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企業別年収

伊藤忠の年収は?年齢・役職別にわかる実態と全注意点

「伊藤忠の年収はどのくらい?」「どのように上がっていく?」など、伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠)の年収が気になっていませんか?

伊藤忠の正社員の平均年収は1,753万円で、総合商社の中でも高いです。しかし、高い年収の裏に、働く上での注意点もあるので、これから伊藤忠で働こうという人は知っておく必要があります。

このページでは転職エージェントとして数多くの人の転職支援をしてきた筆者が、伊藤忠の年収について、知っておくべきことを下記の流れで紹介します。

  1. 伊藤忠の年収は?年齢・役職別にすぐわかる
  2. 伊藤忠の年収以外の評判・働きやすさについて
  3. 伊藤忠はそもそもどんな会社か
  4. 伊藤忠への転職を目指す人へ|採用・求人情報
  5. 伊藤忠へ転職する際におすすめの転職エージェント
  6. 伊藤忠への転職でエージェントを最大限活用するためにすべき9つのこと

最後まで読めば、伊藤忠の年収はいくらか、年齢・役職別にはどうなのか、他社と比べてどうなのかまで、伊藤忠の年収の全てがわかるでしょう。

著者:I.J(現役転職エージェント)
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ij
30代の現役転職エージェントで、当サイトの発起人。

新卒で大手エージェントに入社。求職者向けのキャリアアドバイザーを経験後、法人担当(採用企業側の担当)も経験する。

累計3,000名以上の求職者をサポートしてきた経験を活かし、他社勤務も経て、現在は大手エージェントの、求職者のサポート部門でマネージャーを行う。

匿名だからこそ発信できる業界の裏事情など「綺麗事では語れない、転職する人に真に価値のある情報を」という思いでこのサイトを立ち上げた。

1. 伊藤忠の年収は?年齢・役職別にすぐわかる

伊藤忠の正社員の平均年収は、1,753万円です。

これは総合商社全体の中では高水準ですが、同じ5大商社「三菱商事」や「三井物産」と比べると平均的です。

1-1. 年齢別の年収水準

口コミサイトを元に集計すると、伊藤忠の年齢別の給与の平均値は以下の水準です。

25歳 750万円~800万円
30歳 1,050万円~1,100万円
35歳 1,250万円~1,300万円
40歳 1,400万円~1,450万円
45歳 1,450万円~1,500万円
50歳 1,550万円~1,600万円
55歳 1,700万円~1,750万円

役職、残業時間によっても左右されますが、平均すると、上記の水準になります。なお、伊藤忠の平均残業時間は42時間です。

1-2. 伊藤忠の給与の傾向

伊藤忠の社員の口コミを分析した結果、給与面で下記4つの傾向があることがわかりました。

  • 日系企業としてはトップクラスの給与なので満足しているという人が多い
  • 昇格・昇給は年功序列で、4~5年目と8~9年目のタイミングで大きく上がる
  • 海外駐在により大きく手取り金額が増える
  • 駐在時以外の福利厚生がやや手薄との声もある

待遇に関する評価は人気企業300社の中でも9位です。

まず多い口コミが、同業のうち財閥系の三菱商事・三井物産には及ばないが日系企業としてはトップクラスの給与なので満足しているというものです。

昇格や昇給は年功序列の色が強いので、新卒入社から8年目あたりまではほぼ横並びであがっています。

タイミングとしては、4~5年目の年次と8~9年目の年次で大きく上がります。

年収におけるボーナスの額が大きく好業績が続いていることから高年収が続いてます。

特に駐在時は現地での住宅や育児にかかる費用などがほとんど会社負担となるので、手取り額が2~2.5倍ほどになることもあるという声もあります。

しかし、駐在時以外の福利厚生は他業種の大手企業と比べると手薄なので、額面で見えるよりも可処分所得の差は少ないと話す方もいます。

1-3. 同業他社との年収比較

総合商社の平均年収は、434万円(転職サイト「doda」調べ)ですから、伊藤忠の正社員の平均年収は業界内でもかなり高い水準と言えます。

ただ、一緒に検討される企業と比較すると下記の通りで、同じ5大商社と比べると平均的です。

平均年収 平均年齢 平均勤続年数 待遇の口コミ評価
伊藤忠 1,753万円 42.3歳 18年2ヶ月 4.4
.三菱商事 2,090万円 42.7歳 18年3ヶ月 4.5
.三井物産 1,899万円 42.3歳 17.9年 4.4
.住友商事 1,758万円 43.1歳 18年4ヶ月 4.6
.丸紅 1,654万円 42.4歳 17.9年 4.4

※各社最新のIR情報・就職情報サイト・口コミサイトを参考に作成

社員の口コミにも現れている通り、三菱商事など一部の商社に及ばないものの、待遇が良く、同業他社でも高年収を求める人に向いている企業と言えます。

額面の高さ以外にも、海外駐在中の現地での住環境の良さや、帰国後の住居手当といった福利厚生も相まって、待遇面で満足している方が多いです。

ただし、年収における業績連動ボーナスなどの比率は高いため、近年の好業績を支える資源高が落ち着いた際には数百万単位で年収が変動する可能性があります。

2025年度以降、1割アップを予定

伊藤忠商事は、2025年度より、基本給の大幅ベースアップを予定しています。(参考:日経新聞「伊藤忠が平均年収1割増へ 25年度、課長で3620万円も」)

労使交渉中で正式な発表はまだですが、実現すると、三菱商事、三井物産に並ぶ、業界でもトップクラスの高給になる見込みです。

1-4. 役職別の年収

伊藤忠の役職ごとの年収目安は以下の通りです。

役職目安 現行年収目安(~2024) 改定後年収目安(2025~)
新入社員〜若手一般社員(グレード1) 750万円~800万円
一般社員(グレード2) 1,050万円~1,100万円
担当者(グレード3) 1,850万円~2,200万円 2,100万円~2,500万円
課長代行(バンド4) 2,170万円~2,600万円 2,470万円~2,970万円
課長級(バンド5) 2,600万円~3,150万円 2,980万円~3,620万円
部長級(バンド6) 2,950万円~3,580万円 3,380万円~4,110万円

1-5. 職種別の年収

事務職の場合は総合職に比べると年収の水準は低いです。

総合職の場合はこのページで紹介した水準です。

1-6. 伊藤忠の評価制度

伊藤忠では下記2つで評価されると考えましょう。

評価項目 内容 頻度
MBO(目標管理制度) 目標の達成率、プロセス 2回/年
能力評価(コンピテンシー) 職位に対する役割 2回/年

MBO(目標管理制度)は、年度はじめに立てた目標(予算など)の達成率とプロセスが評価され、ボーナスに影響します。

能力評価(コンピテンシー)は、職位に対する役割を評価し、基本給に影響します。

この他、管理職に対しては多面評価制度を用いています。

社員からの口コミでは、以下のような声があがっています。

  • 年功序列の色が強く、大卒での新卒入社から8年目(30歳)までは横並びなので、その間は評価による金額の大きな差はない
  • 8年目以降に給与を大きく上げるには昇格が必要で、昇格には簿記やTOEICなどの要件をクリアしておく必要がある
  • 定量化できない部分は多くあるので、上司に気に入られるための社内政治も必要

1-7. 伊藤忠で年収を上げるポイント

評価制度を踏まえ、伊藤忠で働きながら年収を上げるためには、下記3点が重要です。

  • 目標は必達、できる限り目標を大きく超える結果を出し、昇格・昇級を狙う
  • 日々の仕事ぶりを上司にアピールするなど、上司と良い関係を築いておく
  • 昇格に必要な要件(TOEICや簿記)などをクリアしておく

逆に言えば、「上記を行う自信がない」という方は、伊藤忠では大幅な年収アップを期待できないので、他社をおすすめします。

しかし、年功序列の色が強いので、総合職として入社して働いていれば、入社8年目(30歳あたり)までは横並び、その後も30代半ばから40歳前後までは昇給が望めます。

1-8. 伊藤忠の福利厚生

伊藤忠の福利厚生は下記の通りとなっていて、大手ならではの高水準といえます。

休暇 ・完全週休2日(土、日)
・祝日
・年末年始
・精勤休暇(有給休暇)
・慶弔休暇
・リフレッシュ休暇
・ボランティア休暇
・特別支援休暇制度(育児・介護)など
住宅関連 ・住宅融資制度など
年金・財形関連 ・財形貯蓄
退職金 ・あり
その他 ・従業員持株会など

社員からの口コミでは、駐在時の住宅関連の補助が特に充実しているという声が多いです。

2. 伊藤忠の年収以外の評判・働きやすさについて

口コミサイトをもとに社員からの伊藤忠の評価をまとめると、下記の通りです。

評価 人気企業内順位
待遇 4.4 9位/300社
ワークライフバランス 3.5 130位/300社
キャリア・成長 3.7 27位/300社
やりがい 3.9 29位/300社
職場の雰囲気 4.0 28位/300社

ここまで紹介してきた待遇(給料や福利厚生)以外の下記4項目について、社内からの内部事情も含め、紹介していきます。

  1. ワークライフバランス
  2. 成長・キャリアアップ
  3. やりがい
  4. 職場の雰囲気

2-1. ワークライフバランスに関する口コミ

  • 「朝型勤務の推奨」や「原則20時退社」「22時以降の飲み会禁止」といった施策によって、働きやすくなっている
  • コアタイムはあるものの朝型勤務が浸透しているので、その分退社時間早い傾向にある
  • 部署や役職によってはハードワークとなることも

ワークライフバランスに関する評価は人気企業300社の中でも平均からやや上位に位置しています。

まず多い口コミが、朝型勤務の推奨をはじめとした以下のような施策が行われているので、会社全体のワークライフバランスは良くなっている傾向にあるというものです。

  • 朝型勤務の推奨
  • 原則20時退社
  • 22時以降の飲み会禁止

有給休暇も取得しやすく、「在宅勤務制度」や「朝型フレックスタイム制度」を活用して働く方も多いです。

コアタイムは決まっているものの、09:00以前には業務を開始している方が多い傾向があります。

ただし、同業他社に比べると人数が少ないこともあり、特に総合職の場合は業務量自体は多いと話す方が多いです。

以下のような部署や役割の場合は、下記のようにワークライフバランスが悪いと感じる方もいました。

  • 生活関連など日々トレードがある部署:客先からの連絡があれば24時間365日対応が必要
  • 海外取引がある部署:メールの返信は休日も関係なく行なっている傾向なので完全なオフというわけではないとの声も
  • 営業など海外出張がある方:日曜の深夜便で現地へ向かい、到着後すぐに商談に向かうようなハードなスケジュールが多い
  • 管理職:スタッフ時代に比べると業務負荷が多くなるため忙しい傾向

この他、20時以降の残業は原則禁止なので一部持ち帰って仕事をしている場合もあると話す方もいます。

会社全体の残業時間の平均は42時間ですが、部署・役職によってはハードワークが必要です。

2-2. 成長・キャリアアップに関する口コミ

  • 新卒入社から2~3年はルーティーンワークが多いが、それ以降は裁量権を持って仕事ができる傾向
  • 基本的にはOJTで経験を積んでいく方針だが、基本的な研修や語学研修などは充実している
  • 海外関連の事業が多く、海外駐在などの機会が得られやすい
  • 出向先に経営層や経営に近いポジションとして派遣されるので、出向を通して大きく成長できたとの声も

成長・キャリアアップに関する評価は人気企業300社の中でも27位です。

まず多い口コミは、新卒入社から2~3年は書類の作成や計数管理などの基本的な業務をみっちりこなし、業務内容を一通り覚えた後は裁量権のある仕事を任せてもらえるというものです。

基本的にはOJTで経験を積んでいく方針で、財閥系の総合商社と比べると研修の手厚さはやや劣ると話す方が複数いました。

ただし、語学研修や若手向けの研修は手厚く、社費でのMBAの枠もあります。

また、海外関連の事業は多く、海外出張や海外駐在などグローバルに働ける環境です。

そして、30代半ば前には駐在や出向先で経営層や経営に近いポジションで働けるので、大きく成長できたと話す方も多くいます。

近年はトレーディングよりも事業投資に注力しているので、マネジメントの経験はつめるが、顧客と対峙するようなビジネスの現場力が以前に比べると弱まっていると話す方もいます。

この他、異動が多く専門分野の確立は難しいとの声もあがっています。

上記を踏まえると、成長できる環境は整っていますが、あくまでゼネラリストとして活躍するための環境である点には注意が必要です。

2-3. やりがいに関する口コミ

  • 若手のうちから裁量権のある仕事を任せてもらえる
  • 海外への事業投資など大規模な案件に携わることができる
  • 伊藤忠の社員として働くことそのものにやりがいを感じるという方も
  • 根回しや稟議書の作成に時間を割くことが多いため、やりがいが薄れてきているとの声も

やりがいの評価は人気企業300社の中でも29位です。

まず多い口コミは、大手総合商社の中でも社員数が少ないこともあり、若手のうちから裁量権のある仕事を任せてもらえるというものです。

そして、規模の大きな海外案件などの大企業ならではの規模のビジネスのメンバーとして働けると話す方も多いです。

また、待遇や知名度の高さから、伊藤忠で働いていること自体にやりがいを持つという方もいます。

しかし、規模の大きさ故に、根回しや稟議書の作成などに時間を割くことが多く、必要だとはわかっているがやりがいは感じられないと話す方もいます。

この他、計数管理などのルーティーンワークが多く、事前に思っていたほど現場に立って仕事を回すことは少ないと感じたという声もあります。

2-4. 職場の雰囲気・人間関係に関する口コミ

  • 昇進や昇格は年功序列の色は強いが、若手であっても発言がしやすい風土
  • 体育会系の色合いが強めで、同業他社と比べるとハングリーな方が多い傾向
  • 意思決定は、会長を中心としたトップダウンの傾向

職場の雰囲気・人間関係の評価は人気企業300社の中でも29位です。

まず、昇進は年功序列ではあるものの、若手にも裁量権が与えられ議論がしやすい環境と話す方が多いです。

そして、同業他社に比べると体育会系の雰囲気が強めで、勢いがある社員が多い傾向にあります。

意思決定は、現会長を中心としたトップダウンと話す方が多いです。

参考:伊藤忠から転職で出ていく人の事情やキャリア

伊藤忠は、安定した雇用体系、高い報酬から定年まで働く人がほとんどで、2021年からの3年間の自己都合退職率は約1.7%(引用元:伊藤忠(ESGデータ)ほどです。

しかし、裁量権を持つまでに10年近く我慢しないといけない、急激にホワイト化していく中で成長できている実感が持てないといった理由で転職を検討されています。

入社する社員のポテンシャルの高さから、新卒入社から30歳辺りまでに、戦略コンサルティングファームをはじめとした一部の外資系企業や有力なスタートアップ、ベンチャーキャピタルなどに転職する人が多いです。

参考:伊藤忠とあわせて検討される企業との比較

伊藤忠とあわせて検討されてるのが、以下の企業です。

  • .三菱商事:エネルギー分野などに強みを持つ、三菱グループの大手総合商社
  • .三井物産:資源分野、とりわけ金属資源に強みを持つ、三井グループの大手総合商社
  • .住友商事:メディア分野などに強みを持つ、住友グループの大手総合商社
  • .丸紅:業界トップクラスの発電事業のほか、穀物やパルプなどに強みを持つ大手総合商社

それぞれの会社の社内からの評価を比較すると以下の通りで、最高得点を赤字にしています。

待遇 ワークライフバランス キャリア・成長 やりがい 職場の雰囲気
伊藤忠 4.4 3.5 3.7 3.9 4.0
.三菱商事 4.5 3.8 3.7 3.8 3.8
.三井物産 4.4 3.6 3.7 3.9 3.9
.住友商事 4.6 4.1 3.2 3.6 3.5
.丸紅 4.4 3.5 3.4 3.3 3.6

総合商社の中でもとりわけ、伊藤忠は、やりがいや職場の雰囲気面を求める人向けの企業と言えます。

私が転職エージェントとして聞いた実際の社員の声

私が転職エージェントとして働く中でも、元社員の方から、以下の点でやりがいに恵まれているという声をよく聞きます。

  • 大手総合商社の中でも、比較的若いうちから仕事を任せてもらえる
  • 国家レベルのスケールの大きい仕事ができる
  • 社名を出すと、国内外の要人クラスでもとりあえず会ってくれることが多い

ただ、仕事を任せてもらえると言っても、経営に携わるような経験を積めるのは大卒入社後10年を過ぎたあたりからと、若手のうちから大きな裁量を持って働きたい人からは不満もあります。

過去にサポートした中でも、「もっと早いうちからスピード感を持って、裁量が大きい仕事を進めたい」との理由で転職を希望される方もいたため、この点には注意しましょう。

3. 伊藤忠はそもそもどんな会社か

引用:伊藤忠

伊藤忠は非資源分野に強みを持つ大手総合商社です。

子会社のファミリーマートを主軸としたリテールなどの生活消費分野や蓄電池関連のビジネスに強みがあります。

この他、中国のCITICやタイのCPグループと提携するなど、中国をはじめとしたアジア市場への積極的な投資が際立ちます。

会社ホームページ:https://www.itochu.co.jp/ja/index.html

3-1. 会社概要

社名 伊藤忠商事株式会社
設立 1949年(昭和24年)12月1日 ※創業:1858年(安政5年)
代表者 岡藤 正広
従業員数 4,190名※2024年4月1日時点
本店所在地 東京都港区北青山2丁目5番1号
事業内容 繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融の各分野において、国内、輸出入および三国間取引を行うほか、国内外における事業投資など、幅広いビジネスを展開。

3-2. 事業内容

伊藤忠の事業内容は以下のとおりです。

事業内容
繊維カンパニー アパレル分野、ブランドマーケティング分野、繊維資材・ライフスタイル分野
機械カンパニー プラント・船舶・航空機分野、自動車分野、建機・産機ビジネス
金属カンパニー 金属資源分野、鉄鋼製品分野
エネルギー・化学品カンパニー エネルギー分野、化学品分野、電力・環境分野
食料カンパニー 食糧原料分野、製品加工分野、中間流通分野、リテール分野
住生活カンパニー 生活資材・物流分野、建設・不動産分野
情報金融カンパニー 情報・通信分野、金融・保険分野
第8カンパニー 他7カンパニーと協業することで新規ビジネスの開拓、ファミリーマートなど

伊藤忠の主な事業領域は、第8カンパニーを除いた7つです。

第8カンパニーに関しては、他の7カンパニーと協業することで、新規ビジネスを開拓することが主な事業内容になります。

ちなみに、伊藤忠は他の総合商社と比較すると、個人の消費者に近い事業領域に注力しています。

食料カンパニー部門を例に挙げると、以下のように一連の工程を自社で運営しており、子会社の大手コンビニチェーン「ファミリーマート」での販売までを手がけています。

  1. 製造加工
  2. 中間流通
  3. 製品
  4. 顧客への販売※子会社の「ファミリーマート」

この他、身近なものとしては、情報金融カンパニー部門にて「ほけんの窓口」への出資などが挙げられます。

また、DX推進にも積極的で、「ファミリーマート」における顧客データの解析や、物流費用の削減などに活用されています。

画像引用元:伊藤忠

この他、伊藤忠はアジアへ市場へ注力しており、以下の2社と3社間で戦略的業務提携・出資を行っています。

  • Charoen Pokphand(タイ)
  • CITIC Limited(中国)

3-3. トップメッセージ

引用:伊藤忠

2011年から始まり5回にわたって策定・実行してきた「Brand-new Deal」によって、着実に収益ステージを上げてまいりました。

そして、今後さらなる進化に向け、今までの実績を総括し経営方針「The Brand-new Deal」を策定いたしました。

変化の激しい時代において企業価値の持続的な向上のため、「業績の向上」、「企業ブランド価値の向上」、「株主還元」を3つの柱としています。

経営方針のテーマは「利は川下にあり」です。

変化の激しい中、従来のビジネスモデルだけでは通用せず、利益を生み出す手がかりは常に「川下」にあると考えています。

定性面についても、お客様の声に常に耳を傾け「マーケットインの発想」に基づいた目標を設定し、具体的な施策を推進してまいります。

このたび掲げた新経営方針の下、全社員が商人の真髄である「マーケティング力」に磨きをかけ、商いの創造に向かって走り出しました。

これまでの成長を支えてきた「稼ぐ、削る、防ぐ」、「マーケットインの発想」といった基本的な考え方はこれからも不変で、築き上げてきた強固な地盤を足がかりに、グループ全体で、さらなる挑戦をしていく所存です。

3-4. 今後の事業展開

2024年に発表した、経営方針「The Brand-new Deal」では、経営方針のテーマを「利は川下にあり」としています。

営業から管理部門まで、一丸となって「マーケティング力」に磨きをかけ、創業以来160年超にわたって築き上げてきた川上・川中の資産やノウハウを駆使することで、より川下に近い分野のビジネスを開拓・進化させ企業価値の向上に努める見込みです。

具体的には、以下のような施策を行い、川下ビジネスを中心に拡大・進化予定となっています。

  • ディビジョンカンパニー間の横連携によるシナジー極大化
  • 事業の掛け合わせによるビジネスの変革・創出

上記を踏まえると、求める人物像にも述べたような、徹底的な顧客目線を持ち、自発的に考えビジネスの変革を推進できるような方に向いた企業と言えます。

4. 伊藤忠への転職を目指す人へ|採用・求人情報

ここまでの内容を踏まえ、伊藤忠へ転職したいと考えている方に向け、伊藤忠の採用・求人情報を紹介します。

新卒で伊藤忠を目指す、という方は新卒採用ページ(https://career.itochu.co.jp/student/)からプレエントリーをし、情報を得ましょう。

4-1. 伊藤忠の採用職種

伊藤忠の職種は大きく分けると下記の2種類です。

総合職 営業、営業企画、事業企画、人事・総務、財務・経理、法務、サステナビリティ推進、IR、開発・調査部、広報など
事務職(一般職) 上記業務のアシスタントなど

上記のように複数の職種がありますが、中途採用では公開求人での募集を積極的に行っていません。

具体的に出ていた求人を以下で紹介します。

4-2. 求人情報

繰り返しになりますが、伊藤忠は中途採用では公開求人での募集を積極的に行っていません。

ここでは過去に「採用ページ」で募集されていた求人情報をご紹介しますが、「JACリクルートメント」「LHH転職エージェント」「doda」といった大手転職エージェントに登録すれば非公開求人も紹介してくれます。

総合職

求人概要 予定年収 勤務地
総合職 会社規定による 全国各地及び海外

総合商社だけあって、総合職の場合は勤務地は世界中になる可能性があります。

ただ、総合職であれば伊藤忠ならではの高水準(平均年収1,753万円)の年収が期待できます。

4-3. 採用メッセージ、求められる人物像

伊藤忠は企業行動方針として、「ひとりの商人、無数の使命」を掲げています。

社員一人ひとりが、「求められるものを、求める人に、求められる形で」届けるために、自らの商いにおける行動を自ら考えることで、伊藤忠の強みである「個の力」を発揮するという伊藤忠らしさを表した言葉です。

また、子会社の「ファミリーマート」や「ほけんの窓口」など、同業他社に比べて個人向けの事業に力を入れているので、より顧客の目線に立って仕事に取り組むことが求められます。

これは、伊藤忠が第8カンパニーという、個人向けの消費者ビジネスの知識が近いメンバーを多く集めた部門を設立し、他の部門(カンパニー)と連携して、個人向けの事業の拡大をしていることからも明らかです。

上記を踏まえると、徹底的な顧客目線を持ち、自発的に考えビジネスの変革を推進できるような人材を求めていると言えます。

逆に言うと、上記のスキル・性格、実績がない場合、転職は難しく、たとえ入社できてもミスマッチがおき、後悔する可能性がありますから注意しましょう。

4-4. 伊藤忠の転職難易度

伊藤忠への転職難易度は「かなり高い(高度なスキルや経験があっても難しい)」です。

中途採用は積極的に行なっている傾向がありますが、高い知名度や、安定性などから、転職人気企業ランキング上位の常連で、高い倍率を勝ち抜かなければいけません。

そのため、以下を徹底しないと合格は難しいでしょう。

  • 自分の経験、スキルに合ったポジションに応募する
  • 求める人物像を理解し、活躍できる人材であることをアピールする
  • 過去の傾向を分析し、面接・選考対策を徹底的に行う

4-5. 伊藤忠へはどうやって応募すべきか

伊藤忠に応募するには、以下の3つの方法がありますが、必ず転職エージェントを使い応募しましょう。

転職エージェントを使うべきなのは、以下の点で伊藤忠の転職に有利になるからです。

  • インターネット上に出ていない、伊藤忠の非公開求人に応募できる
  • 伊藤忠の傾向を踏まえた選考対策(面接対策、書類添削)をしてくれる
  • 伊藤忠側にあなたの魅力を伝え、プッシュしてくれる
  • 内定時に給与交渉をしてくれる

ページの後半で、転職エージェントについて詳しく解説をしますが、伊藤忠に転職したい方が使うべきエージェントは下記の3社です。

これらに登録し、「伊藤忠に転職したい」と伝え、サポートを受けましょう。

上記エージェントは先ほど伊藤忠と比較した他社への転職にも強いので、他社に応募する際にも使えます。

5. 伊藤忠へ転職する際におすすめの転職エージェント

伊藤忠の転職を目指す際に使うべきエージェントは下記の3つです。

この3つに登録し、伊藤忠やその他希望する企業に転職したいと相談しましょう。

これらを選んだ理由は下記3つです。

  • 大手で求人数も多く、伊藤忠の求人も持っている可能性が高い
  • 伊藤忠への転職を有利にするためのノウハウを持っている
  • 提案力・交渉力が高く、転職の強い味方になってくれる

一つずつ解説していきます。

5-1. JACリクルートメント

JACリクルートメント

JACリクルートメント」は、ハイクラス専門の転職エージェントです。

ハイキャリアの転職で真っ先に名前が上がる老舗で、企業側も「管理職」「高待遇の専門職」などハイクラスな求人はJACにだけ相談していることも多いです。

伊藤忠の中でも、年収800万円以上のポジションを狙う方は、必ず使っておきましょう。

ただし、ハイクラスな人材でないと判断されると十分なサポートを受けられませんので注意しましょう。

JACリクルートメント公式ページ:https://www.jac-recruitment.jp/

5-2. LHH転職エージェント

lhh

LHH転職エージェント」は、世界的に有名な大手人材会社アデコの運営する、ハイクラス向けの転職エージェントです。

サポートを受けた利用者は、平均で年収を約100万円上げていて、年収アップの転職に強みを持ちます。

これまでの経験を活かしつつ、今よりポジション、年収を上げる転職がしたい方には特におすすめです。

LHH転職エージェント公式ページ:https://jp.lhh.com

5-3. doda

doda」はパーソルキャリアが運営する、業界トップクラスの実績と豊富な求人を持つ転職エージェントです。

求人数・提案力・交渉力・サポート全てが高水準で、非常にバランスがよく、当たり外れが少ないエージェントとも言えます。

過去のサポート実績から社内にデータやノウハウが蓄積されているだけでなく、企業とのパイプも強いので、人気企業を目指すなら一度は相談しておきましょう。

doda公式ページ:https://doda.jp/

6. 伊藤忠への転職でエージェントを最大限活用するためにすべき9つのこと

ここでは、おすすめした転職エージェントを、最大限活用するためにすべき以下9つのポイントを紹介していきます。

  • 最初の申し込みを丁寧に行う
  • 希望の転職時期は「1日でも早く」と答えておく
  • 経歴・スキルに嘘はつかない
  • 複数のエージェントを使っていることは隠さない
  • 少なくとも2週に一度はコンタクトをとる
  • 担当者が使えないと判断したら付き合わない
  • 「推薦状を見せて欲しい」と伝える
  • 「転職したら3年は頑張りたい」と言っておく
  • 最低限のマナーは守る

6-1. 最初の申し込みを丁寧に行う

優秀な担当者をつけてもらうために、登録時の情報入力は省略せず、できる限り丁寧に行いましょう。

入力が適当だと、「この人は転職するかわからないから、実力ある担当をつけるのはもったいないな。新人に任せてみよう。」となり、優秀な担当がつかないリスクがあるからです。

下記を意識し、転職への熱意を伝え、優秀な担当をつけてもらいましょう。

  • 入力が任意の箇所でもできる限り全て埋める
  • 転職予定時期を選ぶ箇所があれば、「すぐにでも」やそれに近い回答を選ぶ
  • 経歴を書く場面があれば、強みになりそうな経歴は省略せずに書く

6-2. 希望の転職時期は「1日でも早く」と答えておく

最初の面談でも、エージェントに希望の転職時期を聞かれますが、「1日でも早く転職したい」と答えておきましょう。

エージェントは内定が決まって初めて企業から手数料がもらえ、それが個人のノルマになったり、ボーナスを決める要因になります。

以下のような方はどんなに優秀でも、自然と対応の優先度が下がります。

  • 転職予定がかなり先
  • そもそも転職への意欲が低い

すぐにでも転職したい意思を伝えることで、「早く売り上げにつながる人」と判断され、優先的に対応してもらうことができます。

6-3. 経歴・スキルに嘘はつかない

求人を紹介するにあたって最初に経歴やスキルを聞かれますが、なるべく嘘のない回答を心がけましょう。

転職エージェントにとっては、転職する本人だけでなく、手数料をくれる企業側との関係も大事です。

いざ働き始めてから「紹介された人材が話と違う」となると、エージェントは企業からの信頼に傷がつきます。

やり取りの中で嘘がわかると、企業との関係が悪くなるのを恐れて求人紹介が減るため注意しましょう。

6-4. 複数のエージェントを使ってることは隠さない

転職エージェントを複数使う場合、他社も使っていることは、それぞれに隠さず伝えましょう。

言いにくいと感じるかもしれませんが、隠すのには以下のリスクがあります。

  • あなたの希望求人のイメージに誤解が出る
  • 結果として、的外れな求人紹介ばかりになる

すでに他社で応募した求人を紹介されたときに、隠していると「すでに応募済み」とは言えず、適当な理由で断るしかなくなります。

これを繰り返すと、本当はあなたに合った求人も、「前に似た求人を断られたな」と思われ紹介されなくなり、希望とズレたものばかり紹介されるようになります。

こうならないためにも、他社を使っていることは、話しておきましょう。そもそも複数社使うのはごく普通のことで、気にする必要はありません。

6-5. 少なくとも2週に一度はコンタクトをとる

登録後は、少なくとも2週に一度は、エージェントにコンタクトを取るようにしましょう。

長期間連絡しなかったり、応募をしない期間が続くと、「転職が決まって活動を終了した」と判断され、求人が紹介されなくなります。

以下のような簡単な質問でいいので、日頃からこまめにしておきましょう。

  • こういった求人はないか
  • こんな業界は自分でも通るか

自動的に、後回しにされるリスクも

転職エージェントは、企業から紹介の依頼を受けると、自社のシステムから転職活動中の候補者を絞ります。

その際以下のように情報の更新日(最後にコンタクトを取った日)が新しい人から順に候補者が表示され、エージェントはこれを見て求人紹介をしていきます。

エージェントがシステムで候補者を選ぶ画面

更新日が古いとあなたの名前がエージェントの目にも触れず、機械的に後回しになるリスクがあります。

この点も意識し、こまめに連絡は取るようにしましょう。

6-6. 担当者が使えないと判断したら付き合わない

どんなに大手の優良エージェントでも、仕事のできない担当者は存在します。そういった担当に当たってしまったら利用をやめましょう。

具体的には下記に2つ以上当てはまったら、危険なので、担当を変えてもらうか、そのエージェントの利用を止めましょう。

付き合うべきではない担当者の特徴
  • 業界知識が乏しく、深い話ができない
  • 転職に関して話していても経験を感じられない
  • 希望した条件以外の的外れな求人ばかり紹介してくる
  • あなたの都合を考えずに、応募を強要してくる(営業感が強い)
  • 必要な連絡や手続きが遅い、ミスが目立つ

2つ以上当てはまった場合、下記の方法で担当を変えるか、そのエージェント自体の利用を止めましょう。

担当を変えたい場合

担当者を変えたい場合は、問い合わせフォームに以下の文章を送りましょう。

件名:担当変更のご相談

いつもお世話になっております。(あなたの名前)です。

私は現在、(担当者名)様に転職サポートをして頂いており、熱心なアドバイスや求人紹介には大変感謝しております。

しかし、(担当者名)様の考える転職プランと、私の理想のキャリアプランにズレを感じており、ご本人にも何度か相談しましたが、改善も困難と考えております。

つきましては、もし可能でしたら、担当者を変更していただけないでしょうか。

お手数かけますが、何卒よろしくお願いいたします。

担当者に直接伝える方法もありますが、言いにくいと感じる方が多いです。

各社公式ページやマイページで問い合わせフォームを用意しているため、これを活用しましょう。

エージェント自体の利用をやめる場合

基本的に面談や面接の約束をしていないのであれば、連絡を無視すれば、問題ありません。

ただ、連絡がしつこく来る場合は、退会の手続きをしましょう。

エージェント自体の利用をやめる場合は、問い合わせフォームや担当者へのメールで、以下の文章を送りましょう。

件名:退会手続きのお願い

〇〇エージェント 〇〇様

いつもお世話になっております。(あなたの名前)です。

この度、転職活動を休止することとなり、それに伴い退会の手続きをお願いしたいです。

(担当者名)様には、親身に相談に乗っていただき、たくさんの求人をご紹介いただいたのですが、改めて自分のキャリアを考えた際に、もう少し今の職場で頑張ろうと思いました。

熱心にサポートして頂いたにも関わらず、申し訳ございません。

お忙しい中恐縮ですが、ご対応のほどよろしくお願い申し上げます。

退会にあたって、料金がかかるなどのペナルティは一切ありません。

6-7. 「推薦状を見せてほしい」と伝える

エージェントは応募の際に、企業にあなたの強みを客観的な視点で伝える推薦状をつけてくれます。

これについて、以下の理由で見せて欲しいと伝えてみましょう。

  • 面接での自分の発言と違いが出ないか不安
  • 改めて自分のアピールポイントを整理したい

見せてくれるかは担当によりますが、こうすることで、エージェントにとって「人事にしっかりアピールできるものを書かないと」というプレッシャーになります。

以下のように、定型文のような、手抜きの推薦文を出すエージェントもいますが、そういったことの防止になります。

(参考)ひどい推薦文の例

〇〇大学を卒業後、△△社にて営業職として5年勤務されていました。

コミュニケーション能力が高く、明るい方です。

ぜひ一度お会い頂きますよう、お願い申し上げます。

6-8. 「転職したら3年は辞めずに頑張りたい」と言っておく

エージェントに対して、「転職したら3年は辞めずに頑張りたい」と日頃から言っておきましょう。

先ほども紹介した通り、転職エージェントは、転職した人が早期退職すると、企業から受け取った手数料を返還する決まりがあります。

転職してもすぐ辞めそうな人は、結局売り上げにつながらない可能性が高く、エージェントにとってサポートするメリットが薄いです。

紹介される求人が減ることもあるため、こうした見られ方をしないためにも、長く続ける意思は示しておきましょう。

また、前職の不満のようなネガティブな話ばかりの人も、「文句ばかりで仕事が続かない人」という印象を持たれやすいです。

こうした話はしすぎないよう注意しましょう。

6-9. 最低限のマナーは守る

エージェントとのやり取りでは、面談の時間に遅れない、遅れる際は連絡を入れるのように、最低限のマナーは守りましょう。

こうした常識がないと、「マナーがない=企業にも悪印象を与える人材で内定の見込みが少ない」と判断され、対応の優先度を下げられます。

また、担当者も人間ですから、個人的な感情で、力の入れ具合が変わることも多いです。

応募する会社だけでなく、エージェントに対しても感謝の気持ちを持って、丁寧な対応を心がけましょう。

7. まとめ

伊藤忠の年収を紹介してきましたがいかがでしたか?

改めて伊藤忠の正社員の平均年収は1,753万円と総合商社でも高い水準です。

ただ、同じ5大商社の「三菱商事」や「三井物産」と比べると劣る点には注意しましょう。

これから転職を目指す方は、伊藤忠から内定を取るためにも、内定後に年収を上げてもらうためにも必ず転職エージェントを利用するようにしましょう。

下記3社は伊藤忠への転職に強く、伊藤忠を目指す方が使うべきエージェントです。

以上を参考に、あなたが理想のキャリアを歩めることを心から祈っています。

(参考)伊藤忠および、一緒に検討される企業の平均年収、年齢、勤続年数データの参照元

伊藤忠 有価証券報告書
三菱商事 有価証券報告書
三井物産 有価証券報告書
住友商事 有価証券報告書
丸紅 有価証券報告書