいつまでに出すべきか(1ヶ月前が多いが3ヶ月前の職場も)
- 退職時の、ボーナスや退職金はどうなるか(退職者にはボーナスを出さない会社も)
知らずにいると、希望した日に辞められないなど、トラブルになりやすいので注意しましょう。
就業規則は、社員が見える場所に出すことが法律で義務化されていて、社用のPCや休憩室などで確認できることが多いです。
4-2. 引き止めにあいにくい退職理由を用意する
退職時に必ず退職理由を聞かれますが、全て正直に話す必要はありません。
正直に不満を話すと、「ここを改善するから残ってくれ」のように、相手に引き留めの材料を与えてしまい、面倒になりやすいです。
伝える理由としては、以下の内容が引き止められにくく、おすすめです。
個人的事情 | ・家族の転勤で遠方への引越しが決まった ・身内の介護に専念したい ・健康的な問題で続けるのが難しい |
ポジティブな内容 | ・どうしてもやりたいこと(仕事、資格取得、起業、留学)があり、チャレンジしたい ・これまでの経験を活かしつつ、新しい環境で自分を試したい ・これまでの経験を活かしつつ、〇〇についてより専門性を高めていきたい |
特に、個人的事情が理由だと、会社側がどうにもできないため、納得してもらいやすく、スムーズに話が運びやすいです。
4-3. 有給休暇の残りを確認する
退職日までに計画的に使い切れるように、有給休暇の残りを確認しておきましょう。
最終出社日を早めて退職日まで一気に使うことが多いですが、使いきれない場合は、買取に対応してもらえる会社もあります。
4-4. 引き継ぎ書類を作っておく
取引先の連絡先や、システムの設計書など、伝えずに辞めると会社が困る情報がある方は、引き継ぎ書を作っておきましょう。
退職直前は、次の職場に向けた準備や挨拶などで忙しくなりやすいので、早めに作っておくのがおすすめです。
4-5. 転職に向けた準備を始める
退職後にすぐ転職を考えている方は、以下の準備をまず始めましょう。
- 転職先の希望条件を整理(職種・業界・勤務地・働き方など)
- 決めた条件をもとに、転職エージェントに登録して相談
以下の理由で、なるべく退職前に転職先は決めておきましょう。
- 在職中の方が選考でも印象がいい(無職だと、「後先考えずに辞める無計画な人」という印象を持たれることも)
- 収入が途切れず、金銭的にも余裕を持てる
退職後の転職活動は、焦って決めようとブラック企業に飛び込んでしまったり、失敗しやすいです。
転職エージェントは、転職相談から求人紹介、選考対策、企業とのやりとりまでフルサポートしてくれる完全無料のサービスです。
「初めての転職で何もわからない」という方はまず登録し、担当にゼロから今後の動きについて相談することから始めても構いません。
転職活動は、始めてから決まるまで1ヶ月以上はかかる方が多いので、すぐ辞めたい方は、早めに登録しておきましょう。
転職エージェントの注意点
転職エージェントは、業者ごとに、紹介できる求人の量や質、選考に向けたサポート力は大きく差がつきます。
新しかったり、小さい業者は選べる求人が少なく、経験が少ない分、企業ごとの対策にも弱いケースが多いです。
相談をするなら、多くの人に選ばれている、以下のような大手がおすすめです。
- doda:全ての人におすすめ
- マイナビAGENT:20~30代に特におすすめ
- JACリクルートメント:年収600万円以上の方向け
いずれも大手・優良企業と強いパイプを持ち、企業ごとの面接データも知り尽くしていて、非常に頼りになります。
あらゆる業界・職種の転職に強いので、迷ったらこれらを選んでおきましょう。
(参考)辞めたいと言えない場合はどうしたらいい?
会社に「辞めたい」と伝える勇気がどうしても出ない方は、最終手段として、退職代行を使うこともできます。
退職代行とは、2~3万円で退職手続きを代行してくれて、会社と直接のやりとりゼロで退職ができるサービスです。
怖くて退職が言い出せない人も、スムーズに辞められるメリットがあり、近年急速に利用者が増えています。
退職希望を代わりに伝えるのがメインですが、業者によっては以下にも対応していて、全て丸投げすることができます。
- 退職時の有給休暇の申請
- 残業代や未払い賃金の請求
退職が言い出せなかったり、引き止めに自分で対処する自信がない方は、退職代行の利用も検討しましょう。
20以上のサービスを比較しましたが、使うならあなたの状況別に以下がおすすめです。
正社員におすすめ | 退職代行トリケシ 反論されても交渉してくれて安心!労働組合運営のおすすめNo.1 |
パート・アルバイトにおすすめ | 退職代行モームリ 知名度が抜群で、パート・アルバイトの料金が安い |
未払い賃金の請求までしたい人向け | フォーゲル綜合法律事務所 弁護士運営の中でも、トップクラスの実績 |
サービス詳細や、これらがおすすめの理由は、「退職代行とは?サービスの仕組みから注意点まで利用前に知るべき全知識」でさらに詳しく解説しています。
5. どうしても辞められない人へ|仕事と楽に向き合う10のコツ
仕事を辞めたいと悩んでいても、家庭や金銭的な事情で、どうしても辞められない方もいるでしょう。
こうした方に向けて、つらい仕事を楽にするための、以下のコツを紹介していきます。
- 適度に手を抜いていく
- 全て自分のせいと思うのをやめる
- 人の目を気にしすぎない
- 自分を褒める習慣をつける
- 頑張るのをやめ、最低限しか働かないスタイルに変える
- 一部の人には嫌われる勇気を持つ
- 他人を頼る習慣をつける
- 社内の人とは、付かず離れずの距離を保つ
- 上司の機嫌に左右されない、仕事の実力をつける
- 「ゼロか100か」の思考をやめる
私が自分自身で試したり、過去に相談者の方にお伝えして、為になったと感想をもらったものを厳選しています。
一つでも、できそうなものがあれば試してみてください。
5-1. 適度に手を抜いていく
真面目な方は、仕事は常に100%でやらないといけないと思い込み、自分を追い詰めてしまいがちです。
気を張りすぎると、心身に限界が来て、長期の休みを取らざるを得ないケースもあり、注意が必要です。
こうした方は、以下のように、適度に手を抜いていく習慣をつけてみてください。
- 重要でない資料は6割くらいの出来で仕上げる
- 仕事中に関係ない雑談をする
- デスクで仕事と関係ないSNSを見たり、ぼーっとする時間を作る
仕事の効率を上げたり、継続的に成果を上げていくのにはむしろ必要で、手を抜くのは仕事の一つとも言えます。
社内でも仕事ができる人は、このスキルが高く、大事な時だけ集中し、その他は上手に手を抜いているものです。
5-2. 全て自分のせいと思うのをやめる
真面目で仕事ができる方ほど、ミスなど、悪いことを全て自分のせいと感じて悩んでしまいがちです。
このクセがある方は、悪いことが起きた時に、「本当に全て自分のせい?」と冷静に考えるようにしましょう。
以下のように、うまくいかないことも、実は自分以外が悪いケースはたくさんあるはずです。
- 納期が遅れる(そもそも最初の上司の設定がおかしい)
- クレームの発生(教育せずに現場に放り出す、会社の体制の問題)
問題が起きても、「この部分は自分のせいではない」と適度に周りのせいにしていくことで、気持ちが軽くなります。
責任を切り分けることで、本当に自分が対処すべき問題にも集中できて、いい結果にもつながるはずです。
5-3. 人の目を気にしすぎない
「ミスをしたらダメ人間と思われる」「あの発言は恥をかいた」など、常に周りの目を気にして疲れてしまう方がいます。
しかし、実際は自分が思うほど、他人はあなたのことを気にしていないのものです。
あなた自信が、職場の他人のミスや発言にどれほど関心があるかを思い返すと、自意識過剰だったことに気づくはずです。
これは、他人からの注目を過大評価する現象で、心理学で「スポットライト効果」と呼ばれています。
仕事でミスをしたり、発言を間違えても、周囲の人はすぐに忘れてしまうので、もっと気楽に働いてみましょう。
5-4. 自分を褒める習慣をつける
ミスをしたり、怒られた時に、マイナスな感情を引きずってしまう方は、自分を褒める習慣をつけてみましょう。
以下のような、小さなことでもいいので、「よくやった」と自分を褒めていくイメージです。
- 朝起きて、つらいのに会社に行けた
- プロジェクトを少しでも前に進められた
- 会議で一つ意見を言えた
人は、ポジティブな意見を鵜呑みにしやすいことが、心理学の実験でわかっていて、「バーナム効果」と呼ばれています。
性格診断や占いで、ポジティブな内容だと、多くを当たっていると感じてしまう方は多いのではないでしょうか?
うまくいかない時も、「十分自分は頑張っているし、着実に前に進んでいる」とポジティブに自分を肯定しましょう。
自然と気持ちが前向きになり、いい結果が出せるようにもなるはずです。
5-5. 頑張るのをやめ、最低限しか働かないスタイルに変える
成績や他人の評価を追い求めることに疲れた方は、以下のようなスタイルに切り替えてみるのもおすすめです。
- 指摘されない最低ラインの仕事だけこなす
- 高い成果を追い求めたり、昇進を目指したりしない
- 仕事よりも、プライベートの充実に重きを置く
こうした働き方は、「静かな退職」と呼ばれ、近年幅広い世代に広がっています。(参考:正社員の静かな退職に関する調査2025年)
切り替えることで、家族との時間が増えたり、精神的に仕事に振り回されることが減るメリットがあります。
今の仕事にモチベーションはないけれど、転職の意欲もないという方には、このスタイルが合っています。
5-6. 一部の人には嫌われる勇気を持つ
職場で嫌われることを恐れて、八方美人で全員に合わせようと頑張って疲れてしまう方がいます。
人間関係には、「2:6:2の法則」というものがあり、一部合わない人がいるのは当然とされています。
- 2割:あなたに好意的な人
- 6割:中立的で、どちらでもない人
- 2割:あなたが嫌い、合わないと感じる人
例えば、意見をはっきり言うと「明確で頼もしい」と感じる人もいれば、「でしゃばり」と感じる人もいて、受け取り方は様々です。
一部の反感を恐れていては、何も言えませんし、気を遣って疲れてしまいます。
どうあがいても一部に嫌われるのは仕方ないと諦め、言いたいことを言い、自分らしく振る舞った方が楽に働けます。
5-7. 他人を頼る習慣をつける
仕事でストレスを溜めがちな人には、強い責任感や、他人への迷惑を気にして、仕事を全て自分で抱え込もうとする方が多いです。
こんな方は、「この部分だけお願いできますか?」のように、職場の同僚を少しずつ頼っていく習慣をつけてみてください。
意外にも、多くの人は頼られて嬉しいと感じ、快く手を貸してくれるものです。
また、上司に「一人で回しきれない」と正直に相談すれば、調整してくれる可能性もあります。
頼ることで、孤独感やプレッシャーが和らぎますし、助け合いの中で同僚との信頼関係も深められるでしょう。
5-8. 社内の人とは、付かず離れずの距離を保つ
人間関係で悩みやすい方は、社内の人との付かず離れずの適度な距離を保つことを意識してみましょう。
社内の人間関係は、近すぎても、遠すぎても問題が起きやすいです。
- 近すぎる:仲良くなりすぎると、頼みを断れなくなったり、愚痴を聞かされたり余計なストレスが増える
- 遠すぎる:社内で孤立したり、いざという時に頼れなくなり、仕事に支障が出る
以下のように、適度な距離で関わるのが一番安全です。
- 挨拶や業務連絡は丁寧にする
- 雑談は軽く合わせるが、プライベートに踏み込んだ話までは避ける
- 飲み会やランチは積極的には行かず、たまに参加する程度
こうすることで、職場で人間関係に使うエネルギーがかなり減ります。
5-9. 上司の機嫌に左右されない、仕事の実力をつける
上司の顔色ばかり伺って気疲れする方は、文句なしの結果を出せる、仕事の実力をつけることに集中するのもおすすめです。
以下のように、確かな実力があれば、周りが頼る存在になり、自信がついて周りの機嫌にも左右されなくなります。
- 高い契約数を獲得し続ける営業職
- 社内外で丁寧な対応ができ、作業スピードも速い事務職
- バグの発生率を大きく改善できるエンジニア
そもそも、仕事で結果を出したいのは上司も同じで、実力がある社員になれば、小言も減るでしょう。
また、他社でも通用する実力がつけば、「いつでも辞められる」という自信を持ち、堂々と働けるようにもなります。
5-10. 「ゼロか100か」の思考をやめる
ちょっとしたミスで一度怒られただけで、自分の仕事全てや、人格まで否定されたと感じる方がいます。
物事を0点か100点かの2択でしか考えられない状態のことで、心理学では「全か無か思考」とも呼ばれています。
こうした傾向がある方は、必要以上に自信を失ったり、警戒しすぎて人間関係を悪くしてしまうリスクがあります。
仕事で失敗をした時は、以下のように起きたことを冷静にみる習慣をつけましょう。
- 一部うまく行かなかったが、8割はよくできた
- 今回はダメだったが、ほとんどの場合、うまくできている
- 一部の仕事は苦手だが、他の部分では同僚に勝っていることもたくさんある
- ミスをしたが、信頼関係が壊れるレベルの話ではない
起きた問題を、部分的なものと捉えることで、落ち込みすぎることがなくなり、前向きに働けるようになります。
まとめ
仕事を辞めたいと悩む方に向けて、対処法や辞めるべきかの判断基準を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
日本では毎年300万人が仕事を辞めて転職していて、辞めたいと悩むのは特別な話ではありません。
辞めるべきか悩む方は、以下の判断基準を参考にしてください。
辞めた方がいい | ・「将来こうなりたい」と思える上司・先輩がいない ・根本的に社風が合わない(社内でどう動いても解決しない) ・心身に不調が出ている |
辞めない方がいい | ・一時的な悩みが理由になっている ・社内で異動すればマシになりそう ・今動くと、転職で不利になる ・辞めた後のお金の目処が立たない |
また、次がないと悩む方も多いですが、現在は年齢を問わず転職しやすい売り手市場で、多くの人にチャンスがあります。
自分の可能性が知りたい方は、まず以下の大手転職エージェントに登録し、無料相談にのってもらいましょう。
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このページの内容があなたの悩みを軽くして、未来を明るくすることを心より祈っています。