仕事がつらい時の乗り越え方16選|200人の体験談でわかる対処法

「仕事が辛い」「どうやって乗り越えればいい?」など、仕事のつらさの乗り越え方が気になっていませんか?
思い詰めるほどのつらさでも、考え方や向き合い方一つで、乗り越えられる事例はたくさんあります。
しかし、知らずに無理をしたり、合わない方法を試して失敗する方もいるので、まずは一通りの対処法を知っておくことが重要です。
このページでは、キャリアコンサルタントとして、長年転職・退職相談にのってきた筆者が、200人へのアンケート調査をもとに、仕事がつらい時の乗り越え方を、以下の流れで解説していきます。
- 乗り越え方を知る前に|仕事がつらいのはあなただけじゃない!
- 仕事がつらい時の乗り越え方【行動5選】
- 仕事がつらい時の乗り越え方【習慣5選】
- 仕事がつらい時の乗り越え方【マインド6選】
- 仕事がつらい時、辞めるべきかの判断基準
- つらくて限界だけど、辞める勇気が出ない人に伝えたいこと
このページを読めば、つらい時はどうすれば乗り越えられるか、みんなはどう対処しているのか、限界で辞めたいときはどうすべきかまでが全てわかります。
著者:I.J(現役転職エージェント)
1. 乗り越え方を知る前に|仕事がつらいのはあなただけじゃない!
「こんなに仕事が辛いのは自分が弱いから?」と悩む方もいます。
しかし、仕事で辛い思いをする人はたくさんいて、あなたが特別弱いわけではありません
実際に、働く人のうち、仕事で強い不安や悩み、ストレスを感じる人は多くの年代で7割近くに上ります。
年齢 | 仕事で、強い不安や悩みがある人の割合 |
20~29歳 | 64.9% |
30~39歳 | 73.3% |
40~49歳 | 73% |
50~59歳 | 69.4% |
辛い思いをしながら働く人が大半で、辛いと感じるのは決して特別なことではありません。
また、仕事がつらいと感じる人200人以上に独自でアンケート調査を行いましたが、理由は以下の通りでした。
対象:全国で働く20~50代 213人(男性84人、女性129人)
こうした様々な理由で、多くの方がつらいと思いながら仕事をしているのが現実です。
「仕事がつらい=甘え」は間違い
仕事が辛いのを、根性がない甘えととらえる意見もありますが、間違いです。
3人に1人は、自社がブラックと感じているデータもあり、世の中には人が次々が辞めていく、労働条件の悪い会社があるのも事実です。(enジャパン)
さらに、全国の6割以上の企業でパワハラ、4割近い企業でセクハラが報告されていて、会社に問題があるパターンも多いです。(厚労省)
辞めて当然と言える会社も多数あり、ひとくくりに甘えというのは間違いです。
また、私は人材業界で長年働く中で、前職で全く評価されなかった人が、転職先では好業績を上げ、生き生きと働くパターンをいくつも見てきました。
職場には合う・合わないがあり、運悪く合わない職場に行き、ストレスを感じるのも、よくある話です。
心身が限界なら、無理をしてはいけない
単なる悩みだけでなく、不眠や急に涙が出るなど、明らかに心身に不調が出ている方は、乗り越えようと無理をしてはいけません。
心身に不調がある状態(うつや適応障害)で無理に続けると、悪化して1年以上働けなくなったり、余計に復帰が遠のく場合もあるからです。
まずは転職を考えるべきですが、その元気も出ない方は、以下のような給付金を頼って、まずは休むのも一つの手です。
主な対象 | 申請先 | もらえるお金 | |
失業保険 | 雇用保険に入って直近2年で1年以上働いていた人 | ハローワーク | 前職の給料の5~8割を3~5ヶ月間もらえることが多い |
職業訓練受講給付金 | 失業保険の対象外で、ハローワークで職業訓練に通う人 | ハローワーク | 月10万円と訓練に通う交通費を3~6ヶ月 |
傷病手当金 | うつなど、病気で働けないと医師の診断を受けた人 | 健康保険組合 | もらっていた給与の3分の2を最長1年6ヶ月 |
また、休職制度がある会社なら、それを使うのもおすすめです。
心身にダメージがあり、どうすべきか迷う方は、会社の産業医や、近所のメンタルクリニックに、相談してみましょう。
医師への相談をためらう方もいますが、診断を受けることで、給付金の対象になったり、会社向けに休職や退職の正当な理由を作ることもできます。
次から、仕事がつらいときの乗り越え方を、行動・習慣・マインドの3つに分けて解説していきます。
今回当ページでは、つらい仕事にどう向き合っているかの独自アンケートを200人以上に行いました。
その結果も合わせて紹介していくので、ぜひご参考ください。
2. 仕事がつらいときの乗り越え方【行動5選】
では、具体的に、仕事が辛い気持ち乗り越えるための行動を解説していきます。
200人へのアンケート調査の結果から、実際に、試した方の体験談も合わせて紹介していきます。
2-1. 結局何が辛いのかを書き出してみる
上司の〇〇が苦手・業務のここがしんどいなど、結局何が理由で辛いのかを、一度全て書き出してみましょう。
人はぼんやりした不安にストレスを感じるもので、一度明確にしてみることで、気持ちが整理されて楽になります。
次に、以下のように書き出した不満を一つ一つ、残って解決できるか、できないかチェックしていきましょう。
- 課長に毎日成績について小言を言われるのがしんどい
→成績を上げたり、別の営業部に行けば解決するかも - 給料が仕事のきつさに見合っていない
→基本給の低さ、昇給の難しさは頑張っても同じで、変えようがない
そうすることで、何に対処すべきか、転職をすべきかなど、今後取るべき動きを整理することもできます。
2-2. 誰かにつらい思いを相談してみる
つらい気持ちを一人で抱え込んでいると、余計つらく感じるはずです。
話すだけで楽になることも多いので、まずは気心の知れた同僚・友人・家族につらい思いを話してみましょう。
実は同僚も同じストレスを抱えていて、「自分も同じ!」と共感してくれたり、自分では思いつかない、アドバイスがもらえることもあります。
国の調査では、仕事にストレスを感じる人の約7割は誰かに相談していて、相手は家族や友人が最も多く、次に同僚、上司が多いようです。(労働安全衛生調査「個人調査(令和5年)」)
2-3. 長めの休暇をとってリフレッシュする
思い切って長めの休暇を取り、旅にでたり、環境を変えてリフレッシュするのもおすすめです。
家と仕事の往復ばかりで、ずっと仕事のことを考えていると、つらい気持ちはなかなか晴れないでしょう。
無理やりにでも休んで、普段と違う環境に身を置いてみると、五感に入ってくる情報が変わり、気分転換になります。
もちろん、仕事が合っていなかったり、パワハラ上司がいたり、休むだけでは解決できない問題もあります。
ただ、以下のように、一時的な悩みが理由で辛い人は、長めの休暇が効果を発揮するはずです。
- 仕事で珍しくミスをしてクレームを受けた
- 大事なプレゼンに失敗した
- 社内の人間関係で行き違いがあった
2-4. 会社に部署の異動を相談する
仕事内容や特定の上司など、部署が理由で仕事がつらい方は、会社に社内の異動を相談する方法もあります。
つらいと、すぐに転職を考える方が多いですが、部署異動の方が、以下のメリットがあります。
- 会社内での評価や人間関係、給料水準を引き継げる
- 面接の対策などが不要で、違う会社に入るよりも、少ないエネルギーで済む
- 離職にはならないので、経歴にも傷がつかない
近年は、あらゆる業界で人手不足が深刻で、「辞められるくらいなら、異動させてでも残って欲しい」と考える会社はたくさんあります。
相談に乗ってくれる会社は多いはずなので、どうしてもつらい方は、異動を掛け合ってみましょう。
2-5. 辞めた場合、次はあるのか調べておく
以下の方法で、仮に辞めた場合、どんな転職先があるのかを調べておくのもおすすめです。
良いところがあれば転職しても良いですし、次があることで「いつでも辞められる」と気持ちが楽になり、吹っ切れて辞めずに済む方もいます。
転職エージェントに相談すれば、あなたの職歴・希望を聞いた上で、どんな会社なら可能性があるかを教えてもらえます。
スカウトサービスは、経歴を登録すると、会社から直接オファーが来て、自分のリアルな市場価値が確認できます。
どちらも無料で、すぐの転職希望がなくても全く問題はないので、気になる方は試してみましょう。
3. 仕事がつらいときの乗り越え方【習慣5選】
次に、仕事がつらい気持ちを乗り越えるのに効果的な以下の習慣を紹介していきます。
こちらも、200人へのアンケート調査の結果から、実際に試した方の体験談と合わせて紹介していきます。
一つでもできそうなものがあれば、試してみてください。
3-1. ウォーキングなど、運動する習慣をつける
通勤で一駅歩いてみたり、一日10~15分でも運動する習慣をつけてみるのもおすすめです。
有酸素運動は、気持ちを安定させる「セロトニン」や「エンドルフィン」といった脳内物質の分泌を促し、気分をスッキリさせる効果があります。
「厚生労働省のページ」でも、ストレスのセルフケアとして、運動が推奨されています。
口コミのように、ネガティブな気持ちが減ったという声も多いので、毎日少しずつでも試してみましょう。
3-2. 自分を褒める習慣をつける
ミスをしたり、怒られた時に、マイナスな感情を引きずってしまう方は、自分を褒める習慣をつけてみましょう。
以下のような、小さなことでもいいので、「よくやった」と自分を褒めていくイメージです。
- 朝起きて、つらいのに会社に行けた
- プロジェクトを少しでも前に進められた
- 会議で一つ意見を言えた
人は、ポジティブな意見を鵜呑みにしやすいことが、心理学の実験でわかっていて、「バーナム効果」と呼ばれています。
性格診断や占いで、ポジティブな内容だと、多くを当たっていると感じてしまう方は多いのではないでしょうか?
うまくいかない時も、「十分自分は頑張っているし、着実に前に進んでいる」とポジティブに自分を肯定しましょう。
自然と気持ちが前向きになり、いい結果が出せるようにもなるはずです。
3-3. 他人を頼る習慣をつける
仕事でストレスを溜めがちな人には、強い責任感や、他人への迷惑を気にして、仕事を全て自分で抱え込もうとする方が多いです。
こんな方は、「この部分だけお願いできますか?」のように、職場の同僚を少しずつ頼っていく習慣をつけてみてください。
意外にも、多くの人は頼られて嬉しいと感じ、快く手を貸してくれるものです。
また、上司に「一人で回しきれない」と正直に相談すれば、調整してくれる可能性もあります。
頼ることで、孤独感やプレッシャーが和らぎますし、助け合いの中で同僚との信頼関係も深められるでしょう。
3-4. 適度に手を抜いていく
真面目な方は、仕事は常に100%でやらないといけないと思い込み、自分を追い詰めてしまいがちです。
気を張りすぎると、心身に限界が来て、長期の休みを取らざるを得ないケースもあり、注意が必要です。
こうした方は、以下のように、適度に手を抜いていく習慣をつけてみてください。
- 重要でない資料は6割くらいの出来で仕上げる
- 仕事中に関係ない雑談をする
- デスクで仕事と関係ないSNSを見たり、ぼーっとする時間を作る
仕事の効率を上げたり、継続的に成果を上げていくのにはむしろ必要で、手を抜くのは仕事の一つとも言えます。
社内でも仕事ができる人は、このスキルが高く、大事な時だけ集中し、その他は上手に手を抜いているものです。
3-5. 上司の機嫌に左右されない、仕事の実力をつける
上司の顔色ばかり伺って気疲れする方は、文句なしの結果を出せる、仕事の実力をつけることに集中するのもおすすめです。
以下のように、確かな実力があれば、周りが頼る存在になり、自信がついて周りの機嫌にも左右されなくなります。
- 高い契約数を獲得し続ける営業職
- 社内外で丁寧な対応ができ、作業スピードも速い事務職
- バグの発生率を大きく改善できるエンジニア
そもそも、仕事で結果を出したいのは上司も同じで、実力がある社員になれば、小言も減るでしょう。
また、他社でも通用する実力がつけば、「いつでも辞められる」という自信を持ち、堂々と働けるようにもなります。
4. 仕事がつらいときの乗り越え方【マインド6選】
次に、仕事がつらい時に、乗り越えるための以下のマインドについて解説していきます。
- 全て自分のせいと思うのをやめる
- 人の目を気にしすぎない
- 一部の人には嫌われる勇気を持つ
- 社内の人とは、付かず離れずの距離を保つ
- 「ゼロか100か」の思考をやめる
- 頑張るのをやめ、最低限しか働かないスタイルに変える
こちらも、200人へのアンケート調査の結果から、実際に試した方の体験談と合わせて紹介していきます。
一つでもできそうなものがあれば、試してみてください。
4-1. 全て自分のせいと思うのをやめる
真面目で仕事ができる方ほど、ミスなど、悪いことを全て自分のせいと感じて悩んでしまいがちです。
このクセがある方は、悪いことが起きた時に、「本当に全て自分のせい?」と冷静に考えるようにしましょう。
以下のように、うまくいかないことも、実は自分以外が悪いケースはたくさんあるはずです。
- 納期が遅れる(そもそも最初の上司の設定がおかしい)
- クレームの発生(教育せずに現場に放り出す、会社の体制の問題)
問題が起きても、「この部分は自分のせいではない」と適度に周りのせいにしていくことで、気持ちが軽くなります。
責任を切り分けることで、本当に自分が対処すべき問題にも集中できて、いい結果にもつながるはずです。
4-2. 人の目を気にしすぎない
「ミスをしたらダメ人間と思われる」「あの発言は恥をかいた」など、常に周りの目を気にして疲れてしまう方がいます。
しかし、実際は自分が思うほど、他人はあなたのことを気にしていないのものです。
あなた自信が、職場の他人のミスや発言にどれほど関心があるかを思い返すと、自意識過剰だったことに気づくはずです。
これは、他人からの注目を過大評価する現象で、心理学で「スポットライト効果」と呼ばれています。
仕事でミスをしたり、発言を間違えても、周囲の人はすぐに忘れてしまうので、もっと気楽に働いてみましょう。
4-3. 一部の人には嫌われる勇気を持つ
職場で嫌われることを恐れて、八方美人で全員に合わせようと頑張って疲れてしまう方がいます。
人間関係には、「2:6:2の法則」というものがあり、一部合わない人がいるのは当然とされています。
- 2割:あなたに好意的な人
- 6割:中立的で、どちらでもない人
- 2割:あなたが嫌い、合わないと感じる人
例えば、意見をはっきり言うと「明確で頼もしい」と感じる人もいれば、「でしゃばり」と感じる人もいて、受け取り方は様々です。
一部の反感を恐れていては、何も言えませんし、気を遣って疲れてしまいます。
どうあがいても一部に嫌われるのは仕方ないと諦め、言いたいことを言い、自分らしく振る舞った方が楽に働けます。
4-4. 社内の人とは、付かず離れずの距離を保つ
人間関係で悩みやすい方は、社内の人との付かず離れずの適度な距離を保つことを意識してみましょう。
社内の人間関係は、近すぎても、遠すぎても問題が起きやすいです。
- 近すぎる:仲良くなりすぎると、頼みを断れなくなったり、愚痴を聞かされたり余計なストレスが増える
- 遠すぎる:社内で孤立したり、いざという時に頼れなくなり、仕事に支障が出る
以下のように、適度な距離で関わるのが一番安全です。
- 挨拶や業務連絡は丁寧にする
- 雑談は軽く合わせるが、プライベートに踏み込んだ話までは避ける
- 飲み会やランチは積極的には行かず、たまに参加する程度
こうすることで、職場で人間関係に使うエネルギーがかなり減ります。
4-5. 「ゼロか100か」の思考をやめる
ちょっとしたミスで一度怒られただけで、自分の仕事全てや、人格まで否定されたと感じる方がいます。
物事を0点か100点かの2択でしか考えられない状態のことで、心理学では「全か無か思考」とも呼ばれています。
こうした傾向がある方は、必要以上に自信を失ったり、警戒しすぎて人間関係を悪くしてしまうリスクがあります。
仕事で失敗をした時は、以下のように起きたことを冷静にみる習慣をつけましょう。
- 一部うまく行かなかったが、8割はよくできた
- 今回はダメだったが、ほとんどの場合、うまくできている
- 一部の仕事は苦手だが、他の部分では同僚に勝っていることもたくさんある
- ミスをしたが、信頼関係が壊れるレベルの話ではない
起きた問題を、部分的なものと捉えることで、落ち込みすぎることがなくなり、前向きに働けるようになります。
4-6. 頑張るのをやめ、最低限しか働かないスタイルに変える
成績や他人の評価を追い求めることに疲れた方は、以下のようなスタイルに切り替えてみるのもおすすめです。
- 指摘されない最低ラインの仕事だけこなす
- 高い成果を追い求めたり、昇進を目指したりしない
- 仕事よりも、プライベートの充実に重きを置く
こうした働き方は、「静かな退職」と呼ばれ、近年幅広い世代に広がっています。(参考:正社員の静かな退職に関する調査2025年)
切り替えることで、家族との時間が増えたり、精神的に仕事に振り回されることが減るメリットがあります。
今の仕事にモチベーションはないけれど、転職の意欲もないという方には、このスタイルが合っています。
5. 仕事がつらいとき、辞めるべきかの判断基準
これまで乗り越え方をお伝えしましたが、もう限界で、できれば辞めたいと考える方もいるでしょう。
ここでは、そんな方に向けて、つらい時に辞めるべきかの判断基準を解説していきます。
5-1. 仕事を辞めてもいい3つのケース
以下に一つでも当てはまる方は、仕事を辞めて、新しい職場に行った方がいいです。
- 「将来こうなりたい」と思える上司・先輩がいない
- 根本的に社風が合わない
- 心身に不調が出ている
私が過去にカウンセリングした方の中でも、こうした方は、辞めて後悔しているケースはほぼありません。
①「将来こうなりたい」と思える上司・先輩がいない
今の職場の上司や先輩に、5年後・10年後こうなりたいと思える人がいない場合は、辞めても後悔しないでしょう。
上司や先輩の姿はあなたの将来像でもありますが、そこに憧れないなら、やる気が出ないのは当然で、方向転換した方がいいです。
具体的には、以下3つで憧れるポイントがない場合、きつい思いをして続けても、無駄になる可能性が高いです。
- 仕事内容:「同じ仕事がしてみたい」と思えるか
- 待遇:「こんな給料がもらえて羨ましい」と思えるか
- ワークライフバランス:労働時間や、プライベートの過ごし方も含めていいと思えるか
逆に今は辛くても、上に「あの人みたいになりたい」と思える人がいるなら、今辛くても、踏ん張る価値はあるはずです。
②根本的に社風が合わない
会社にはそれぞれ以下のような独自の社風がありますが、それが耐えられない人も、辞める事をおすすめします。
- 体育会系で上下関係が強い
- 時間外勤務は当たり前の文化がある
- 実力よりも、付き合いの良さが評価につながる
- 保守的で、新しい提案が通りにくい
- 毎回何人もの許可がいるなど、意思決定のスピードが遅い
社風は長年かけて作られるもので、急には変わらず、個人の努力ではどうにもならないのが普通だからです。
社内で部署や業務内容を変えても解決は難しく、当面しんどい状況が続くのは間違いありません。
ここで悩む方は、どんな環境の方が自分には合う、活躍できるというイメージが今ははっきり湧くはずです。
耐えて貴重な時間を無駄にするよりも、そこを目指して転職した方が、あなたの将来にとって有益です。
③心身に不調が出ている
以下のように、心身に不調のサインが出ている方も、辞めることを検討すべきです。
うつ病の症状の例 |
・疲れているのに眠れず、日中もぼんやりして集中できない ・趣味など、これまで楽しかったことが楽しめなくなった ・食欲が激減・もしくは激増して、短期間で体重が大きく変動 ・遅刻や早退、欠勤が増えた ・口数が減り、マイナスな発言が増えた ・頭が回らず、今までできていたことが、出来なくなった ・病気でないのに、頭痛やめまい、微熱、吐き気、下痢や便秘などの症状が続く ・イライラして落ち着きがなく、ずっと不安 |
参考:厚労省HP「こころの耳」
こうしたサインには、早めに対処しないと、さらに悪化して1年以上の長期の休みを取らざるを得なくなるケースもあります。
心身のSOSは素直に受け入れ、失業保険や休職の制度を使うなりして、休むことを優先しましょう。
状態が悪い方は判断力が鈍り、いきなり転職活動をしても失敗しやすいので、まずは休んで、体調を良くすることを目指しましょう。
また、自分現在の疲労度やストレスのレベルは、厚生労働省の以下のページでも診断できます。
これらで高い疲労やストレスが確認できた方も、環境を変えることを考えましょう。
5-2. 仕事を辞めない方がいい4つのケース
逆に、以下に当てはまる方には、直ぐには辞めないほうがいいでしょう。
- 一時的な悩みが理由になっている
- 社内で異動すればマシになりそう
- 今動くと、転職で不利になる
- 辞めた後のお金の目処が立たない
①一時的な悩みが理由になっている
以下のように、一時的な悩みが理由になっている場合は、直ぐに辞める事はおすすめしません。
- 新しい現場に慣れずに、ついていくのが大変
- 忙しい時期で、業務量が増えている
- 普段しないようなミスをしてしまい、落ち込んでいる
- 大きい仕事を引き受けて、プレッシャーを感じている
- 家庭など私生活の問題で、仕事のストレスにも影響している
しんどい時期は、「すぐ楽になりたい」と辞めることを考えがちですが、本当に辞めるほどの悩みかは、冷静に考えるべきです。
慣れや、時間の問題で解決できそうな悩みで辞めると、「もう少し我慢すればよかった」と後悔しやすいです。
転職は大きなエネルギーを使いますし、職歴が多いと経歴的にも不利なので、まずは休暇などでリフレッシュを挟みつつ、乗り越える努力をしてみましょう。
②社内で異動すればマシになりそう
悩みの原因が、特定の上司や部署によるもので、異動で解決できそうな場合は、辞める前に異動希望を出しましょう。
残って解決したほうが、これまで作った社内の評価や人脈を無駄にせずに済みますし、給料面でもマイナスが少ないです。
新しい環境に行くのはストレスかもしれませんが、1から新しい会社に行くより負担は少なくなるはずです。
③今動くと、転職で不利になる
以下のように、今辞めると転職活動で不利になる経歴の方も、すぐに辞める事はおすすめしません。
- 入社して1年も経っていない
- 前職も早く辞めていて、短期離職が続く
直ぐに転職活動しても、「忍耐力が低く、すぐ辞めるのでは?」と警戒され、不利になりやすいです。
少なくとも1年、できれば3年は続けたほうが次の転職では有利になり、希望通りの職場にも行きやすくなります。
心身が限界といった仕方ない場合を除いて、なるべく今の職場に残る努力をしましょう。
④辞めた後のお金の目処が立たない
退職前に次の内定が決まればいいですが、そうでない場合は、お金の余裕がない人は辞めるべきではありません。
例えば、以下のようなケースです。
- 失業保険の対象外(過去2年でフルタイムで働いた期間が1年未満)
- 失業保険の支給までの1~2ヶ月を無収入でやっていく貯金がない
金銭的に余裕がないと、焦って条件の悪い職場に飛びついてしまったり、負のループになりやすいです。
辞める前に内定を決めるのが一番いいですが、難しい場合は、以下のような方法で、お金の目処はつけておきましょう。
- 失業保険の対象になる期間までは働く(1年以上働けばクリア)
- ボーナスの支給時期までは耐える
- スキマバイトなど、他の収入源を作っておく
- 家族や実家を頼る約束を取り付ける
失業保険とは?
仕事を辞めた人の再就職を支援するための給付金で、ハローワークで申請すると、前職の給料の5~8割を3~5ヶ月間もらえることが多いです。
詳しく知りたい方は「退職後に失業保険をもらうには?退職理由別の手続き・金額まとめ」をご参考ください。
6. つらくて限界だけど、辞める勇気が出ない人に伝えたいこと
私はこれまで、キャリアカウンセリングを通じて、多くの方の仕事がつらいという相談に乗ってきました。
その中で、心身が限界だったり、明らかに辞めるべき状況でも、一歩踏み出せずに、つらい思いをして続ける方をたくさん見てきました。
こうした方に、まずお伝えしてきたのが以下のポイントです。
- 結局、辞めてもなんとかなる人がほとんど
- 最近は、年齢関係なく転職がしやすい売り手市場
- どの年代でも、約7割は年収を下げずに転職できている
- あなたが辞めても、会社は普通に回っていく
- 辞めるのは正当な権利で、裏切りや悪ではない
- 無理をして続けても、実は失うものがたくさんある
転職への不安や、会社への罪悪感が主な理由ですが、情報不足や思い込みによるところも大きいので注意しましょう。
6-1. 結局、辞めても何とかなる人がほとんど
辞めても次がないと悩む方も多いですが、いざ転職活動をしてみると、あっさり決まる方も多いです。
「厚生労働省の調査」によると、6ヶ月以上の期間が空く人は全体の1割程度で、8割の方は4ヶ月以内に転職できています。
また、近年は、あらゆる業界で人手不足が深刻で、採用に積極的な企業が増えています。
働きたくても仕事に就けない人の割合(完全失業率)は、直近10年で下がり続けていて、近年は2%台で推移しています。
引用:NHK
ほとんどの方が、探せば仕事に就ける時代で、結局辞めてもなんとかなる方が多いです。
6-2. 最近は、年齢関係なく転職がしやすい売り手市場
近年は、年齢だけで歓迎されることも多い20代の若手はもちろん、それ以上の世代も転職がしやすい状況です。
以前までは35歳を超えると転職は難しいと言われてきましたが、今は違います。
「一社で定年まで」という価値観が変わり、年齢を問わず採用する人手不足の企業が多いことから、40代以上の転職も増えています。
以下のように、大手転職エージェントでは、ここ数年で中高年の転職成功者が大きく増えています。
- doda:45~60歳の転職決定者が5年(2019~2023年)で2倍に増加
- リクルートエージェント:40代・50代の転職者が10年(2014~2024年)で6倍に増加
また、40代以上でも7割以上が未経験の業界・職種に転職していて、中高年からの新しいチャレンジもしやすい状況です。
参考
・doda:ミドルシニアの転職実態レポート
・株式会社リクルート:ミドル世代の転職は10年で約6倍へ 経験の棚卸しは10年以上さかのぼることが重要
・株式会社リクルート:「異業種×異職種」転職が全体のおよそ4割、過去最多に 業種や職種を越えた「越境転職」が加速
6-3. どの年代でも、約7割は年収を下げずに転職できている
ローンがあったり、「年収が下がるのは困る」という思いから、次がないと悩む方もいますが、実際はほとんどの方が下げずに転職が可能です。
厚生労働省の調査によると、転職した人の約7割は、年代を問わず、年収を下げずに転職ができています。
年齢 | 転職で収入アップ、もしくは維持できた人の割合 |
20~24歳 | 82% |
25~29歳 | 69.4% |
30~34歳 | 75.2% |
35~39歳 | 73.5% |
40~44歳 | 69.6% |
45~49歳 | 73.3% |
50~54歳 | 70.4% |
55~59歳 | 61% |
データ引用元「厚生労働省 令和6年雇用動向調査」
人手不足で人材の取り合いになっていて、採用時の待遇を上げる企業も増えています。
6-4. あなたが辞めても、会社は普通に回っていく
職場に穴をあけ、迷惑をかけると気にする方もいますが、世の中の多くの仕事は替えがききます。
「代わりがいない」というのは思い込みで、一人が辞めた程度では動じずに、普通に回っていくのが会社組織というものです。
アップルの創業者スティーブ・ジョブスは2011年に亡くなりましたが、社長が変わってからも、iPhoneは売れ続け、アップルの株価も上がり続けています。
大企業の社長でさえ、替えが効くのが現実で、あなたの仕事も間違いなく誰かが代わりにこなしてくれます。
人手不足で、辞めることに責任を感じる方もいますが、「人員を揃えるのは会社の責任」と割り切りましょう。
欠員も見越して採用したり、退職者が出にくい職場を作るのは会社の責任で、あなたが背負う必要は全くありません。
6-5. 辞めるのは正当な権利で、裏切りや悪ではない
仕事を辞めることが、裏切りや悪いことと感じる方もいますが、完全な間違いです。
会社は自由に退職していいことが法律で決められていて、辞めることは正当な権利です。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる
この場合において、雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
引用:民法第627条
逆に退職を無理に止めていい法律はなく、会社はあなたを縛ることはできません。
最近は、退職代行を使って強行突破で辞めることもできますが、法的に問題になることがめったにないのもこれが理由です。
長く社風に染まっていると、自分が悪いという発想になりがちですが、法的には辞めても全く問題ないことは知っておきましょう。
6-6. 無理をして続けても、実は失うものがたくさんある
つらい状況でも、続けていれば、今の居場所や一定の収入は守ることができます。
短期的に見ると得をしているようにも見えますが、以下のように、失うものも実はたくさんあります。
- 健康:心身を限界まで追いやり、1年以上など長期の休養を要する状態になる方も
- 人間関係:余裕がなくなり、家族や友人に冷たくしたり、あたるなどして、大事な人間関係を壊してしまう方も
- お金:お酒やショッピングなど、ストレス発散にかけるお金が増えてしまう人も
- キャリアアップの機会:環境次第で、生き生き働けて年収を上げられる人も、動かなければ何も得られない
このように、長い目で見ると、損になることも多いので注意しましょう。
転職を決めたら、まずすべきこと
退職後にすぐ転職を考えている方は、以下の準備をまず始めましょう。
- 転職先の希望条件を整理(職種・業界・勤務地・働き方など)
- 決めた条件をもとに、転職エージェントに登録して相談
以下の理由で、なるべく退職前に転職先は決めておきましょう。
- 在職中の方が選考でも印象がいい(無職だと、「後先考えずに辞める無計画な人」という印象を持たれることも)
- 収入が途切れず、金銭的にも余裕を持てる
退職後の転職活動は、焦って決めようとブラック企業に飛び込んでしまったり、失敗しやすいです。
転職エージェントは、転職相談から求人紹介、選考対策、企業とのやりとりまでフルサポートしてくれる完全無料のサービスです。
「初めての転職で何もわからない」という方はまず登録し、担当にゼロから今後の動きについて相談することから始めても構いません。
転職活動は、始めてから決まるまで1ヶ月以上はかかる方が多いので、すぐ辞めたい方は、早めに登録しておきましょう。
転職エージェントの注意点
転職エージェントは、業者ごとに、紹介できる求人の量や質、選考に向けたサポート力は大きく差がつきます。
新しかったり、小さい業者は選べる求人が少なく、経験が少ない分、企業ごとの対策にも弱いケースが多いです。
相談をするなら、多くの人に選ばれている、以下のような大手がおすすめです。
- doda:全ての人におすすめ
- マイナビAGENT:20~30代に特におすすめ
- JACリクルートメント:年収600万円以上の方向け
いずれも大手・優良企業と強いパイプを持ち、企業ごとの面接データも知り尽くしていて、非常に頼りになります。
あらゆる業界・職種の転職に強いので、迷ったらこれらを選んでおきましょう。
(参考)辞めたいと言えない場合はどうしたらいい?
会社に「辞めたい」と伝える勇気がどうしても出ない方は、最終手段として、退職代行を使うこともできます。
退職代行とは、2~3万円で退職手続きを代行してくれて、会社と直接のやりとりゼロで退職ができるサービスです。
怖くて退職が言い出せない人も、スムーズに辞められるメリットがあり、近年急速に利用者が増えています。
退職希望を代わりに伝えるのがメインですが、業者によっては以下にも対応していて、全て丸投げすることができます。
- 退職時の有給休暇の申請
- 残業代や未払い賃金の請求
退職が言い出せなかったり、引き止めに自分で対処する自信がない方は、退職代行の利用も検討しましょう。
20以上のサービスを比較しましたが、使うならあなたの状況別に以下がおすすめです。
正社員におすすめ | 退職代行トリケシ 反論されても交渉してくれて安心!労働組合運営のおすすめNo.1 |
パート・アルバイトにおすすめ | 退職代行モームリ 知名度が抜群で、パート・アルバイトの料金が安い |
未払い賃金の請求までしたい人向け | フォーゲル綜合法律事務所 弁護士運営の中でも、トップクラスの実績 |
サービス詳細や、これらがおすすめの理由は、「退職代行とは?サービスの仕組みから注意点まで利用前に知るべき全知識」でさらに詳しく解説しています。
まとめ
仕事がつらいときの、乗り越え方を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
200人の体験談をもとに、厳選した乗り越え方をまとめると以下の通りです。
行動 | |
習慣 | |
マインド |
このページの内容があなたの悩みを軽くして、未来を明るくすることを心より祈っています。