NHK(日本放送協会)中途採用の完全ガイド|応募前に知るべき注意点全てがわかる
「NHKは中途採用してる?」「中途でNHKに入社するにはどうすればいい?」など、日本放送協会(以下、NHK)の中途採用が気になっていませんか?
NHKは中途採用を行っていますが、人気企業で転職難易度もかなり高く、十分な対策が必要です。
また、社内からは悪い口コミもあるので、悪い面も理解して転職しないと入社後後悔することになります。
このページでは転職エージェントとして数多くの人の転職をサポートしてきた筆者が、NHKへ中途入社を目指す上で知っておくべき全てのことを以下の流れで解説します。
- NHKの中途採用情報|待遇・求人や申し込み方
- 中途入社先としてNHKはどうなのか
- NHKの社員からの口コミ・内部事情
- NHKはそもそもどんな会社か
- NHKの中途採用に応募する際に絶対知っておくべきこと
- NHKへの中途採用で使うべき転職エージェント
- NHKへの中途採用で転職エージェントを最大限活用するためにすべき9つのこと
最後まで読めば、NHKの中途採用の情報から、中途採用されやすくなるためのコツまでわかり、NHKへの転職で失敗しなくなるでしょう。
著者:I.J(現役転職エージェント)
1. NHKの中途採用情報|待遇・求人や申し込み方
NHKは、放送法によって設立された公共放送を行う大手テレビ局で、年間通して中途採用も行っています。
ここではNHKの中途採用について、どんな求人があるか、またどんな人物が求められているかを紹介します。
1-1. 中途採用職種
NHKの中途採用の職種は大きく分けると下記の3種類です。
全国職員(総合職) | 全国各地でキャリアを重ね、軸となる業務の専門性を深めながら、各方面での業務にあたります。 |
地域職員 | 地域に根ざし、軸となる業務の専門性を深めつつ、ジョブローテーションにより様々な業務を担当します。 |
デジタル職員 | NHKのデジタル領域における主力サービス・プロダクト・コンテンツの成長、改善をけん引し、変革を実現する業務に従事します。 |
上記のように複数の職種がありますが、中途採用では全ての職種にて幅広く募集を行っています。
具体的に出ていた求人を以下で紹介します。
1-2. 求人情報
過去に「JACリクルートメント」「LHH転職エージェント」「doda」といった大手転職エージェントや「採用ページ」で募集されていた求人情報をご紹介します。
全国職員(総合職)
求人概要 | 予定年収 | 勤務地 |
記者・営業の企画推進 | 会社規定に準ずる | 東京・全国各地の放送局・営業センター(海外含む) |
放送事業のマネジメント(放送管理) | ||
技術職 | ||
映像ジャーナリスト/映像取材・映像制作(編集) | ||
記者 | ||
ディレクター(情報・報道/教育・教養/ドラマ・芸能) | ||
グループ会社の経営管理・推進 |
NHKは記者や営業推進などのポジションで幅広く募集を行っています。
ただ、いずれの職種もNHKならではの高水準(平均年収710万円)の年収が期待できます。
地域職員
求人概要 | 予定年収 | 勤務地 |
地域職員(ディレクター(報道・情報番組等)、記者、映像取材・映像編集、アナウンサー、メディア・マネジメント) | 会社規定に準ずる | 全国43道府県(東京、神奈川、千葉、埼玉を除く) ※主たる道府県を選びそのブロック内の異動あり |
NHKは”地域を限定して”記者や営業推進などのポジションで幅広く募集を行っています。
ただ、いずれの職種もNHKならではの高水準(平均年収710万円)の年収が期待できます。
デジタル職員
求人概要 | 予定年収 | 勤務地 |
デジタル職員(エンジニアリング・PM・UI/UXデザイン) | 会社規定に準ずる | 東京・渋谷での勤務を基本 |
デジタル職員では、エンジニアリングやPM・UI /UXデザインの職種でも募集を行っています。
ただ、いずれの職種もNHKならではの高水準(平均年収710万円)の年収が期待できます。
1-3. 採用メッセージ、求められる人物像
NHKは公共放送ということもあり、公平な立場から報道を通して国民の安全・安心を支えるという責務を持っており、以下の5つの公共的価値があるとしています。
- 視聴者・国民の知る権利を充足し健全な民主主義の発展(発達)に貢献
- 視聴者一人ひとりの生活の安全、豊かさ、教育、福祉、文化創造に貢献
- 日本の地域社会やメディア業界の維持・発展に貢献
- 日本と国際社会の相互理解に貢献
- 視聴者にとっての価値の最大化を図り、より信頼され必要とされる存在となる
また、NHKは採用において以下4つの姿勢を重視するとしています。
- 公共性
- 次世代メディアへの進化
- 専門性
- 主体的なアクション
上記を踏まえると、以下のような特徴を持つ方を求めていると言えます。
- 公共性のある発信のため専門的な知識の取得に積極的な方
- 放送媒体の変化に柔軟に対応できる方
- リーダーシップをもち仕事を進められる方
逆に言うと、上記のスキル・性格、実績がない場合、転職は難しく、たとえ入社できてもミスマッチがおき、後悔する可能性がありますから注意しましょう。
1-4. NHKへはどうやって応募すべきか
NHKに応募するには、以下の3つの方法がありますが、必ず転職エージェントを使い応募しましょう。
転職エージェントを使うべきなのは、以下の点でNHKの転職に有利になるからです。
- インターネット上に出ていない、NHKの非公開求人に応募できる
- NHKの傾向を踏まえた選考対策(面接対策、書類添削)をしてくれる
- NHK側にあなたの魅力を伝え、プッシュしてくれる
- 内定時に給与交渉をしてくれる
ページの後半で、転職エージェントについて詳しく解説をしますが、NHKに転職したい方が使うべきエージェントは下記の3社です。
これらに登録し、「NHKに転職したい」と伝え、サポートを受けましょう。
上記エージェントは先ほどNHKと比較した他社への転職にも強いので、他社に応募する際にも使えます。
2. 中途入社先としてNHKはどうなのか
中途採用を目指すべき?という方に向け、下記の観点でNHKを評価していきます。
社員からの評判 | ・「待遇」に関する評価は人気企業の中でも平均的 ・「ワークライフバランス」「職場の雰囲気」「やりがい」関する評価は人気企業の中でも平均からやや下位 ・キャリア・成長に関する評価は人気企業の中でも下位 |
年収 | ・業界平均より高いが、一緒に検討される「フジテレビ」「テレビ朝日」といった大手民放キー局には劣る |
中途入社難易度 | ・かなり高い(高度なスキルや経験があっても難しい)ので入念な準備が必要 |
それぞれの観点について解説します。
2-1. NHKの社員からの評判
口コミサイトをもとに社員からのNHKの評判をまとめると、下記の通りです。
評価 | 人気企業内順位 | |
待遇 | 3.3 | 145位/300社 |
ワークライフバランス | 3.3 | 168位/300社 |
キャリア・成長 | 2.8 |
228位/300社 |
やりがい | 3.5 | 164位/300社 |
職場の雰囲気 | 3.0 | 199位/300社 |
社員からの口コミ、他の人気企業との比較を簡単にまとめると、以下の通りです。
- ◎コンテンツづくりを通して、社会にインパクトを与えることができる
- ○激務ではあるが、年収は高いため、待遇に不満を持つ方は少ない
- ○裁量権はあるが、成長は個人に任せられている傾向がある
- △記者を中心にハードワークな傾向
社員からの口コミについては「3.NHKの社員からの口コミ・内部事情」でより深掘りしますから、気になる方は読み進めましょう。
NHKとあわせて検討される企業との比較
NHKとあわせて検討されてるのが、以下の企業です。
- 日本テレビ.:読売新聞グループの大手テレビ放送事業者で、個人視聴率民放1位タイ
- フジテレビ.:大手テレビ放送事業者でネット配信やVRを使ったデジタルプロデュース事業を展開している
- TBS.:毎日新聞グループの大手テレビ放送事業者で、個人視聴率は民放3位
- テレビ朝日.:関東広域圏を中心にテレビ放送を行う大手テレビ放送事業者で、個人視聴率民放1位タイ
- テレビ東京.:関東広域圏を中心にテレビ放送を行う、独自性を売りにしたテレビ放送事業者
それぞれの会社の社内からの評価を比較すると以下の通りで、最高得点を赤字にしています。
待遇 | ワークライフバランス | キャリア・成長 | やりがい | 職場の雰囲気 | |
NHK | 3.3 | 3.3 | 2.8 | 3.5 | 3.0 |
日本テレビ. | 4.0 | 3.4 | 3.6 | 3.9 | 4.1 |
フジテレビ. | 3.7 | 3.0 | 3.2 | 3.5 | 3.0 |
TBS. | 3.7 | 2.9 | 3.0 | 3.3 | 3.1 |
テレビ朝日. | 4.1 | 2.9 | 2.5 | 3.2 | 2.8 |
テレビ東京. | 3.0 | 3.3 | 3.0 | 3.5 | 3.2 |
一緒に検討される企業と比較すると、放送業界の中ではNHKは、ワークライフバランスの良さを重視する人向けの企業と言えます。
私が転職エージェントとして聞いた実際の社員の声
私が転職エージェントとして働く中でも、元社員の方から、以下のような点で恵まれているという声をよく聞きます。
- 社会に役立つようなコンテンツづくりに取り組める
- 記者などは特に激務だが、給与面は今のところ満足できる
ただ、2~3年おきに転勤が発生するので、ライフプランが立てづらいと不満の声も多いです。
過去にサポートした中でも、「転勤が非常に多い点が不満で、家庭に影響が出にくい環境をつくりたい」との理由で転職を希望される方もいたため、この点には注意しましょう。
2-2.NHKの平均年収
NHKの正社員の平均年収は、710万円です。
しかし、同じ大手放送事業者と比べると以下の通りで、年収や待遇の満足度が低い点には注意しましょう。
平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 待遇の口コミ評価 | |
NHK | 710万円 | 42.0歳 | 18.1年 | 3.3 |
日本テレビ. | 1,296万円 | 48.1歳 | 16.1年 | 4.0 |
フジテレビ. | 1,621万円 | 50.3歳 | 19.2年 | 3.7 |
TBS. | 1,312万円 | 47.0歳 | 14.7年 | 3.7 |
テレビ朝日. | 1,400万円 | 44.8歳 | 19.6年 | 4.1 |
テレビ東京. | 1,445万円 | 47.1歳 | 19.73年 | 3.0 |
※各社最新のIR情報・就職情報サイト・口コミサイトを参考に作成
とにかく高い年収を求める方は、「フジテレビ」「テレビ朝日」といった同業他社も検討しましょう。
年齢別の給与水準
口コミサイトを元に集計すると、NHKの年齢別の給与の平均値は以下の水準です。
25歳 | 500万円~550万円 |
30歳 | 700万円~750万円 |
35歳 | 850万円~900万円 |
40歳 | 1,100万円~1,150万円 |
45歳 | 1,200万円~1,250万円 |
役職、残業時間によっても左右されますが、平均すると、上記の水準になります。
2-3. NHKの中途採用難易度
NHKへの転職難易度は「かなり高い(高度なスキルや経験があっても難しい)」です。
中途採用は積極的に行なっている傾向がありますが、高い知名度や、安定性などから、転職人気企業ランキング上位の常連で、高い倍率を勝ち抜かなければいけません。
そのため、以下を徹底しないと合格は難しいでしょう。
- 自分の経験、スキルに合ったポジションに応募する
- 求める人物像を理解し、活躍できる人材であることをアピールする
- 過去の傾向を分析し、面接・選考対策を徹底的に行う
3. NHKの社員からの口コミ・内部事情
改めて、NHK社員からの口コミ、他の人気企業との比較をすると以下の通りです。
評価 | 人気企業内順位 | |
待遇 | 3.3 | 145位/300社 |
ワークライフバランス | 3.3 | 168位/300社 |
キャリア・成長 | 2.8 |
228位/300社 |
やりがい | 3.5 | 164位/300社 |
職場の雰囲気 | 3.0 | 199位/300社 |
この章ではそれぞれの項目でどんな口コミがあったかを、内部事情を合わせて解説します。
端的にまとめると下記のメリット・デメリットがあるといえます。
- ◎コンテンツづくりを通して、社会にインパクトを与えることができる
- ○激務ではあるが、年収は高いため、待遇に不満を持つ方は少ない
- ○裁量権はあるが、成長は個人に任せられている傾向がある
- △記者を中心にハードワークな傾向
3-1. 待遇に関する口コミ
- 待遇に不満を持つ方は少ない
- 年収における手当や残業代・ボーナスの割合が多い
- 30代頭から半ばまでは年功序列で昇給するが、以降は昇格の有無で給与に差が出る
待遇に関する評価は人気企業300社の中では平均的です。
まず多い口コミは、年収は民放の大手には劣るものの、大きな不満はないというものです。
年収の構成としては、基本給が低めで、手当や残業代、そしてボーナスの割合が多くなります。
過去に過労死問題があったことから残業に対する規制が厳しくなってきており、その分以前に比べて給与が低くなっていると話す方もいます。
基本的には年功序列で昇給していき、役職がつくと大きく給与が上がります。
なお、大卒新卒入社から10年目以降に基幹職(管理職)への試験があり、基幹職になると年収1,000万円に到達します。
そして、転勤が多いこともあって家賃手当が支給されますが、地区によって差があり、都市部の方が金額は高いです。
このほか、受信料への風当たりが強いためこの待遇が今後も保たれるかは不安と話す方もいました。
参考:役職別の年収目安
NHKの役職ごとの年収目安は以下の通りです。
役職目安 | 年収目安 |
業務職Ⅰ(新卒入社~5年目) | 500万円~550万円 |
業務職Ⅱ(5年目以降) | 700万円~750万円 |
業務職Ⅲ(11年目以降) | 900万円~950万円 |
基幹職Ⅰ(副部長) | 1,000万円~1,050万円 |
基幹職Ⅱ(部長) | 1,200万円~1,250万円 |
基幹職Ⅲ(副局長) | 1,400万円~1,450万円 |
基幹職Ⅳ(地方局長) | 1,500万円~ |
基幹職Ⅴ(本部局長) | 1,700万円~ |
理事 | 2,206万円※ |
専務理事 | 2,360万円※ |
副会長 | 2,690万円※ |
会長 | 3,092万円※ |
※引用元:NHK・役職員の報酬・給与等の支給基準
3-2. ワークライフバランスに関する口コミ
- 事務系の職種を中心にワークライフバランスを整える動きがある
- 放送局(記者、ディレクター、アナウンサー)はハードワークで、特に記者はその傾向が強い
ワークライフバランスに関する口コミは人気企業300社の中でも平均からやや下位です。
まず、近年はワークライフバランスをよくしようとする動きがあり、事務系の職種を中心にリモートワークが認められるなど柔軟性が高くなってきています。
しかし、NHKは大手報道局ということもあり、仕事量は多いです。
報道では足を使って取材をしなければならいこともあり、ハードワークは仕方ないと割り切っている方も多いです。
中でも記者は、以下のように仕事はハードです。
- ”夜討ち朝駆け”と呼ばれる、夜間や早朝帯の聞き込み
- 災害時やスクープなどでの急な呼び出し
- 緊急時の対応のため、担当エリア外へのプライベートの外出を部署内で共有する必要がある など
以前、過労死事件があったことで残業を抑制する流れはありますが、記者をはじめ、現場に近いほどハードワークであることを念頭に置く必要があります。
会社全体の残業時間の平均は36時間となっており、部署や時期によって更なるハードワークが必要です。
3-3. 成長・キャリアアップに関する口コミ
- 配属後の成長は個人に委ねられる傾向がある
- 若手のうちから裁量権の多い仕事を任せてもらうことができる
- 特殊法人という立場ゆえに、コスト面などビジネス感覚は養われづらいと感じるという声も
成長・キャリアアップに関する評価は人気企業300社の中でも下位です。
まず、配属後の成長は個人に委ねられる部分が多く、配属先の先輩との関係性や個人の努力によって、大きく差が開く傾向があります。
放送部では特に若手のうちから裁量を持った仕事ができるとの声は多いです。
ディレクターの場合、実力がついてくれば企画書の作成からロケや編集、演出など、様々な仕事を経験できます。
記者の場合は、事象の捉え方や取材方法、人間関係構築能力が磨かれたと話す方もいました。
そして、特殊法人という組織の立場上、民放ほどスポンサーやコストなどを意識せず制作に取り組めるという意見もあります。
ただ、ビジネス感覚は養われにくいと感じる方は多く、転職市場での評価に不安があると話す方もいました。
また、番組作成で使うソフトは独自のソフトを使うため、同じ職種で民放をはじめとした他社へ転職する場合は苦労するかもしれないと語る方もいます。
上記を踏まえると、各個人の取り組み次第で成長幅が大きく変わりやすい環境で、成長の方向性がやや内向きと言えます。
3-4. やりがいに関する口コミ
- 放送局(ディレクター・アナウンサー・記者)を中心に、報道の現場に近いほどやりがいを持って働いている人が多い
- 報道という社会に影響を持つ仕事ができる
- 普段の生活の中ではなかなか会えない人と会えたりする機会がある
- 世間の受信料への風当たりの強さから、予算削減など将来に不安を持つ方もいる
大手のテレビ局ということもあり、NHKにはやりがいを持って働いている方が多いです。
特に、放送局と呼ばれる報道に近い部署で働いている方(ディレクター、記者、アナウンサーなど)はその傾向が強いです。
口コミとして多いのは、番組制作を通して自身が携わった仕事が世に出ることがやりがいというものです。
制作過程では、普段では会えない専門家などと会える機会もあり、社会へのインパクトがある点にも満足している方が多いです。
予算が大きく制作に集中できる一方、受信料への風当たりの強さから、今後も同じような体制で制作に携わることができるかが不安という声も多数ありました。
そして、新卒社員が優遇されるプロパー主義の傾向を感じるという、中途の方からの意見もありました。
加えて、常日頃から長時間残業が続いていて、全国転勤なので、健康やプライベートを犠牲にしている実感があると話す方もいます。
3-5. 職場の雰囲気・人間関係に関する口コミ
- 民放などの他の放送局に比べて堅い風土
- 仕事はトップダウンで進む傾向がある
- 会長の任期が決まっているので、任期が変わるごとに方針が変わるので混乱するとの声も
- 放送局(ディレクター・アナウンサー・記者)の社内での声は大きい
職場の雰囲気・人間関係に関する口コミは人気企業300社の中でも平均からやや下位です。
まず多い口コミは、公共放送を提供している組織ということもあり、非常に堅い組織であるというものです。
失敗が許されない風土があるので、意思決定も保守的かつ時間がかかります。
仕事は、会長の始めとした上層部の強烈なトップダウンで仕事を進める傾向があります。
ただ、放送法での役員の任期が決まっていることから、会長が変わるたびに方針が変わるので長期的な方向性が定まらないと不満を持つ方もいます。
そして、社内では事務系の職種に比べて、放送局の社員の声が強い傾向があります。
参考:NHKから転職で出ていく人の事情
NHKは、安定した雇用体系、高い報酬から定年まで働く人がほとんどです。
しかし、受信料問題が取り上げられる度に組織の将来性に不安を持つようになった、転勤が多くライフプランが立てづらいと感じるようになった理由で転職を検討されています。
4. NHKはそもそもどんな会社か
引用:Google Maps
NHKは放送法によって設立された特殊法人です。
業務内容は公共放送で、視聴者からの受信料によって運営されています。
会社ホームページ:https://www.nhk.or.jp/
4-1. 会社概要
社名 | 日本放送協会 (にっぽんほうそうきょうかい NIPPON HOSO KYOKAI) |
設立 | 昭和25(1950)年6月1日 ※放送法に基づく日本放送協会の設立日 |
代表者 | 稲葉 延雄 |
従業員数 | 1万268人(2023年度) |
本店所在地 | 東京都渋谷区神南2-2-1 |
事業内容 | ・国内放送 (総合テレビ Eテレ BS1 BSプレミアム BS4K・8K ラジオ第1・第2 FM) ・放送と受信の進歩発達に必要な調査研究 ・国際放送 ・その他、放送法に定められた業務 |
4-2. 事業内容
NHKの事業内容は以下のとおりです。
国内放送 | 総合テレビ Eテレ BS1 BSプレミアム BS4K・8K ラジオ第1・第2 FM |
放送と受信の進歩発達に必要な調査研究 |
放送と受信の進歩発達に必要な調査研究 |
国際放送 | NHKワールドジャパンなど |
その他 | 放送法に定められた業務 |
NHKは主となる、国内放送(総合テレビなど)のほか、リサーチ・NHKワールドジャパンなど事業内容は多岐に渡ります。
また、インターネットの普及に伴って、NHKオンデマンドなどのオンラインサービスの拡大にも注力しています。
4-3. トップメッセージ
画像引用元:NHK
2024年に1月に、新たな経営計画を発表し、究極の使命として「健全な民主主義の発達に資すること」を掲げました。
現在、世界情勢の悪化などが進むだけでなく、フェイクニュースの拡散といった課題が山積みのなか、NHKには情報空間の健全性を確保し、平和で豊かに暮らせる社会の実現に寄与することが求められています。
こうした中、経営の基軸として2つの役割、つまり「情報空間の参照点」を提供すること、「信頼できる多元性確保」に貢献することを掲げました。
皆様のよりどころとなる、正確で信頼できる社会の基本的な情報を提供し、民放や新聞など多様なメディアと切磋琢磨し、民主主義の基盤である多角的な視点を確保できるよう貢献してまいります。
2025年には、NHKの前身となる社団法人東京放送局のラジオ放送開始から100周年を迎えます。
次の100年もNHKが公平・公正で確かな情報や豊かで良い番組・コンテンツを提供し、健全で平和な社会の実現に向けて貢献していく所存です。
4-4. 今後の事業展開
NHKは、2024年に発表した「NHK経営計画2024-2026」にて、コンテンツ戦略として以下の6つ柱を設定しています。
- デジタルと放送が連携して災害時になくてはならない命綱に
- “フェイク”の時代だからこそ顔の見える信頼のジャーナリズム
- 民主主義の一翼を担い平和で持続可能な世界の構築に貢献
- 世界で輝く良質な教育・幼児子どもコンテンツ
- 未来を見つめ 人生を豊かにする教養・エンターテインメント
- 幅広いジャンルと地域情報で多様性・多元性の実現
また、2つの基軸をもとに公共放送の役割を担う予定です。
- 「情報空間の参照点」を提供する・・・信頼できる基本的な情報を提供すること
- 「信頼できる多次元性」・・・民主主義の基盤である多角的な視点
このほか、メディアの整理・削減やDX化の推進により、事業支出の改革を行う予定です。
上記を踏まえると、国民のために有益な公共放送を行うという視点を持ちつつ、時代に即した改革を受け入れる柔軟性を持つ方向けの企業と言えるでしょう。
5. NHKの中途採用に応募する際に絶対知っておくべきこと
NHKへ転職する際に重要なことは、自分で申し込まず、「転職エージェント」を使い応募することです。
転職エージェントとは、登録をすると完全無料で転職相談に乗ってくれて、企業の求人紹介から面接のセッティング、給与交渉など転職に必要なサポートをしてくれるサービスのことを指します。
使うべきなのは、下記の4つの理由でNHKへの転職に有利になるからです。
- NHKの非公開求人に応募できる
- NHKの傾向を踏まえた選考対策をしてくれる
- NHK側にあなたの魅力を伝え、プッシュしてくれる
- 内定時に給与交渉をしてくれる
4つの理由を1つずつ解説します。
5-1. NHKの非公開求人に応募できる
転職エージェントは、企業の採用ページや求人情報サイトに乗っていない非公開の求人を複数持っていて、NHKの非公開求人を持っている可能性もあります。
非公開の求人になるのは、一般的に下記のような求人で、総じて「働く上で好条件の求人」が多いです。
- 人気なポジションでインターネットに出すと応募が殺到してしまう
- 重要なポジションで、外部には求人を出していることを知られたくない
- 今、その会社で働いている人が嫉妬するような条件の求人
また、求人を持っていなくても、あなたの希望とスキルが合えば、転職エージェントが企業に営業してくれるケースもあります。
NHKに行きたい場合は、転職エージェントに相談することで、求人の選択肢を大きく増やせますから、自分で探さず、必ず転職エージェントに相談しましょう。
5-2. NHKの傾向を踏まえた選考対策をしてくれる
大手転職エージェントだと、NHKや同業他社に複数の転職希望者を転職させているため、選考を突破するノウハウが溜まっていて、それを元にサポートをしてくれます。
過去の面接の傾向を踏まえ、模擬面接をしてくれたり、書類や面接で何をアピールすべきかを一緒に考えてくれます。
さらに面接前には、面接官の肩書きや、特に重視される点を教えてくれることもあるので、転職エージェントを使っていない人よりも面接を有利に進められます。
5-3.NHK側にあなたの魅力を伝え、プッシュしてくれる
転職エージェントは、人事担当者ともやりとりをしていて、面接や書類では伝わらないあなたの魅力をアピールしてくれます。
企業としては、よくわからない人物よりも、転職エージェントのお墨付きのある人の方が安心して採用できるので、転職エージェント経由だとそれだけで選考に有利になることも多いです。
腕のいいエージェントが担当の場合、面接に失敗しても、エージェントがプッシュしてくれ、結果が覆るということもよくあります。
5-4. 内定時に給与交渉をしてくれる
内定した後も、企業とのやりとりは転職エージェントが間に入ってくれます。
給与交渉などの言いにくいことも転職エージェント経由で相談でき、交渉もしてもらえるので、エージェント経由の方がより良い条件で転職しやすいです。
以上の4つの理由で、NHKやその他企業に転職する際は、必ず転職エージェントを使うようにしましょう。
6. NHKへの中途採用で使うべき転職エージェント
NHKの転職を目指す際に使うべきエージェントは下記の3つです。
この3つに登録し、NHKやその他希望する企業に転職したいと相談しましょう。
これらを選んだ理由は下記3つです。
- 大手で求人数も多く、NHKの求人も持っている可能性が高い
- NHKへの転職を有利にするためのノウハウを持っている
- 提案力・交渉力が高く、転職の強い味方になってくれる
一つずつ解説していきます。
6-1. JACリクルートメント
「JACリクルートメント」は、ハイクラス専門の転職エージェントです。
ハイキャリアの転職で真っ先に名前が上がる老舗で、企業側も「管理職」「高待遇の専門職」などハイクラスな求人はJACにだけ相談していることも多いです。
NHKの中でも、年収800万円以上のポジションを狙う方は、必ず使っておきましょう。
ただし、ハイクラスな人材でないと判断されると十分なサポートを受けられませんので注意しましょう。
JACリクルートメント公式ページ:https://www.jac-recruitment.jp/
6-2. LHH転職エージェント
「LHH転職エージェント」は、世界的に有名な大手人材会社アデコの運営する、ハイクラス向けの転職エージェントです。
サポートを受けた利用者は、平均で年収を約100万円上げていて、年収アップの転職に強みを持ちます。
これまでの経験を活かしつつ、今よりポジション、年収を上げる転職がしたい方には特におすすめです。
LHH転職エージェント公式ページ:https://jp.lhh.com
6-3. doda
「doda」はパーソルキャリアが運営する、業界トップクラスの実績と豊富な求人を持つ転職エージェントです。
求人数・提案力・交渉力・サポート全てが高水準で、非常にバランスがよく、当たり外れが少ないエージェントとも言えます。
過去のサポート実績から社内にデータやノウハウが蓄積されているだけでなく、企業とのパイプも強いので、人気企業を目指すなら一度は相談しておきましょう。
doda公式ページ:https://doda.jp/
7. NHKへの中途採用で転職エージェントを最大限活用するためにすべき9つのこと
ここでは、おすすめした転職エージェントを、最大限活用するためにすべき以下9つのポイントを紹介していきます。
- 最初の申し込みを丁寧に行う
- 希望の転職時期は「1日でも早く」と答えておく
- 経歴・スキルに嘘はつかない
- 複数のエージェントを使っていることは隠さない
- 少なくとも2週に一度はコンタクトをとる
- 担当者が使えないと判断したら付き合わない
- 「推薦状を見せて欲しい」と伝える
- 「転職したら3年は頑張りたい」と言っておく
- 最低限のマナーは守る
7-1. 最初の申し込みを丁寧に行う
優秀な担当者をつけてもらうために、登録時の情報入力は省略せず、できる限り丁寧に行いましょう。
入力が適当だと、「この人は転職するかわからないから、実力ある担当をつけるのはもったいないな。新人に任せてみよう。」となり、優秀な担当がつかないリスクがあるからです。
下記を意識し、転職への熱意を伝え、優秀な担当をつけてもらいましょう。
- 入力が任意の箇所でもできる限り全て埋める
- 転職予定時期を選ぶ箇所があれば、「すぐにでも」やそれに近い回答を選ぶ
- 経歴を書く場面があれば、強みになりそうな経歴は省略せずに書く
7-2. 希望の転職時期は「1日でも早く」と答えておく
最初の面談でも、エージェントに希望の転職時期を聞かれますが、「1日でも早く転職したい」と答えておきましょう。
エージェントは内定が決まって初めて企業から手数料がもらえ、それが個人のノルマになったり、ボーナスを決める要因になります。
以下のような方はどんなに優秀でも、自然と対応の優先度が下がります。
- 転職予定がかなり先
- そもそも転職への意欲が低い
すぐにでも転職したい意思を伝えることで、「早く売り上げにつながる人」と判断され、優先的に対応してもらうことができます。
7-3. 経歴・スキルに嘘はつかない
求人を紹介するにあたって最初に経歴やスキルを聞かれますが、なるべく嘘のない回答を心がけましょう。
転職エージェントにとっては、転職する本人だけでなく、手数料をくれる企業側との関係も大事です。
いざ働き始めてから「紹介された人材が話と違う」となると、エージェントは企業からの信頼に傷がつきます。
やり取りの中で嘘がわかると、企業との関係が悪くなるのを恐れて求人紹介が減るため注意しましょう。
7-4. 複数のエージェントを使ってることは隠さない
転職エージェントを複数使う場合、他社も使っていることは、それぞれに隠さず伝えましょう。
言いにくいと感じるかもしれませんが、隠すのには以下のリスクがあります。
- あなたの希望求人のイメージに誤解が出る
- 結果として、的外れな求人紹介ばかりになる
すでに他社で応募した求人を紹介されたときに、隠していると「すでに応募済み」とは言えず、適当な理由で断るしかなくなります。
これを繰り返すと、本当はあなたに合った求人も、「前に似た求人を断られたな」と思われ紹介されなくなり、希望とズレたものばかり紹介されるようになります。
こうならないためにも、他社を使っていることは、話しておきましょう。そもそも複数社使うのはごく普通のことで、気にする必要はありません。
7-5. 少なくとも2週に一度はコンタクトをとる
登録後は、少なくとも2週に一度は、エージェントにコンタクトを取るようにしましょう。
長期間連絡しなかったり、応募をしない期間が続くと、「転職が決まって活動を終了した」と判断され、求人が紹介されなくなります。
以下のような簡単な質問でいいので、日頃からこまめにしておきましょう。
- こういった求人はないか
- こんな業界は自分でも通るか
自動的に、後回しにされるリスクも
転職エージェントは、企業から紹介の依頼を受けると、自社のシステムから転職活動中の候補者を絞ります。
その際以下のように情報の更新日(最後にコンタクトを取った日)が新しい人から順に候補者が表示され、エージェントはこれを見て求人紹介をしていきます。
更新日が古いとあなたの名前がエージェントの目にも触れず、機械的に後回しになるリスクがあります。
この点も意識し、こまめに連絡は取るようにしましょう。
7-6. 担当者が使えないと判断したら付き合わない
どんなに大手の優良エージェントでも、仕事のできない担当者は存在します。そういった担当に当たってしまったら利用をやめましょう。
具体的には下記に2つ以上当てはまったら、危険なので、担当を変えてもらうか、そのエージェントの利用を止めましょう。
付き合うべきではない担当者の特徴 |
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2つ以上当てはまった場合、下記の方法で担当を変えるか、そのエージェント自体の利用を止めましょう。
担当を変えたい場合
担当者を変えたい場合は、問い合わせフォームに以下の文章を送りましょう。
件名:担当変更のご相談
いつもお世話になっております。(あなたの名前)です。
私は現在、(担当者名)様に転職サポートをして頂いており、熱心なアドバイスや求人紹介には大変感謝しております。
しかし、(担当者名)様の考える転職プランと、私の理想のキャリアプランにズレを感じており、ご本人にも何度か相談しましたが、改善も困難と考えております。
つきましては、もし可能でしたら、担当者を変更していただけないでしょうか。
お手数かけますが、何卒よろしくお願いいたします。
担当者に直接伝える方法もありますが、言いにくいと感じる方が多いです。
各社公式ページやマイページで問い合わせフォームを用意しているため、これを活用しましょう。
エージェント自体の利用をやめる場合
基本的に面談や面接の約束をしていないのであれば、連絡を無視すれば、問題ありません。
ただ、連絡がしつこく来る場合は、退会の手続きをしましょう。
エージェント自体の利用をやめる場合は、問い合わせフォームや担当者へのメールで、以下の文章を送りましょう。
件名:退会手続きのお願い
〇〇エージェント 〇〇様
いつもお世話になっております。(あなたの名前)です。
この度、転職活動を休止することとなり、それに伴い退会の手続きをお願いしたいです。
(担当者名)様には、親身に相談に乗っていただき、たくさんの求人をご紹介いただいたのですが、改めて自分のキャリアを考えた際に、もう少し今の職場で頑張ろうと思いました。
熱心にサポートして頂いたにも関わらず、申し訳ございません。
お忙しい中恐縮ですが、ご対応のほどよろしくお願い申し上げます。
退会にあたって、料金がかかるなどのペナルティは一切ありません。
7-7. 「推薦状を見せてほしい」と伝える
エージェントは応募の際に、企業にあなたの強みを客観的な視点で伝える推薦状をつけてくれます。
これについて、以下の理由で見せて欲しいと伝えてみましょう。
- 面接での自分の発言と違いが出ないか不安
- 改めて自分のアピールポイントを整理したい
見せてくれるかは担当によりますが、こうすることで、エージェントにとって「人事にしっかりアピールできるものを書かないと」というプレッシャーになります。
以下のように、定型文のような、手抜きの推薦文を出すエージェントもいますが、そういったことの防止になります。
(参考)ひどい推薦文の例
〇〇大学を卒業後、△△社にて営業職として5年勤務されていました。
コミュニケーション能力が高く、明るい方です。
ぜひ一度お会い頂きますよう、お願い申し上げます。
7-8. 「転職したら3年は辞めずに頑張りたい」と言っておく
エージェントに対して、「転職したら3年は辞めずに頑張りたい」と日頃から言っておきましょう。
先ほども紹介した通り、転職エージェントは、転職した人が早期退職すると、企業から受け取った手数料を返還する決まりがあります。
転職してもすぐ辞めそうな人は、結局売り上げにつながらない可能性が高く、エージェントにとってサポートするメリットが薄いです。
紹介される求人が減ることもあるため、こうした見られ方をしないためにも、長く続ける意思は示しておきましょう。
また、前職の不満のようなネガティブな話ばかりの人も、「文句ばかりで仕事が続かない人」という印象を持たれやすいです。
こうした話はしすぎないよう注意しましょう。
7-9. 最低限のマナーは守る
エージェントとのやり取りでは、面談の時間に遅れない、遅れる際は連絡を入れるのように、最低限のマナーは守りましょう。
こうした常識がないと、「マナーがない=企業にも悪印象を与える人材で内定の見込みが少ない」と判断され、対応の優先度を下げられます。
また、担当者も人間ですから、個人的な感情で、力の入れ具合が変わることも多いです。
応募する会社だけでなく、エージェントに対しても感謝の気持ちを持って、丁寧な対応を心がけましょう。
8. まとめ
NHKの中途採用について、採用情報から、注意点、転職のコツまで紹介してきましたがいかがでしたか?
NHKは、中途採用を行っており、転職先としても人気企業です。
やりがい面や待遇が充実した団体ですが、ワークライフバランス・職場の雰囲気・キャリア・成長面などで一部不満の声も出ていることに注意しましょう。
またNHKへの中途入社を目指す方も、転職難易度が高いことには注意が必要です。自分一人で動かずに、下記の転職エージェントに相談し、サポートを受けましょう。
あなたの転職がうまくいくことを心から祈っています。
(参考)NHKと競合他社の平均年収、年齢、勤続年数データの参照元
NHK | 平均給与:口コミサイトなどの情報をもとに算出 平均年齢・平均勤続年数:令和5年「業務報告書」 |
テレビ東京 | 第14期「有価証券報告書」 |
日本テレビ | 第91期「有価証券報告書」 |
フジテレビ | 第83期「有価証券報告書」 |
TBS | 第97期「有価証券報告書」 |
テレビ朝日 | 第84期「有価証券報告書」 |