理学療法士(PT)の職務経歴書完全ガイド|例文・テンプレート付きで書き方が丸わかり
「理学療法士の職務経歴書の例文が見たい」「実績がない場合どう書けばいい?」など、理学療法士の職務経歴書について気になっていませんか?
ネット上に書き方のノウハウはたくさんありますが、多くの採用現場を見てきた経験からすると、誤った情報も多いので注意しましょう。
このページでは、転職エージェントとして200人以上の理学療法士の職務経歴書を添削し、内定に導いてきた筆者が、理学療法士の職務経歴書について、以下の流れで解説します。
- 理学療法士の職務経歴書をつくる3ステップ
- 理学療法士の職務経歴書の書き方【見本・例文付き】
- 無料ダウンロード可|理学療法士の職務経歴書のテンプレート集
- 職務経歴書の提出時のポイント
- 最高の状態で応募するには、プロの添削は必須
全て読めば、理学療法士の職務経歴書は、具体的にどう書くのが正解か、レベルアップの秘訣までがわかり、職務経歴書で失敗しなくなるでしょう。
著者:O.H 30代(医療機関の人事経験者)
1. 理学療法士の職務経歴書をつくる3ステップ
職務経歴書は、あなたのこれまでの職歴やスキル、自己PRをまとめた書類で、中途採用では履歴書と一緒に提出が求められます。

「これまで何をしてきたか」「何ができる人なのか」を書き、自分を売り込むカタログのような存在です。
職務経歴書のゴールは、採用側に、あなたが「マッチした、長く活躍できる人材」と思わせることです。
そのためにも、書くにあたって以下の3ステップを意識しましょう。
- 応募先が、どんな人材を求めているかを知る
- 求める人材にあった自分の経験・強みを洗い出す
- マッチした経験・強みを強調してつくる
STEP1.応募先が、どんな人材を求めているかを知る
まずは、求人や採用ページにある以下の情報をもとに、応募先がどんな人材を求めているかを知りましょう。
- 求める人物像
- 必須条件、歓迎条件
- 具体的な仕事内容やミッション(同じ経験があったり、成果を出せそうな人が求められる)
- 病院・施設の経営理念(そこに共感できる人が求められる)
求人には、こうした「どんな人が欲しいか」の情報がたくさん含まれています。
まずはこれらを丁寧に読み込んで、どこを目指してアピールすべきかをつかみましょう。
理学療法士で求められる人材とは
理学療法士の求人では、以下のような人材が求められるケースが多いです。
- チームで協力できる人(医師や看護師、OT・STなど他職種と連携してリハビリを進められる)
- コミュニケーション能力がある人(患者や家族、他職種と円滑にやり取りできる)
- 主体的に学ぶ姿勢がある人(新しい知識や技術を吸収し、日々の業務に生かせる)
- 観察力がある人(動作や表情の変化から状態を正確に把握できる)
- 責任感がある人(回復過程を最後まで見届け、リスク管理にも注意できる)
応募先では、中でもどんな人材を求めているのか、求人を細かくチェックしましょう。
STEP2. 求める人材にあった自分の経験・強みを洗い出す
次に、自分が応募先が求める人材と、アピールできる経験や強みがないか、これまでの職歴を振り返りましょう。
【例】
求める人物像「臨機応変に対応できる、柔軟性のある方」
↓
予想外の状況に冷静に対応したり、相手に合わせて対応を変えるなど、柔軟性を発揮した経験はないか振り返る
大きな成果を上げていなくても、工夫して取り組んだ経験があれば通用するので、細かく洗い出しましょう。
STEP3. マッチした経験・強みを強調してつくる
次に、求める人物像にあった経験・強みを、自己PRに盛り込むなど、強調した職務経歴書を作りましょう。
応募先と関係ない強みまで、あれもこれもとアピールする人がいますが、それでは採用担当に刺さりません。
応募先に合った経験・強みをアピールすれば、自社に合った人材とみなされ、普通に面接に進めるようになります。
具体的な作り方について、次から詳しく解説していきます。
2. 理学療法士の職務経歴書の書き方【見本・例文付き】
次に、具体的な理学療法士の職務経歴書の書き方について解説していきます。
どの業界・職種も同じですが、理学療法士でも、職務経歴書は以下の5ブロックで作るのが定番です。

それぞれ、意識すべきことや記入例を解説していきます。
①タイトル・日付

最初に大きめのフォントで「職務経歴書」とタイトルを中央揃えで入れます。
そして、その下に右端揃えで氏名と日付を入れます。
日付は、提出方法によって以下を入れましょう。
- メールで提出:送付日
- 郵送で提出:投函日
- 面接時に持参:面接日
②職務要約

職務要約は、あなたが「どんな仕事をしてきたか」のあらすじです。
200~300文字で、以下2点を入れた内容で書きましょう。
- これまでの職歴(どこで、どれだけの期間、何をしてきたか)
- 応募先にとって魅力を感じる経験・スキル・実績のアピール
最初に読まれるつかみの部分で、ここで自社に合わないと判断されると、その先は読んでもらえません。
求人票をしっかりチェックして、求める人物像に合った強みをアピールしましょう。
理学療法士の例文
| 求められる人物像が「丁寧な患者対応ができる人」の場合 |
| 整形外科クリニックで外来リハを4年間担当し、術後や慢性疼痛の患者様に継続的な運動指導を行ってきました。 症状の不安に寄り添い、理解しやすい説明を心がけたことで「ここに来ると安心できる」とのお声を多くいただきました。 患者様との信頼関係を大切にし、継続率向上にもつなげました。 |
| 求められる人物像が「観察力がある人」の場合 |
| 脳血管リハビリ病棟で5年間勤務し、日々の動作観察を通じて小さな変化を見逃さずに対応してきました。 歩行や立ち上がり動作のわずかな左右差から筋緊張や疼痛の兆候を捉え、早期に介入内容を修正。 医師へ的確に報告し、再発防止や合併症予防につなげることで「安心して任せられる」と評価されました。 |
| 求められる人物像が「チームワークを大事にできる人」の場合 |
| 回復期病棟で5年間勤務し、医師・看護師・OT・STと連携しながら日々のリハビリを実施してきました。 入院早期からのカンファレンス参加を徹底し、情報共有の精度を高めることで退院支援の流れを円滑化。 チーム全体で患者様の目標を共有することで、ADL向上率の安定した維持に貢献しました。 |
③職務経歴

職務経歴では、あなたがこれまで、どこでどんな仕事をしてきたかを具体的にまとめていきます。
ここで最低限入れいるべき内容は、以下の3つです。
- どれだけの期間、どんな職場で働いていたか
- どんな仕事をしていたか
- 働く中で何を心がけていたか
一つ目の会社情報は全て必要ですが、その他は経歴の中から全てを書く必要はありません。
応募先の求める人材に合わせて、アピールできそうな内容を選んで書いていきましょう。
書くこと1. どれだけの期間、どんな職場で働いていたか
履歴書のように勤務先を出すだけでなく、採用担当が具体的にイメージしやすいように書きましょう。
以下の情報を入れることで、「どんな規模」「どんな立場」で仕事をしていたかが伝わりやすくなります。
- 病床数
- リハスタッフ構成(PT◯名/OT◯名/ST◯名 など)
- 1日の担当患者数
- 雇用形態
理学療法士の例文
| ×悪い例 |
〇〇リハビリテーション病院(2019年4月~2023年3月) 理学療法士として勤務。 |
| ◯良い例 どんな職場にいたかイメージしやすい |
〇〇リハビリテーション病院(2019年4月~2023年3月) 【病床数】60床 【スタッフ構成】PT15名/OT8名/ST4名/Ns40名 【担当患者数】1日平均6~7名 【雇用形態】正社員 |
書くこと2. どんな仕事をしていたか
やっていた仕事も、「リハビリを担当」のようにあっさりでなく、具体的に書きましょう。
採用担当が仕事ぶりをイメージしやすいので、担当業務から仕事量まで細かく書くことが大切です。
また、即戦力になるアピールになるので、応募先の求人に書かれた業務内容で、やっていたものがあれば、必ず書いておきましょう。
理学療法士の例文
| ×悪い例 |
リハビリ業務を担当していました。 |
| ◯良い例 具体的でイメージしやすい |
・脳卒中や骨折後の患者様を中心に、1日6〜7名のリハビリを担当 ・身体の動きや日常生活動作の変化を観察し、目標に合わせて内容を調整 ・退院前の動作練習やご家族への介助方法の指導 ・新人スタッフのサポートや、症例を共有する勉強会での発表も担当 |
書くこと3. 働く中で何を心がけていたか
あなたの仕事に対する姿勢や、能力をアピールできるので、業務の中で何を意識して働いたかも書きましょう。
わかりやすくなるので、業務内容と一緒にそれぞれにした工夫などを書いていくのがおすすめです。
理学療法士の例文
| ◯良い例 仕事に対する姿勢が伝わる |
◾️業務内容 ・脳卒中や骨折後の患者様を中心に、1日6〜7名のリハビリを担当 ・身体の動きや日常生活動作の変化を観察し、目標に合わせて内容を調整 ・退院前の動作練習やご家族への介助方法の指導 ・新人スタッフのサポートや、症例を共有する勉強会での発表も担当 ◾️心がけたこと 動作がうまくいかない場面でも焦らず、できたことを一緒に喜ぶことで前向きな気持ちを引き出すよう意識していました。 |
※職歴が多い場合は、一部省略してもいい
3つ以上の職場を経験していたり、職歴が多い方もいるでしょう。
こうした方は、直近2つ以外は、勤務先の情報と期間のみにして、業務内容などは省略しても構いません。

全て書くと、話が広がりすぎて、強みが伝わりにくくなりますし、採用側も直近の情報を重視するため、省略で問題ありません。
④活かせる資格・スキル

ここでは、資格やスキルなど、応募先で活かせるものをメインで記入しましょう。
理学療法士の資格については、取得年月まで書きましょう。
理学療法士の例文
| ◯良い例 |
・理学療法士免許(2018年3月取得) ・普通自動車第一種運転免許(2012年7月取得) ・整形外科・脳血管疾患リハビリの臨床経験(急性期・回復期で計5年) ・患者様の状態変化に応じたプログラム調整・リスク管理スキル |
⑤自己PR

自己PRを作る際に重要なのは以下3つです。
- アピールする強みは、企業の求める人材に合わせて1~2個に絞る
- 結論ファーストで、300字程度で
- イメージしやすいように、具体的なエピソードを入れる
具体的には、以下の3つの流れで作りましょう。
| ①強みになる経験・スキル |
| 例:私の強みは、相手の気持ちに寄り添いながら信頼関係を築けるコミュニケーション力です。 |
| ②その強みを裏付けるエピソード |
| 例:回復期病棟で勤務し、不安を抱える患者様に対して理解しやすい言葉で説明し、小さな変化にも気づいて声をかけることを心がけてきました。 その結果、「あなたが担当でよかった」と感謝の言葉をいただくことが多く、安心してリハビリに臨んでいただける関係を築けました。 |
| ③強みを活かして、応募先で頑張りたいという思い |
| 例:貴院でもこの力を生かし、患者様に安心感を与えるリハビリを提供したいと考えています。 |
強みをいくつもあげたり、具体的なエピソードがないと、伝わりにくくなるので注意しましょう。
また、応募先で活かせない強みでは意味がないので、必ず求人をチェックするなどして、応募先が求める強みをアピールしましょう。
⑥その他全体を通して意識すべきポイント
ここまで解説した以外で、職務経歴書を書く上で、意識すべきことを以下に全てまとめました。
- 読みやすい見た目を意識する
- 誰にでもわかる表現で書く
- 数字は積極的に使う
- ネガティブなことは書かない
- 自信がなさそうな表現はしない
- 経歴に弱点がある人は、説明を入れておく
- 未経験でも、アピール材料は必ずある
ポイント1. 読みやすい見た目を意識する
読み手に内容が伝わりやすくなるので、職務経歴書は以下を意識して描きましょう。

採用担当は、一枚につき数分しか目を通さないことも多く、流し読みでも伝わる構成にするのが重要です。
改行なしでびっしり書き込んだり、読みにくい状態だと、いくら内容が良くても読んでもらえません。
ぱっと見を良くするだけで、読み手のことを考えられる、プレゼン力のある人材としてアピールにもなります。
ポイント2. 誰にでもわかる表現で書く
職種や業界特有の専門用語はなるべく使わず、使う場合は解説を入れるなど、誰にでもわかる表現を意識しましょう。
最初に書類審査をするのは、募集職種の現場を知らない人事というケースも多いです。
専門的すぎると読んでもらえず、不利になるので、医療業界の未経験者でも理解できるレベルを意識して書きましょう。
理学療法士の例文
| ×悪い例 専門用語が多い |
BBSを用いたバランス能力の経過評価を実施し、FIM得点の向上を図りました。 |
| ◯良い例 誰にでもわかる表現 |
立ち上がりや歩行の様子を定期的に確認し、どのくらい動けるようになったかを数値で記録しました。 その結果、回復の変化をチームで共有でき、患者様の目標達成に向けた支援がスムーズになりました。 |
ポイント3. 数字は積極的に使う
内容に説得力が出るので、全体を通して、数字を積極的に使っていきましょう。
以下のように、数字を使うだけで、実績のすごさが一気に伝わりやすくなります。
- 数字なし:患者様の回復支援に努め、業務の効率化を図りました。
- 数字あり:1日6〜7名のリハビリを担当し、訓練計画の見直しで平均在院日数を3日短縮。
理学療法士が数字を入れられる主なポイント
- 担当患者数(例:1日◯名、年間◯名のリハビリを担当)
- 在院日数や回復期間(例:平均在院日数を◯日短縮、退院時自立度◯%改善)
- チーム構成・役割(例:PT◯名のチームでリーダーを担当、新人◯名を指導)
- 業務改善の成果(例:書類作成時間を◯分短縮、記録ミスを◯件減少)
ポイント4. ネガティブなことは書かない
前職の悪口など、ネガティブな内容は書かないようにしましょう。
いくら事実でも、応募書類に書かれていると、なんでも人のせいにする面倒な人という印象を与えます。
そもそも、職務経歴書には退職理由を書くルールはないので、指定がなければ書く必要はありません。
もし書く際は、「こんな仕事がしたかったから」のように、前向きな姿勢が伝わるよう内容にしましょう。
理学療法士の例文
| ×悪い例 前職への不満だけ |
前の病院では人手不足で担当数が多く、患者様と十分に向き合う時間が取れませんでした。 理想のリハビリができない環境に不満を感じ、転職を決意しました。 |
| ◯良い例 将来に向けた、前向きな内容 |
これまで急性期病院で術後リハビリを中心に担当し、基礎的な評価や治療の経験を積んできました。 その中で「退院後の生活まで一貫して支援できる仕事」に強い関心を持つようになりました。 貴院の回復期リハや在宅支援の体制に魅力を感じ、これまでの経験を活かしてより長期的な支援に貢献したいと考えています。 |
ポイント5. 自信がなさそうな表現はしない
未経験からの応募だったり、スキルに自信がなくても、変に謙遜したり、自信がなさそうな内容は書かないようにしましょう。
採用側を不安にさせるだけでメリットは一つもなく、高確率で落とされてしまいます。
自信がない方も、選考のためと割り切って、活かせる経験・意欲を打ち出して、活躍できる人材と堂々とアピールしましょう。
例文(未経験から訪問リハに応募)
| ×悪い例 自信がなさそう |
病院でしか働いたことがなく、在宅でのリハビリ経験はありません。利用者様への対応や訪問業務に慣れるまで時間がかかると思いますが、努力して覚えていきたいです。 |
| ◯良い例 経験を活かして、活躍できるアピール |
これまで回復期病棟で5年間勤務し、退院支援やご家族への介助指導などを行ってきました。 患者様の生活環境を考慮したリハビリを重ねる中で、「自宅でも継続して支援したい」という思いが強くなりました。 病棟で培った動作指導・説明力を活かし、訪問リハでも安心して生活できる環境づくりに貢献したいと考えています。 |
ポイント6. 経歴に弱点がある人は、説明を入れておく
以下のように、経歴的に不利になる弱点がある人は、先回りして説明を入れておきましょう。
- 転職回数が多い
→どんな理由で転職をしてきたのか、前向きな理由を書く - 働いていない、空白期間がある
→前向きな目的や、致し方ない事情を説明しておく - フリーターをしていた
→「夢を追うため」のように、前向きな目的でフリーターだったことを説明する - 病気で休職していた時期がある
→現在はすっかり良くなり、仕事に支障はないことをはっきり書く
一言説明を入れておくだけで、こうした経歴の方でも「一度面接で会ってみよう」となる確率は大きく上がります。
(参考)履歴書の志望動機はどう書いたらいい?
職務経歴書には記入不要ですが、履歴書の志望動機欄も、何を書くべきか悩む方が多いので、参考に解説します。
志望動機は以下3つの流れでまとめれば、簡単に作れます。
- ①これまでの経験をもとに、どんな仕事がしたい・職場で働きたいという思いを伝える
例:これまで急性期病院で、脳血管疾患や整形外科の患者さまを中心にリハビリを行ってきました。早期回復を支援する中で、退院後の生活を見据えた「つながるリハビリ」の重要性を感じています。 - ②応募先の強みや特徴が、自分の理想にマッチすることを伝える
例:貴院では急性期から在宅まで一貫したリハビリ体制を整えており、患者さまの社会復帰を長期的に支援できる環境だと感じました。 - ③応募先に貢献できる、スキルや経験を持っているアピールをする
例:これまで培った評価・治療スキルを活かし、患者さまが安心して生活できるよう多職種と連携しながら貢献していきたいと考えています。
例文のように、300文字程度にまとめられれば、そのまま履歴書に記入ができます。
採用する側は、ミスマッチな人を採用して、すぐに辞められてしまうことを最も嫌います。
この流れで作ると、あなたが本当にマッチした人材で、長く働いてくれる印象を与えることができます。
NGな志望動機
以下のような内容は入れないようにしましょう。
- 給料や休みの多さなど、待遇面の良さだけを挙げる
- 志望のきっかけとなった職場の魅力が、どこにでも当てはまる内容
待遇の良さだけを理由にすると、意欲が感じられなかったり、待遇次第ではすぐにまた転職してしまうと思われ、内定は出にくくなります。
また、志望理由となる応募先の強みが「患者様ファースト」のようにどこにでもある内容だと、他でもいいのでは?と疑問を持たれて、意欲が伝わらなくなります。
応募先の求人や公式ページをチェックするなどして、以下のような独自の強み・データをもとに作りましょう。
- 施設や病院のリハビリ方針・理念
- 代表者やリハ責任者の考え方
- 対象疾患や年齢層の特徴
- 教育や研修の制度
- 職場の雰囲気
応募先別|志望動機の例文
主な応募先別に、3つの流れで作った志望動機の例文をまとめたので、ご参考ください。
| 急性期病院 |
| ①これまで回復期病院で脳血管疾患のリハビリに携わり、発症直後からの介入によって機能回復が大きく変わることを実感しました。より早期の段階から患者さまの回復を支援したいと思い、急性期での経験を積みたいと考えています。 ②貴院は救急搬送から在宅復帰まで一貫したリハビリ体制を整えており、早期離床の推進やチーム医療が活発な点に魅力を感じました。 ③これまで培った評価力とコミュニケーション力を活かし、回復への最短ルートを導けるよう尽力します。 |
| 回復期病院 |
| ①これまで急性期病院で勤務し、退院時の患者さまが生活動作に不安を抱えたまま戻る場面を多く見てきました。発症後の生活再建を長期的に支援したいと考え、回復期での勤務を志望しました。 ②貴院では個別リハビリだけでなく、退院後の環境整備にも力を入れており、患者さまの自立を本当の意味で支えられると感じています。 ③これまでの評価・計画立案力を活かし、在宅復帰率の向上に貢献したいです。 |
| クリニック |
| ①これまで整形外科病院でリハビリを担当し、退院後の継続的なフォローの重要性を感じました。 ②地域に根ざした継続支援を行いたいと考え、通院リハビリに力を入れる貴院を志望しました。 ③患者さま一人ひとりと長く関わりながら、症状改善だけでなく生活全体を支える理学療法を実践していきたいです。これまでの運動指導・再発予防の経験を活かし、地域の健康維持に貢献します。 |
| 訪問リハビリ |
| ①老健で勤務する中で、在宅復帰後のご家族の負担や不安を実感しました。ご本人だけでなく、ご家族も含めた支援ができる訪問リハビリに携わりたいと考えています。 ②貴事業所は家族指導や住宅改修提案など、生活全体を支援しており、共感しました。 ③これまでの介助指導経験を活かし、家庭内で安心して生活できる環境づくりに貢献します。 |
| 老人保健施設 |
| ①回復期病院で勤務し、高齢者の方が「できることを続ける喜び」を感じる瞬間にやりがいを感じました。 ②貴施設は在宅復帰率の高さと生活機能の維持支援に注力されており、私の目指すリハビリと一致します。 ③これまでの身体機能評価や生活動作練習の経験を活かし、利用者さまの自立支援に貢献します。 |
3. 無料ダウンロード可|理学療法士の職務経歴書のテンプレート集
理学療法士の職務経歴書の基本的な書き方は、これまでお伝えした通りです。
ただ、書く上で意識すべき点は、応募先の施設形態によってもさらに変わってきます。
- 急性期病院:他職種との連携力や、変化の大きい患者への迅速な対応力・判断力を具体的に示す。
- 回復期病院:日常生活動作の回復支援や退院支援など、患者と長期的に関わる中での成果を強調する。
- クリニック:限られたスタッフの中で幅広く対応した柔軟性や、患者との信頼関係づくりをアピールする。
- 訪問リハビリ:在宅環境の観察力・判断力、家族との協働姿勢、地域連携の実践経験を具体的に伝える。
- 老人保健施設: 維持期・生活期リハの視点で、入所者の生活機能維持や介護職との連携力を打ち出す。
それぞれ、採用担当に好感を持たれる、アピールができるテンプレートをまとめたので、是非参考にしてください。
| 応募先別テンプレート |
4. 職務経歴書の提出時のポイント
次に、職務経歴書の提出時のポイントについて、以下の方法別に紹介していきます。
- メール
- 郵送
- 面接当日に持参
内容が良くても、提出方法が悪いと台無しで、それだけで落ちるケースもあるので、確認しておきましょう。
4-1. メールで送る場合
メールで職務経歴書を送る場合は、以下の点を意識しましょう。
- ファイル形式は指定がなければ「PDF」
- ファイル名は「氏名/応募書類」
- 企業の指定がない限り、パスワードの設定は不要
ワードやエクセルで書いた場合も、ファイル形式は、編集ができず、どんなPCでも開きやすいので、PDFに変換して送りましょう。
「名前をつけて保存」に進み、ファイル形式でPDFを選べば変換ができます。
ファイル名は、「氏名_応募書類」のように、わかりやすく管理しやすい名前を設定しておきましょう。
メールの例文
メールの例文は以下の通りで、伝わりやすい件名にして、簡潔に書きましょう。
件名:【職務経歴書のご送付】山田花子/理学療法士 応募書類
医療法人◯◯会◯◯病院 人事ご担当者様
お世話になっております。
このたび貴院の理学療法士に応募いたしました、山田花子と申します。ご依頼いただいておりました職務経歴書を添付にてお送りいたします。
PDF形式で作成しておりますので、ご確認いただけますと幸いです。ご不明な点やご要望等がございましたら、お気軽にご連絡ください。
何卒よろしくお願いいたします。――――――――――――――
山田 花子(やまだ はなこ)
メール:xxx@example.com
電話:090-1234-5678
――――――――――――――
パスワードの設定は不要
また、送付時に、セキュリテイの観点から以下の2回に分けて送る手法があちこちで紹介されていますが、不要です。
- パスワード付きzipファイルに書類を変換して送る
- 別でパスワードを記載したメールを送る
この手法(PPAP)は、セキュリティ効果がないことや、不便な点から、2020年に内閣府が廃止の方針を出しています。(内閣府HPより)
古い常識ですし、パスワードを設定して送ると、採用担当がスムーズに開けないことで、マイナス印象にもなりかねません。
例文通りにメールを書き、書類を添付して一度送るだけでいいでしょう。
4-2. 郵送する場合
郵送で職務経歴書を送る際は、以下を意識しましょう。
- 送付の目的や挨拶を書いた「添え状」をつける
- 封筒はA4の書類がそのまま入る大きいサイズを選ぶ
- ①添え状、②履歴書、③職務経歴書の順にクリアファイルに入れて送る
郵送の際は、「応募書類を送るのでよろしくお願いします。」という意味を込めた添え状をつけるのがマナーです。
応募先に合わせた自己PRを入れることで、中身をしっかり読もうと、採用担当に関心を持たせる効果も期待できます。
添え状の記入例
添え状の記入例や注意点をまとめたのが以下です。

必要な方は、「添え状のテンプレート(理学療法士)」をダウンロードしてご活用ください。
封筒はA4がそのまま入る大きいサイズを選ぶ
郵送の際は、折り目のない綺麗な状態で送るために、A4サイズが折らずに入れられる、角形2号サイズの大きい封筒に入れましょう。
封筒の作成例は以下の通りです。

担当者名がわからない場合は、”様”ではなく部署名に”御中”をつけましょう。(例:医療法人〇〇会〇〇病院 人事部 御中)
送付時は、書類を①添え状、②履歴書、③職務経歴書の順に新品のクリアファイルに入れて送りましょう。
万が一料金不足があると応募先に迷惑をかけるので、念の為郵便局の窓口で提出するのがおすすめです。
4-3. 面接当日に持参する場合
面接当日に職務経歴書を持参する場合は、以下の点を意識しましょう。
- 無地で、A4がそのまま入る大きい封筒を用意
- 宛先は書かず、裏面に「自分の住所氏名」、表面に赤で「応募書在中」と記入
- 添え状は不要で、①履歴書、②職務経歴書の順にクリアファイルに入れる
- 封は閉じずに、現地で中身を出して、封筒と一緒に面接官に手渡す
持参する場合も、むき出しの書類を渡すのではなく、必ず封筒を用意してそれに入れましょう。
書類だけを渡すと雑な印象を与えますし、現地に行くまでに折れたりすることを避けるために必須です。
封筒の記入例
以下のように、宛先以外のみ記入します。

渡す際は、面接官の場合は、中身を取り出し、相手が読める向きに直して、封筒と一緒に手渡します。
受付で渡す際は、封に入れたままの状態で、担当者に渡しましょう。
5. 最高の状態で応募するには、プロの添削は必須
職務経歴書のレベルを、もう一歩上げるためにも、転職エージェントを使ってプロの添削は必ず受けておきましょう。
転職エージェントとは、担当がついて転職サポートが受けられる完全無料のサービスです。

具体的に言うと下記の6つをしてくれ、あなたは面接以外で企業と直接やりとりする必要がなくなります。
- キャリアの相談
- 求人の紹介
- 応募書類の添削
- 面接対策
- 面接や入社の日程調整
- 年収交渉
応募の際は、職務経歴書の通過率を上げるための添削・アドバイスをしてくれます。
提出前に、転職エージェントを頼るべき理由
具体的に、職務経歴書の作成にあたって、転職エージェントを頼る理由をまとめると以下の通りです。
- 応募先ごとに、どんな書類が通りやすい・落ちやすいというデータを持っている
- 応募先が求める人材の最新情報を持っている
- プロの目線で、自分では気づけないアピールポイントを見つけてくれる
理由1. 応募先ごとに、どんな書類が通りやすい・落ちやすいというデータを持っている
大手の転職エージェントだと、同じ病院・施設にこれまで100人以上を紹介しているケースもよくあります。
そのため、職場ごとにどんな書類が通り・逆にどんな書類が落とされるというデータを豊富に持っています。
その傾向を踏まえて、書き方のアドバイスがもらえるので、通過率は格段に上がります。
理由2. 応募先が求める人材の最新情報を持っている
転職エージェントは、紹介の質を上げるため、普段から病院・施設に「どんな人材が欲しいか」の聞き取りを行なっています。
そのため、求人票には載りきらない、以下のようなタイムリーな情報も持っていることも多いです。
- 秘密裏に進めるプロジェクトがあり、それに向けてこんな人が欲しい
- 最近経営陣が変わり、求められる人のタイプも変わった
職務経歴書は、求める人材とマッチすることをアピールする書類で、どこを目指して書くべきかの最新情報が知れるのは大きな強みです。
理由3. プロの目線で、自分では気づけないアピールポイントを教えてくれる
職務経歴書を書くにあたって、どうしてもアピールできる内容が浮かばない、自信がない人もいるでしょう。
転職エージェントは選考のプロで、こうした方でも、職歴や経験の中から、自分では気づけないアピールポイントをたくさん見つけてくれます。
例えば、私が過去に転職エージェントとしてサポートした事例として、以下があります。
| 20代女性 老人保健施設のPT経験のみ → 急性期病院を志望 |
|
| 本人の悩み | 急性期の現場で活かせる実績がないと悩んでいた。 |
| 職務経歴書でアドバイスしたこと | ・介護職や看護師と連携し多数の入所者を担当してきた経験を、多職種と協力して動ける力や、忙しい状況でも優先順位をつけて対応できる力として強調。 ・老健での動作訓練や転倒予防の経験を、急性期で必要な「安全に離床を進める力」や「高齢者の状態を見極める観察力」として位置づけ。 |
| 結果 | ・高齢者の生活を理解したPTとして急性期で新しい視点が期待できると評価された。 ・面接でも入所者支援の経験や介護職との連携のエピソードが評価され、急性期病院から内定を獲得できた。 |
これは、ご本人が「普通だと思っていた業務」でも、見せ方次第で強みに変わるという成功事例です。
こうしたアドバイスが受けられるので、自信のない人ほど転職エージェントは頼るべきです。
使うだけで有利になることも!
大手のエージェントだと、病院からの信頼も厚く、使うだけで書類選考に通りやすくなることもあります。
どこ誰かわからない直接応募に比べると、エージェント経由が安心と考える人事も多いからです。
「この人の紹介なら安心」と人事に強く信頼されている担当もいて、使うだけで「まずは会ってみよう」となる確率が格段に上がります。
理学療法士の職務経歴書の添削に強い!転職エージェント3選
しかし、転職エージェント全てが職務経歴書の添削に強いわけではなく、ノウハウが全くない素人集団のような業者もあるので注意しましょう。
添削を頼むなら、なるべく実績のある大手がおすすめで、求人が豊富で、病院ごとの選考データもたくさんあり、頼りになります。
以下の3社は理学療法士専門の中でも特に人気の大手で、求人や実績の面で圧倒的に優れています。
おすすめの3社について、それぞれ解説していきます。
1位.PTOT人材バンク:上場企業の運営で、サポートの質が高い

「PTOT人材バンク」は、東証プライム上場企業が運営する、リハビリ職専門の転職エージェントです。
PT専門の中でも求人数はトップクラスで、年間で1万人以上が使う、まず頼られる人気のサービスです。
多数の紹介実績から、病院・施設ごとに、採用で求められる強みを熟知していて、精度の高い添削が受けられます。
医療・福祉業界の転職サポートを幅広く行う大手の運営で、職員のレベルも高く、丁寧なサポートには定評があります。
| PTの求人数 | 約17,000件 |
| 対応エリア | 全国 |
| 運営会社 | 株式会社エス・エム・エス |
| 運営元の設立 | 2003年 |
PTOT人材バンク公式ページ
2位.PTOTSTワーカー:好待遇の求人が充実

「PTOTSTワーカー」は、医療・福祉業界の転職を手掛ける大手トライトグループの転職エージェントです。
全国各地に拠点を持ち、都市部だけでなく、地方も含め現地の採用事情に詳しい担当のサポートが受けられます。
高額求人の獲得に力を入れていて、他社にはない好条件な求人紹介が受けられたという声が特に多いのも特徴です。
| PTの求人数 | 約10,000件 |
| 対応エリア | 全国 |
| 運営会社 | 株式会社トライトキャリア |
| 運営元の設立 | 2004年(親会社のトライト) |
PTOTSTワーカー公式ページ
3位.レバウェルリハビリ:職場ごとの内部事情に詳しい

「レバウェルリハビリ」は、医療・福祉専門の大手レバウェルが運営する、リハ職専門の転職エージェントです。
看護師・介護士向けの転職サービスも運営していて、全国の病院・介護施設と強いパイプを持っています。
職場ごとの隠れたデメリットなど、内部事情には特に詳しいので、ミスマッチを避けたいなら一度は相談しておきましょう。
| PTの求人数 | 約9,000件 |
| 対応エリア | 全国 |
| 運営会社 | レバウェル株式会社 |
| 運営歴 | 2009年~ |
レバウェルリハビリ公式ページ
まとめ
理学療法士の職務経歴書について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
職務経歴書は、以下の3ステップを意識して作るのが重要です。
- 応募先が、どんな人材を求めているかを知る
- 求める人材にあった自分の経験・強みを洗い出す
- マッチした経験・強みを強調してつくる
最高の状態で応募するためにも、提出前には、プロに無料で添削が頼める以下の理学療法士専門エージェントの利用がおすすめです。
当ページの内容が、あなたの転職成功のお役に立てることを心から祈っております。








