医療事務の職務経歴書完全ガイド|例文・テンプレート付きで書き方が丸わかり
「医療事務の職務経歴書の例文が見たい」「実績がない場合どう書けばいい?」など、医療事務の職務経歴書について気になっていませんか?
ネット上に書き方のノウハウはたくさんありますが、多くの採用現場を見てきた経験からすると、誤った情報も多いので注意しましょう。
このページでは、転職エージェントとして200人以上の医療事務の職務経歴書を添削し、内定に導いてきた筆者が、医療事務の職務経歴書について、以下の流れで解説します。
- 医療事務の職務経歴書をつくる3ステップ
- 医療事務の職務経歴書の書き方【見本・例文付き】
- 無料ダウンロード可|医療事務の職務経歴書のテンプレート集
- 職務経歴書の提出時のポイント
- 最高の状態で応募するには、プロの添削は必須
全て読めば、医療事務の職務経歴書は、具体的にどう書くのが正解か、レベルアップの秘訣までがわかり、職務経歴書で失敗しなくなるでしょう。
著者:O.H 30代(医療機関の人事経験者)
1. 医療事務の職務経歴書をつくる3ステップ
職務経歴書は、あなたのこれまでの職歴やスキル、自己PRをまとめた書類で、中途採用では履歴書と一緒に提出が求められます。

「これまで何をしてきたか」「何ができる人なのか」を書き、自分を売り込むカタログのような存在です。
職務経歴書のゴールは、採用側に、あなたが「マッチした、長く活躍できる人材」と思わせることです。
そのためにも、書くにあたって以下の3ステップを意識しましょう。
- 応募先が、どんな人材を求めているかを知る
- 求める人材にあった自分の経験・強みを洗い出す
- マッチした経験・強みを強調してつくる
STEP1.応募先が、どんな人材を求めているかを知る
まずは、求人や採用ページにある以下の情報をもとに、応募先がどんな人材を求めているかを知りましょう。
- 求める人物像
- 必須条件、歓迎条件
- 具体的な仕事内容やミッション(同じ経験があったり、成果を出せそうな人が求められる)
- 経営理念や職場の魅力(そこに共感できる人が求められる)
求人には、こうした「どんな人が欲しいか」の情報がたくさん含まれています。
まずはこれらを丁寧に読み込んで、どこを目指してアピールすべきかをつかみましょう。
医療事務で求められる人材とは
医療事務の求人では、以下のような人材が求められるケースが多いです。
- 丁寧な対応ができる(受付での接遇や電話対応で、相手に安心感を与えられる)
- チームワークを大事にできる(医師や看護師など他職種と連携してスムーズに業務に取り組める)
- 事務処理能力が高い(診療報酬請求やレセプト業務をミスなくできる)
- 柔軟に対応できる(混雑時や、急患対応なども落ち着いて行動できる)
- 医療知識や保険制度への理解がある(医療用語や、診療報酬点数表の基礎などを理解している)
応募先では、中でもどんな人材を求めているのか、求人を細かくチェックしましょう。
STEP2. 求める人材にあった自分の経験・強みを洗い出す
次に、自分が応募先が求める人材と、アピールできる経験や強みがないか、これまでの職歴を振り返りましょう。
【例】
求める人物像「臨機応変に対応できる、柔軟性のある方」
↓
予想外の状況に冷静に対応したり、相手に合わせて対応を変えるなど、柔軟性を発揮した経験はないか振り返る
大きな成果を上げていなくても、工夫して取り組んだ経験があれば通用するので、細かく洗い出しましょう。
STEP3. マッチした経験・強みを強調してつくる
次に、求める人物像にあった経験・強みを、自己PRに盛り込むなど、強調した職務経歴書を作りましょう。
応募先と関係ない強みまで、あれもこれもとアピールする人がいますが、それでは採用担当に刺さりません。
応募先に合った経験・強みをアピールすれば、自社に合った人材とみなされ、普通に面接に進めるようになります。
具体的な作り方について、次から詳しく解説していきます。
2. 医療事務の職務経歴書の書き方【見本・例文付き】
次に、具体的な医療事務の職務経歴書の書き方について解説していきます。
どの業界・職種も同じですが、医療事務でも、職務経歴書は以下の5ブロックで作るのが定番です。

それぞれ、意識すべきことや記入例を解説していきます。
①タイトル・日付

最初に大きめのフォントで「職務経歴書」とタイトルを中央揃えで入れます。
そして、その下に右端揃えで氏名と日付を入れます。
日付は、提出方法によって以下を入れましょう。
- メールで提出:送付日
- 郵送で提出:投函日
- 面接時に持参:面接日
②職務要約

職務要約は、あなたが「どんな仕事をしてきたか」のあらすじです。
200~300文字で、以下2点を入れた内容で書きましょう。
- これまでの職歴(どこで、どれだけの期間、何をしてきたか)
- 応募先にとって魅力を感じる経験・スキル・実績のアピール
最初に読まれるつかみの部分で、ここで自社に合わないと判断されると、その先は読んでもらえません。
求人票をしっかりチェックして、求める人物像に合った強みをアピールしましょう。
医療事務の例文
| 求められる人物像が「正確に事務処理ができる人」の場合 |
| 内科クリニックで4年間、受付・会計・レセプト請求業務を担当しました。 月間約800件のレセプトを処理し、チェック体制の見直しによって返戻件数をゼロに改善。 医療点数表の変更にも迅速に対応し、日々の業務において正確さと効率性を両立させてきました。 |
| 求められる人物像が「丁寧な患者対応ができる人」の場合 |
| 総合病院外来で3年間勤務し、1日150名以上の患者様対応を担当しました。 初診や高齢患者様に安心していただけるよう、目線を合わせてゆっくり説明するなど、声のトーンや表情にも配慮。 「説明がわかりやすい」と感謝の言葉をいただく機会が多く、信頼関係構築の大切さを学びました。 |
| 求められる人物像が「チームワークを大事にできる人」の場合 |
| 整形外科クリニックで5年間、受付・レセプト・診療補助を担当しました。 診療状況を把握し、医師や看護師と連携してカルテ準備や検査案内を実施。 患者様の流れが滞らないよう先回りで動く体制づくりに努め、チーム全体の業務効率向上に貢献しました。 |
③職務経歴

職務経歴では、あなたがこれまで、どこでどんな仕事をしてきたかを具体的にまとめていきます。
ここで最低限入れいるべき内容は、以下の4つです。
- どれだけの期間、どんな職場で働いていたか
- どんな仕事をしていたか
- 働く中で何を心がけていたか
- その仕事で何を達成したか(実績や得た評価など)
一つ目の会社情報は全て必要ですが、その他は経歴の中から全てを書く必要はありません。
応募先の求める人材に合わせて、アピールできそうな内容を選んで書いていきましょう。
書くこと1. どれだけの期間、どんな職場で働いていたか
履歴書のように勤務先を出すだけでなく、採用担当が具体的にイメージしやすいように書きましょう。
以下の情報を入れることで、「どんな規模」「どんな立場」で仕事をしていたかが伝わりやすくなります。
- 診療科目
- ベッド数・1日の外来数など(規模感)
- 雇用形態
医療事務の例文
| ×悪い例 |
〇〇クリニック(2019年4月~2023年3月) 医療事務として勤務。 |
| ◯良い例 どんな職場にいたかイメージしやすい |
〇〇クリニック(2019年4月~2023年3月) 【診療科目】内科・循環器内科 【規模】医師2名/スタッフ15名/1日平均外来数 約120名 【雇用形態】正社員 【職種】医療事務 |
書くこと2. どんな仕事をしていたか
やっていた仕事も、「受付業務を担当」のようにあっさりでなく、具体的に書きましょう。
採用担当が仕事ぶりをイメージしやすいので、担当業務から仕事量まで細かく書くことが大切です。
また、即戦力になるアピールになるので、応募先の求人に書かれた業務内容で、やっていたものがあれば、必ず書いておきましょう。
医療事務の例文
| ×悪い例 |
・受付と会計業務を担当していました。 |
| ◯良い例 具体的でイメージしやすい |
・外来受付対応(1日約100名)、診療内容の入力、保険証確認と新患登録 ・会計処理、領収書発行、レジ締め作業 ・レセプト請求業務(月約800件)、返戻対応、診療報酬改定への対応 ・電話対応(検査予約、再診予約、問い合わせ対応) ・電子カルテ入力およびカルテ整理、診療補助(検査案内など) |
書くこと3. 働く中で何を心がけていたか
あなたの仕事に対する姿勢や、能力をアピールできるので、業務の中で何を意識して働いたかも書きましょう。
わかりやすくなるので、業務内容と一緒にそれぞれにした工夫などを書いていくのがおすすめです。
医療事務の例文
| ◯良い例 仕事に対する姿勢が伝わる |
・外来受付での対応や電話応対を担当。 不安を抱える患者様にも安心してもらえるよう、表情や声のトーンに気を配り、混雑時でも焦らず落ち着いた対応を意識していました。 |
書くこと4. その仕事で何を達成したか(実績や得た評価など)
アピール内容の説得力がグンと増すので、以下のように達成したことを必ず書きましょう。
- 「返礼件数を50%減らした」「1時間の作業を30分に短縮した」のような、業務改善や自己成長
- 「周囲のスタッフ・患者様からこう評価された」のような他者からの評価
実績は、なるべく数字を使って、客観的に凄さが伝わるように書くと効果的です。
医療事務は数字で成果が上がるタイプの仕事ではないため、「実績なしで書くことがない」と悩む方が多いです。
こうした方は、社内外からも受けた評価など、信頼されていたことが伝わるエピソードを書くと良いでしょう。
医療事務の例文
| ×悪い例 客観的に何がすごいのかわからない |
受付業務を効率化しました。 |
| ◯良い例 数字で説得力あり |
診療時間帯の混雑を分析し、受付体制を見直すことで、平均待ち時間を20分短縮。 |
④活かせる資格・スキル

ここでは、資格やスキルなど、応募先で活かせそうなものをメインで記入しましょう。
使えるソフトを書く際は、「Excel(データ集計、表・グラフ作成)」のように、何ができるかまで書くと効果的です。
簿記など、応募先で活かせそうな資格があれば、持っていなくても勉強中と書いておくだけで、意欲のアピールになります。
医療事務の例文
| ×悪い例 |
・Excel ・電子カルテの操作スキル |
| ◯良い例 どこまで仕事を任せられる人かが伝わる |
・Excel(受付数の集計表・日計表の作成、関数によるデータ管理が可能) ・電子カルテの操作スキル(Medicom使用/初診登録・診療内容入力・会計処理まで対応) ・医科 医療事務管理士(現在受験勉強中) |
⑤自己PR

自己PRを作る際に重要なのは以下3つです。
- アピールする強みは、応募先の求める人材に合わせて1~2個に絞る
- 結論ファーストで、300字程度で
- イメージしやすいように、具体的なエピソードを入れる
具体的には、以下の3つの流れで作りましょう。
| ①強みになる経験・スキル |
| 例:私の強みは、細部まで注意を払い、正確に業務を遂行できる点です。 |
| ②その強みを裏付けるエピソード |
| 例:前職では、レセプト処理では入力内容を二重チェックし、算定ルールを確認して返戻を防ぐ工夫を続けてきました。小さなミスが患者様や医療機関の負担につながることを常に意識し、確実な処理を徹底してきました。 |
| ③強みを活かして、応募先で頑張りたいという思い |
| 例:貴院でも、正確さと慎重さを活かし、信頼される医療事務として貢献したいと考えています。 |
強みをいくつもあげたり、具体的なエピソードがないと、伝わりにくくなるので注意しましょう。
また、応募先で活かせない強みでは意味がないので、必ず求人をチェックするなどして、応募先が求める強みをアピールしましょう。
⑥その他全体を通して意識すべきポイント
ここまで解説した以外で、職務経歴書を書く上で、意識すべきことを以下に全てまとめました。
- 読みやすい見た目を意識する
- 誰にでもわかる表現で書く
- 数字は積極的に使う
- ネガティブなことは書かない
- 自信がなさそうな表現はしない
- 経歴に弱点がある人は、説明を入れておく
- 未経験でも、アピール材料は必ずある
ポイント1. 読みやすい見た目を意識する
読み手に内容が伝わりやすくなるので、職務経歴書は以下を意識して描きましょう。

採用担当は、一枚につき数分しか目を通さないことも多く、流し読みでも伝わる構成にするのが重要です。
改行なしでびっしり書き込んだり、読みにくい状態だと、いくら内容が良くても読んでもらえません。
ぱっと見を良くするだけで、読み手のことを考えられる、プレゼン力のある人材としてアピールにもなります。
ポイント2. 誰にでもわかる表現で書く
職種や業界特有の専門用語はなるべく使わず、使う場合は解説を入れるなど、誰にでもわかる表現を意識しましょう。
最初に書類審査をするのは、募集職種の現場を知らない人事というケースも多いです。
専門的すぎると読んでもらえず、不利になるので、医療業界の未経験者でも理解できるレベルを意識して書きましょう。
医療事務の例文
| ×悪い例 専門用語が多い |
レセプトの縦覧点検で過誤請求を防止し、算定漏れを適正加算しました。 |
| ◯良い例 誰にでもわかる表現 |
診療報酬の明細書(レセプト)の内容を確認し、請求の誤りや漏れがないようチェックしました。 その結果、請求ミスを防ぎ、差し戻し件数を減らしました。 |
ポイント3. 数字は積極的に使う
内容に説得力が出るので、全体を通して、数字を積極的に使っていきましょう。
以下のように、数字を使うだけで、実績のすごさが一気に伝わりやすくなります。
- 数字なし:レセプト業務の効率化に取り組み、チェック体制を見直しました。
- 数字あり:月800件のレセプト請求を担当し、チェックリストを導入して作業時間を1日あたり30分短縮。
また、数字を使いつつ、周囲と比べてどれだけ優れているかも表現できるとなおいいです。
例えば「医事課6名の中で、処理件数が最多」のように、全体の中での立ち位置も書けると、よりすごさが伝わります。
医療事務が数字を入れられる主なポイント
- レセプト処理件数(例:月◯件を担当、返戻率◯%改善)
- 受付対応件数(例:1日平均◯名、外来患者◯名を案内)
- 電話・予約対応数(例:1日◯件、ミス率◯%削減)
- 業務改善の効果(例:確認作業を◯分短縮、残業時間を◯時間削減)
ポイント4. ネガティブなことは書かない
前職の悪口など、ネガティブな内容は書かないようにしましょう。
いくら事実でも、応募書類に書かれていると、なんでも人のせいにする面倒な人という印象を与えます。
転職理由を書く際も、「こんな仕事がしたかったから」のように、前向きな姿勢が伝わるよう内容にしましょう。
医療事務の例文
| ×悪い例 前職への不満だけ |
前職では決まった作業しか任されず、スキルが伸びている実感がありませんでした。変化もなく、やりがいを感じられなかったため転職を考えました。 |
| ◯良い例 将来に向けた、前向きな内容 |
限られた業務だけでなく、業務改善や他部署との調整などにも関わっていきたいという思いが強くなり、より広く事務スキルを活かせる環境を探すようになりました。業務の幅を広げながら成長していける環境として、貴院に魅力を感じております。 |
ポイント5. 自信がなさそうな表現はしない
未経験からの応募だったり、スキルに自信がなくても、変に謙遜したり、自信がなさそうな内容は書かないようにしましょう。
採用側を不安にさせるだけでメリットは一つもなく、高確率で落とされてしまいます。
自信がない方も、選考のためと割り切って、活かせる経験・意欲を打ち出して、活躍できる人材と堂々とアピールしましょう。
(例)未経験から医療事務への応募の場合
| ×悪い例 自信がなさそう |
医療事務は未経験のため、正直に申し上げてまだ十分なスキルがありません。ご迷惑をおかけしないよう努力したいと考えています。 |
| ◯良い例 経験を活かして、活躍できるアピール |
事務職としての経験はありませんが、販売職として顧客対応を行っており、丁寧な対応力には自信があります。正確さとスピードを意識した事務作業にも意欲的に取り組み、早期に戦力となれるよう努力します。 |
ポイント6. 経歴に弱点がある人は、説明を入れておく
以下のように、経歴的に不利になる弱点がある人は、先回りして説明を入れておきましょう。
- 転職回数が多い
→どんな理由で転職をしてきたのか、前向きな理由を書く - 働いていない、空白期間がある
→前向きな目的や、致し方ない事情を説明しておく - フリーターをしていた
→「夢を追うため」のように、前向きな目的でフリーターだったことを説明する - 病気で休職していた時期がある
→現在はすっかり良くなり、仕事に支障はないことをはっきり書く
一言説明を入れておくだけで、こうした経歴の方でも「一度面接で会ってみよう」となる確率は大きく上がります。
ポイント7. 未経験でも、アピール材料は必ずある
未経験転職の場合など、即戦力になれるとアピールできる経験がないと悩む方がよくいます。
しかし、こうした方でも、視野を広げると、実は求められる能力を前職で発揮していたり、アピールポイントは大抵見つかります。
(例)飲食店の接客経験のみ→医療事務に応募
前職では、日々の予約確認やオーダー入力、売上の簡易集計など、裏方の細かい事務作業も担当。
ミスが許されない中で正確な処理を求められ、正確性とスピードを両立させる力を養った。
こうした正確に処理する力は、医療事務でも活かせる。
アピール内容に迷う方は、視点を変えて、同じような力を発揮した経験がないかを振り返ってみましょう。
どうしても見つからない場合は?
求人にマッチしたスキルがどうしても見つからない方は、以下の能力をアピールできる経験がないか探してみましょう。
- コミュニケーション能力(顧客との関わりを工夫して、高い成果を出したり、評価された経験はないか)
- マネジメント能力(部下を教育して成果を上げた経験はないか)
- プレゼン能力(人前で発表したり、わかりやすさを工夫して企画書などを作った経験はないか)
これらはどんな仕事にも求められる能力で、エピソードと一緒に伝えられれば大きなアピールになります。
3. 無料ダウンロード可|医療事務の職務経歴書のテンプレート集
医療事務の職務経歴書の基本的な書き方は、これまでお伝えした通りで、テンプレートは以下をご活用ください。
ただ、書く上で意識すべき点は、具体的な状況によってもさらに変わってきます。
- 未経験からの応募:前職で学んだ対人スキルなど、医療事務に応用できる強みをアピールするといい
- 転職が多い:それぞれの職場で得たスキルや実績を一貫した軸でつなげ、成長ストーリーとして伝えることが重要
- 派遣・パートからの転職:即戦力としての実務経験や、限られた業務範囲でも成果を出してきた点を伝える
それぞれ、採用担当に好感を持たれる、アピールができるテンプレートをまとめたので、是非参考にしてください。
| 状況別テンプレート |
4. 職務経歴書の提出時のポイント
次に、職務経歴書の提出時のポイントについて、以下の方法別に紹介していきます。
- メール
- 郵送
- 面接当日に持参
内容が良くても、提出方法が悪いと台無しで、それだけで落ちるケースもあるので、確認しておきましょう。
4-1. メールで送る場合
メールで職務経歴書を送る場合は、以下の点を意識しましょう。
- ファイル形式は指定がなければ「PDF」
- ファイル名は「氏名/応募書類」
- 応募先の指定がない限り、パスワードの設定は不要
ワードやエクセルで書いた場合も、ファイル形式は、編集ができず、どんなPCでも開きやすいので、PDFに変換して送りましょう。
「名前をつけて保存」に進み、ファイル形式でPDFを選べば変換ができます。
ファイル名は、「氏名_応募書類」のように、わかりやすく管理しやすい名前を設定しておきましょう。
メールの例文
メールの例文は以下の通りで、伝わりやすい件名にして、簡潔に書きましょう。
件名:【職務経歴書のご送付】山田花子/医療事務 応募書類
医療法人◯◯会◯◯病院 人事ご担当者様
お世話になっております。
このたび貴院の医療事務に応募いたしました、山田花子と申します。ご依頼いただいておりました職務経歴書を添付にてお送りいたします。
PDF形式で作成しておりますので、ご確認いただけますと幸いです。ご不明な点やご要望等がございましたら、お気軽にご連絡ください。
何卒よろしくお願いいたします。――――――――――――――
山田 花子(やまだ はなこ)
メール:xxx@example.com
電話:090-1234-5678
――――――――――――――
パスワードの設定は不要
また、送付時に、セキュリテイの観点から以下の2回に分けて送る手法があちこちで紹介されていますが、不要です。
- パスワード付きzipファイルに書類を変換して送る
- 別でパスワードを記載したメールを送る
この手法(PPAP)は、セキュリティ効果がないことや、不便な点から、2020年に内閣府が廃止の方針を出しています。(内閣府HPより)
古い常識ですし、パスワードを設定して送ると、採用担当がスムーズに開けないことで、マイナス印象にもなりかねません。
例文通りにメールを書き、書類を添付して一度送るだけでいいでしょう。
4-2. 郵送する場合
郵送で職務経歴書を送る際は、以下を意識しましょう。
- 送付の目的や挨拶を書いた「添え状」をつける
- 封筒はA4の書類がそのまま入る大きいサイズを選ぶ
- ①添え状、②履歴書、③職務経歴書の順にクリアファイルに入れて送る
郵送の際は、「応募書類を送るのでよろしくお願いします。」という意味を込めた添え状をつけるのがマナーです。
応募先に合わせた自己PRを入れることで、中身をしっかり読もうと、採用担当に関心を持たせる効果も期待できます。
添え状の記入例
添え状の記入例や注意点をまとめたのが以下です。

必要な方は、「添え状のテンプレート(医療事務)」をダウンロードしてご活用ください。
封筒はA4がそのまま入る大きいサイズを選ぶ
郵送の際は、折り目のない綺麗な状態で送るために、A4サイズが折らずに入れられる、角形2号サイズの大きい封筒に入れましょう。
封筒の作成例は以下の通りです。

担当者名がわからない場合は、”様”ではなく部署名に”御中”をつけましょう。(例:医療法人〇〇会〇〇病院 人事部 御中)
送付時は、書類を①添え状、②履歴書、③職務経歴書の順に新品のクリアファイルに入れて送りましょう。
万が一料金不足があると応募先に迷惑をかけるので、念の為郵便局の窓口で提出するのがおすすめです。
4-3. 面接当日に持参する場合
面接当日に職務経歴書を持参する場合は、以下の点を意識しましょう。
- 無地で、A4がそのまま入る大きい封筒を用意
- 宛先は書かず、裏面に「自分の住所氏名」、表面に赤で「応募書在中」と記入
- 添え状は不要で、①履歴書、②職務経歴書の順にクリアファイルに入れる
- 封は閉じずに、現地で中身を出して、封筒と一緒に面接官に手渡す
持参する場合も、むき出しの書類を渡すのではなく、必ず封筒を用意してそれに入れましょう。
書類だけを渡すと雑な印象を与えますし、現地に行くまでに折れたりすることを避けるために必須です。
封筒の記入例
以下のように、宛先以外のみ記入します。

渡す際は、面接官の場合は、中身を取り出し、相手が読める向きに直して、封筒と一緒に手渡します。
受付で渡す際は、封に入れたままの状態で、担当者に渡しましょう。
5. 最高の状態で応募するには、プロの添削は必須
職務経歴書のレベルを、もう一歩上げるためにも、転職エージェントを使ってプロの添削は必ず受けておきましょう。
転職エージェントとは、担当がついて転職サポートが受けられる完全無料のサービスです。

具体的に言うと下記の6つをしてくれ、あなたは面接以外で応募先と直接やりとりする必要がなくなります。
- キャリアの相談
- 求人の紹介
- 応募書類の添削
- 面接対策
- 面接や入社の日程調整
- 年収交渉
応募の際は、職務経歴書の通過率を上げるための添削・アドバイスをしてくれます。
提出前に、転職エージェントを頼るべき理由
具体的に、職務経歴書の作成にあたって、転職エージェントを頼る理由をまとめると以下の通りです。
- 病院ごとに、どんな書類が通りやすい・落ちやすいというデータを持っている
- 病院が求める人材の最新情報を持っている
- プロの目線で、自分では気づけないアピールポイントを見つけてくれる
理由1. 職場ごとに、どんな書類が通りやすい・落ちやすいというデータを持っている
大手の転職エージェントだと、同じ病院にこれまで100人以上を紹介しているケースもよくあります。
そのため、病院ごとにどんな書類が通り・逆にどんな書類が落とされるというデータを豊富に持っています。
その傾向を踏まえて、書き方のアドバイスがもらえるので、通過率は格段に上がります。
理由2. 病院が求める人材の最新情報を持っている
転職エージェントは、紹介の質を上げるため、普段から病院に「どんな人材が欲しいか」の聞き取りを行なっています。
そのため、求人票には載りきらない、以下のようなタイムリーな情報も持っていることも多いです。
- 秘密裏に進めるプロジェクトがあり、それに向けてこんな人が欲しい
- 最近経営陣が変わり、求められる人のタイプも変わった
職務経歴書は、求める人材とマッチすることをアピールする書類で、どこを目指して書くべきかの最新情報が知れるのは大きな強みです。
理由3. プロの目線で、自分では気づけないアピールポイントを教えてくれる
職務経歴書を書くにあたって、どうしてもアピールできる内容が浮かばない、自信がない人もいるでしょう。
転職エージェントは選考のプロで、こうした方でも、職歴や経験の中から、自分では気づけないアピールポイントをたくさん見つけてくれます。
例えば、私が過去に転職エージェントとしてサポートした事例として、以下があります。
| 20代女性 アパレルでのアルバイト経験のみ → 医療事務を志望 |
|
| 本人の悩み | 販売職しか経験がなく、「医療事務で活かせるスキルがない」と思い込み、応募を迷っていた。 |
| 職務経歴書でアドバイスしたこと | ・接客業で身につけた「丁寧な言葉づかい」「お客様への気配り」「臨機応変な対応力」を、患者対応に活かせる強みとして整理。 ・志望動機では「相手の立場に寄り添う接客経験を、患者様への安心感につなげたい」と具体的に記載。 |
| 結果 | 医療現場でも即戦力として期待できる人材と評価され、未経験から調剤薬局の医療事務として内定を獲得。 |
これは、ご本人が「普通だと思っていた業務」でも、見せ方次第で強みに変わるという成功事例です。
こうしたアドバイスが受けられるので、自信のない人ほど転職エージェントは頼るべきです。
使うだけで有利になることも!
大手のエージェントだと、病院からの信頼も厚く、使うだけで書類選考に通りやすくなることもあります。
どこ誰かわからない直接応募に比べると、エージェント経由が安心と考える人事も多いからです。
「この人の紹介なら安心」と人事に強く信頼されている担当もいて、使うだけで「まずは会ってみよう」となる確率が格段に上がります。
医療事務の職務経歴書の添削に強い!転職エージェント3選
しかし、転職エージェント全てが職務経歴書の添削に強いわけではなく、ノウハウが全くない素人集団のような業者もあるので注意しましょう。
添削を頼むなら、なるべく実績のある大手がおすすめで、求人が豊富で、病院ごとの選考データもたくさんあり、頼りになります。
以下の3社は医療事務専門の中でも特に人気の大手で、求人や実績の面で圧倒的に優れています。
おすすめの3社について、それぞれ解説していきます。
1位. 看護プロ 医療事務:関東・東海エリアの方は利用必須

「看護プロ 医療事務」は、運営元が関東・東海で医療機関への転職サポートを15年以上行っていて、このエリアの病院とは特に強いパイプを持ちます。
多数の紹介実績から、病院・施設ごとに、採用で求められる強みを熟知していて、精度の高い添削が受けられます。
また、過去のサポート歴から、職場ごとのいい点だけでなく、悪い点も知り尽くしていて、求人のデメリットも事前にしっかり共有してくれます。
そのため、転職後にギャップを感じることなく、使った人のほとんどの人が満足度の高い転職を実現しています。
| 求人数(医療事務) | 約3,000件 |
| 対応エリア | 東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬、山梨、愛知、 |
| 運営会社 | 株式会社ローザス |
| 運営元の設立 | 2009年 |
看護プロ 医療事務公式
2位. 病院事務求人.com:管理職クラスの求人も充実

「病院事務求人.com公式」は、主に関東・関西の転職サポートに強い医療事務専門のエージェントです。
医師向けのメジャーな転職サービスを運営していて、都市部周辺の病院とは強いパイプを持ちます。
管理職クラスや、ベテラン向けの求人が充実しているので、経験が長い方には特におすすめです。
| 求人数(医療事務) | 約9,000件 |
| 対応エリア | 全国 |
| 運営会社 | エムスリーキャリア株式会社 |
| 運営元の設立 | 2009年 |
病院事務求人.com公式
3位. 医療事務職転職ドットコム:上場企業が運営

「医療事務職転職ドットコム」は、東証プライム上場の大手メディウェルの運営する転職エージェントです。
運営元は、医師向けでは最大手の転職サービスを運営していて、病院ごとの内部事情には特に詳しいです。
大手だけあって、担当者のレベルが高く、利用者からの評判も特にいいので、使っておいて損はありません。
| 求人数(医療事務) | 約1,100件 |
| 対応エリア | 全国 |
| 運営会社 | 株式会社メディウェル |
| 運営元の設立 | 1996年 |
医療事務職転職ドットコム
まとめ
医療事務の職務経歴書について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
職務経歴書は、以下の3ステップを意識して作るのが重要です。
- 応募先が、どんな人材を求めているかを知る
- 求める人材にあった自分の経験・強みを洗い出す
- マッチした経験・強みを強調してつくる
最高の状態で応募するためにも、提出前には、プロに無料で添削が頼める以下の医療事務専門エージェントの利用がおすすめです。
当ページの内容が、あなたの転職成功のお役に立てることを心から祈っております。








