NHK(日本放送協会)中途採用の完全ガイド|応募前に知るべき注意点全てがわかる
「NHKは中途採用してる?」「中途でNHKに入社するにはどうすればいい?」など、日本放送協会(以下、NHK)の中途採用が気になっていませんか?
NHKは中途採用を行っていますが、人気企業で転職難易度もかなり高く、十分な対策が必要です。
また、社内からは悪い口コミもあるので、悪い面も理解して転職しないと入社後後悔することになります。
このページでは転職エージェントとして数多くの人の転職をサポートしてきた筆者が、NHKへ中途入社を目指す上で知っておくべき全てのことを以下の流れで解説します。
- NHKの中途採用情報|待遇・求人や申し込み方
- 中途入社先としてNHKはどうなのか
- NHKの社員からの口コミ・内部事情
- NHKはそもそもどんな会社か
- NHKの中途採用の面接想定質問40選と、面接・書類選考のポイント集【年齢別】
- NHKの中途採用に応募する際に絶対知っておくべきこと
- NHKへの中途採用で使うべき転職エージェント
最後まで読めば、NHKの中途採用の情報から、中途採用されやすくなるためのコツまでわかり、NHKへの転職で失敗しなくなるでしょう。
著者:I.J(現役転職エージェント)
1. NHKの中途採用情報|待遇・求人や申し込み方
NHKは、放送法によって設立された公共放送を行う大手テレビ局で、年間通して中途採用も行っています。
ここではNHKの中途採用について、どんな求人があるか、またどんな人物が求められているかを紹介します。
1-1. 中途採用職種
NHKの中途採用の職種は大きく分けると下記の3種類です。
全国職員(総合職) | 全国各地でキャリアを重ね、軸となる業務の専門性を深めながら、各方面での業務にあたります。 |
地域職員 | 地域に根ざし、軸となる業務の専門性を深めつつ、ジョブローテーションにより様々な業務を担当します。 |
デジタル職員 | NHKのデジタル領域における主力サービス・プロダクト・コンテンツの成長、改善をけん引し、変革を実現する業務に従事します。 |
上記のように複数の職種がありますが、中途採用では全ての職種にて幅広く募集を行っています。
具体的に出ていた求人を以下で紹介します。
1-2. 求人情報
過去に「JACリクルートメント」「LHH転職エージェント」「doda」といった大手転職エージェントや「採用ページ」で募集されていた求人情報をご紹介します。
全国職員(総合職)
求人概要 | 予定年収 | 勤務地 |
記者・営業の企画推進 | 会社規定に準ずる | 東京・全国各地の放送局・営業センター(海外含む) |
放送事業のマネジメント(放送管理) | ||
技術職 | ||
映像ジャーナリスト/映像取材・映像制作(編集) | ||
記者 | ||
ディレクター(情報・報道/教育・教養/ドラマ・芸能) | ||
グループ会社の経営管理・推進 |
NHKは記者や営業推進などのポジションで幅広く募集を行っています。
ただ、いずれの職種もNHKならではの高水準(平均年収710万円)の年収が期待できます。
地域職員
求人概要 | 予定年収 | 勤務地 |
地域職員(ディレクター(報道・情報番組等)、記者、映像取材・映像編集、アナウンサー、メディア・マネジメント) | 会社規定に準ずる | 全国43道府県(東京、神奈川、千葉、埼玉を除く) ※主たる道府県を選びそのブロック内の異動あり |
NHKは”地域を限定して”記者や営業推進などのポジションで幅広く募集を行っています。
ただ、いずれの職種もNHKならではの高水準(平均年収710万円)の年収が期待できます。
デジタル職員
求人概要 | 予定年収 | 勤務地 |
デジタル職員(エンジニアリング・PM・UI/UXデザイン) | 会社規定に準ずる | 東京・渋谷での勤務を基本 |
デジタル職員では、エンジニアリングやPM・UI /UXデザインの職種でも募集を行っています。
ただ、いずれの職種もNHKならではの高水準(平均年収710万円)の年収が期待できます。
1-3. 採用メッセージ、求められる人物像
NHKは公共放送ということもあり、公平な立場から報道を通して国民の安全・安心を支えるという責務を持っており、以下の5つの公共的価値があるとしています。
- 視聴者・国民の知る権利を充足し健全な民主主義の発展(発達)に貢献
- 視聴者一人ひとりの生活の安全、豊かさ、教育、福祉、文化創造に貢献
- 日本の地域社会やメディア業界の維持・発展に貢献
- 日本と国際社会の相互理解に貢献
- 視聴者にとっての価値の最大化を図り、より信頼され必要とされる存在となる
また、NHKは採用において以下4つの姿勢を重視するとしています。
- 公共性
- 次世代メディアへの進化
- 専門性
- 主体的なアクション
上記を踏まえると、以下のような特徴を持つ方を求めていると言えます。
- 公共性のある発信のため専門的な知識の取得に積極的な方
- 放送媒体の変化に柔軟に対応できる方
- リーダーシップをもち仕事を進められる方
逆に言うと、上記のスキル・性格、実績がない場合、転職は難しく、たとえ入社できてもミスマッチがおき、後悔する可能性がありますから注意しましょう。
1-4. NHKへはどうやって応募すべきか
NHKに応募するには、以下の3つの方法がありますが、必ず転職エージェントを使い応募しましょう。
転職エージェントを使うべきなのは、以下の点でNHKの転職に有利になるからです。
- インターネット上に出ていない、NHKの非公開求人に応募できる
- NHKの傾向を踏まえた選考対策(面接対策、書類添削)をしてくれる
- NHK側にあなたの魅力を伝え、プッシュしてくれる
- 内定時に給与交渉をしてくれる
ページの後半で、転職エージェントについて詳しく解説をしますが、NHKに転職したい方が使うべきエージェントは下記の3社です。
これらに登録し、「NHKに転職したい」と伝え、サポートを受けましょう。
上記エージェントは先ほどNHKと比較した他社への転職にも強いので、他社に応募する際にも使えます。
2. 中途入社先としてNHKはどうなのか
中途採用を目指すべき?という方に向け、下記の観点でNHKを評価していきます。
社員からの評判 | ・「待遇」に関する評価は人気企業の中でも平均的 ・「ワークライフバランス」「職場の雰囲気」「やりがい」関する評価は人気企業の中でも平均からやや下位 ・キャリア・成長に関する評価は人気企業の中でも下位 |
年収 | ・業界平均より高いが、一緒に検討される「フジテレビ」「テレビ朝日」といった大手民放キー局には劣る |
中途入社難易度 | ・かなり高い(高度なスキルや経験があっても難しい)ので入念な準備が必要 |
それぞれの観点について解説します。
2-1. NHKの社員からの評判
口コミサイトをもとに社員からのNHKの評判をまとめると、下記の通りです。
評価 | 人気企業内順位 | |
待遇 | 3.3 | 145位/300社 |
ワークライフバランス | 3.3 | 168位/300社 |
キャリア・成長 | 2.8 |
228位/300社 |
やりがい | 3.5 | 164位/300社 |
職場の雰囲気 | 3.0 | 199位/300社 |
社員からの口コミ、他の人気企業との比較を簡単にまとめると、以下の通りです。
- ◎コンテンツづくりを通して、社会にインパクトを与えることができる
- ○激務ではあるが、年収は高いため、待遇に不満を持つ方は少ない
- ○裁量権はあるが、成長は個人に任せられている傾向がある
- △記者を中心にハードワークな傾向
社員からの口コミについては「3.NHKの社員からの口コミ・内部事情」でより深掘りしますから、気になる方は読み進めましょう。
NHKとあわせて検討される企業との比較
NHKとあわせて検討されてるのが、以下の企業です。
- 日本テレビ.:読売新聞グループの大手テレビ放送事業者で、個人視聴率民放1位タイ
- フジテレビ.:大手テレビ放送事業者でネット配信やVRを使ったデジタルプロデュース事業を展開している
- TBS.:毎日新聞グループの大手テレビ放送事業者で、個人視聴率は民放3位
- テレビ朝日.:関東広域圏を中心にテレビ放送を行う大手テレビ放送事業者で、個人視聴率民放1位タイ
- テレビ東京.:関東広域圏を中心にテレビ放送を行う、独自性を売りにしたテレビ放送事業者
それぞれの会社の社内からの評価を比較すると以下の通りで、最高得点を赤字にしています。
待遇 | ワークライフバランス | キャリア・成長 | やりがい | 職場の雰囲気 | |
NHK | 3.3 | 3.3 | 2.8 | 3.5 | 3.0 |
日本テレビ. | 4.0 | 3.4 | 3.6 | 3.9 | 4.1 |
フジテレビ. | 3.7 | 3.0 | 3.2 | 3.5 | 3.0 |
TBS. | 3.7 | 2.9 | 3.0 | 3.3 | 3.1 |
テレビ朝日. | 4.1 | 2.9 | 2.5 | 3.2 | 2.8 |
テレビ東京. | 3.0 | 3.3 | 3.0 | 3.5 | 3.2 |
一緒に検討される企業と比較すると、放送業界の中ではNHKは、ワークライフバランスの良さを重視する人向けの企業と言えます。
私が転職エージェントとして聞いた実際の社員の声
私が転職エージェントとして働く中でも、元社員の方から、以下のような点で恵まれているという声をよく聞きます。
- 社会に役立つようなコンテンツづくりに取り組める
- 記者などは特に激務だが、給与面は今のところ満足できる
ただ、2~3年おきに転勤が発生するので、ライフプランが立てづらいと不満の声も多いです。
過去にサポートした中でも、「転勤が非常に多い点が不満で、家庭に影響が出にくい環境をつくりたい」との理由で転職を希望される方もいたため、この点には注意しましょう。
2-2.NHKの平均年収
NHKの正社員の平均年収は、710万円です。
しかし、同じ大手放送事業者と比べると以下の通りで、年収や待遇の満足度が低い点には注意しましょう。
平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 待遇の口コミ評価 | |
NHK | 710万円 | 42.0歳 | 18.1年 | 3.3 |
日本テレビ. | 1,296万円 | 48.1歳 | 16.1年 | 4.0 |
フジテレビ. | 1,621万円 | 50.3歳 | 19.2年 | 3.7 |
TBS. | 1,312万円 | 47.0歳 | 14.7年 | 3.7 |
テレビ朝日. | 1,400万円 | 44.8歳 | 19.6年 | 4.1 |
テレビ東京. | 1,445万円 | 47.1歳 | 19.73年 | 3.0 |
※各社最新のIR情報・就職情報サイト・口コミサイトを参考に作成
とにかく高い年収を求める方は、「フジテレビ」「テレビ朝日」といった同業他社も検討しましょう。
年齢別の給与水準
口コミサイトを元に集計すると、NHKの年齢別の給与の平均値は以下の水準です。
25歳 | 500万円~550万円 |
30歳 | 700万円~750万円 |
35歳 | 850万円~900万円 |
40歳 | 1,100万円~1,150万円 |
45歳 | 1,200万円~1,250万円 |
役職、残業時間によっても左右されますが、平均すると、上記の水準になります。
2-3. NHKの中途採用難易度
NHKへの転職難易度は「かなり高い(高度なスキルや経験があっても難しい)」です。
中途採用は積極的に行なっている傾向がありますが、高い知名度や、安定性などから、転職人気企業ランキング上位の常連で、高い倍率を勝ち抜かなければいけません。
そのため、以下を徹底しないと合格は難しいでしょう。
- 自分の経験、スキルに合ったポジションに応募する
- 求める人物像を理解し、活躍できる人材であることをアピールする
- 過去の傾向を分析し、面接・選考対策を徹底的に行う
3. NHKの社員からの口コミ・内部事情
改めて、NHK社員からの口コミ、他の人気企業との比較をすると以下の通りです。
評価 | 人気企業内順位 | |
待遇 | 3.3 | 145位/300社 |
ワークライフバランス | 3.3 | 168位/300社 |
キャリア・成長 | 2.8 |
228位/300社 |
やりがい | 3.5 | 164位/300社 |
職場の雰囲気 | 3.0 | 199位/300社 |
この章ではそれぞれの項目でどんな口コミがあったかを、内部事情を合わせて解説します。
端的にまとめると下記のメリット・デメリットがあるといえます。
- ◎コンテンツづくりを通して、社会にインパクトを与えることができる
- ○激務ではあるが、年収は高いため、待遇に不満を持つ方は少ない
- ○裁量権はあるが、成長は個人に任せられている傾向がある
- △記者を中心にハードワークな傾向
3-1. 待遇に関する口コミ
- 待遇に不満を持つ方は少ない
- 年収における手当や残業代・ボーナスの割合が多い
- 30代頭から半ばまでは年功序列で昇給するが、以降は昇格の有無で給与に差が出る
待遇に関する評価は人気企業300社の中では平均的です。
まず多い口コミは、年収は民放の大手には劣るものの、大きな不満はないというものです。
年収の構成としては、基本給が低めで、手当や残業代、そしてボーナスの割合が多くなります。
過去に過労死問題があったことから残業に対する規制が厳しくなってきており、その分以前に比べて給与が低くなっていると話す方もいます。
基本的には年功序列で昇給していき、役職がつくと大きく給与が上がります。
なお、大卒新卒入社から10年目以降に基幹職(管理職)への試験があり、基幹職になると年収1,000万円に到達します。
そして、転勤が多いこともあって家賃手当が支給されますが、地区によって差があり、都市部の方が金額は高いです。
このほか、受信料への風当たりが強いためこの待遇が今後も保たれるかは不安と話す方もいました。
参考:役職別の年収目安
NHKの役職ごとの年収目安は以下の通りです。
役職目安 | 年収目安 |
業務職Ⅰ(新卒入社~5年目) | 500万円~550万円 |
業務職Ⅱ(5年目以降) | 700万円~750万円 |
業務職Ⅲ(11年目以降) | 900万円~950万円 |
基幹職Ⅰ(副部長) | 1,000万円~1,050万円 |
基幹職Ⅱ(部長) | 1,200万円~1,250万円 |
基幹職Ⅲ(副局長) | 1,400万円~1,450万円 |
基幹職Ⅳ(地方局長) | 1,500万円~ |
基幹職Ⅴ(本部局長) | 1,700万円~ |
理事 | 2,206万円※ |
専務理事 | 2,360万円※ |
副会長 | 2,690万円※ |
会長 | 3,092万円※ |
※引用元:NHK・役職員の報酬・給与等の支給基準
3-2. ワークライフバランスに関する口コミ
- 事務系の職種を中心にワークライフバランスを整える動きがある
- 放送局(記者、ディレクター、アナウンサー)はハードワークで、特に記者はその傾向が強い
ワークライフバランスに関する口コミは人気企業300社の中でも平均からやや下位です。
まず、近年はワークライフバランスをよくしようとする動きがあり、事務系の職種を中心にリモートワークが認められるなど柔軟性が高くなってきています。
しかし、NHKは大手報道局ということもあり、仕事量は多いです。
報道では足を使って取材をしなければならいこともあり、ハードワークは仕方ないと割り切っている方も多いです。
中でも記者は、以下のように仕事はハードです。
- ”夜討ち朝駆け”と呼ばれる、夜間や早朝帯の聞き込み
- 災害時やスクープなどでの急な呼び出し
- 緊急時の対応のため、担当エリア外へのプライベートの外出を部署内で共有する必要がある など
以前、過労死事件があったことで残業を抑制する流れはありますが、記者をはじめ、現場に近いほどハードワークであることを念頭に置く必要があります。
会社全体の残業時間の平均は36時間となっており、部署や時期によって更なるハードワークが必要です。
3-3. 成長・キャリアアップに関する口コミ
- 配属後の成長は個人に委ねられる傾向がある
- 若手のうちから裁量権の多い仕事を任せてもらうことができる
- 特殊法人という立場ゆえに、コスト面などビジネス感覚は養われづらいと感じるという声も
成長・キャリアアップに関する評価は人気企業300社の中でも下位です。
まず、配属後の成長は個人に委ねられる部分が多く、配属先の先輩との関係性や個人の努力によって、大きく差が開く傾向があります。
放送部では特に若手のうちから裁量を持った仕事ができるとの声は多いです。
ディレクターの場合、実力がついてくれば企画書の作成からロケや編集、演出など、様々な仕事を経験できます。
記者の場合は、事象の捉え方や取材方法、人間関係構築能力が磨かれたと話す方もいました。
そして、特殊法人という組織の立場上、民放ほどスポンサーやコストなどを意識せず制作に取り組めるという意見もあります。
ただ、ビジネス感覚は養われにくいと感じる方は多く、転職市場での評価に不安があると話す方もいました。
また、番組作成で使うソフトは独自のソフトを使うため、同じ職種で民放をはじめとした他社へ転職する場合は苦労するかもしれないと語る方もいます。
上記を踏まえると、各個人の取り組み次第で成長幅が大きく変わりやすい環境で、成長の方向性がやや内向きと言えます。
3-4. やりがいに関する口コミ
- 放送局(ディレクター・アナウンサー・記者)を中心に、報道の現場に近いほどやりがいを持って働いている人が多い
- 報道という社会に影響を持つ仕事ができる
- 普段の生活の中ではなかなか会えない人と会えたりする機会がある
- 世間の受信料への風当たりの強さから、予算削減など将来に不安を持つ方もいる
大手のテレビ局ということもあり、NHKにはやりがいを持って働いている方が多いです。
特に、放送局と呼ばれる報道に近い部署で働いている方(ディレクター、記者、アナウンサーなど)はその傾向が強いです。
口コミとして多いのは、番組制作を通して自身が携わった仕事が世に出ることがやりがいというものです。
制作過程では、普段では会えない専門家などと会える機会もあり、社会へのインパクトがある点にも満足している方が多いです。
予算が大きく制作に集中できる一方、受信料への風当たりの強さから、今後も同じような体制で制作に携わることができるかが不安という声も多数ありました。
そして、新卒社員が優遇されるプロパー主義の傾向を感じるという、中途の方からの意見もありました。
加えて、常日頃から長時間残業が続いていて、全国転勤なので、健康やプライベートを犠牲にしている実感があると話す方もいます。
3-5. 職場の雰囲気・人間関係に関する口コミ
- 民放などの他の放送局に比べて堅い風土
- 仕事はトップダウンで進む傾向がある
- 会長の任期が決まっているので、任期が変わるごとに方針が変わるので混乱するとの声も
- 放送局(ディレクター・アナウンサー・記者)の社内での声は大きい
職場の雰囲気・人間関係に関する口コミは人気企業300社の中でも平均からやや下位です。
まず多い口コミは、公共放送を提供している組織ということもあり、非常に堅い組織であるというものです。
失敗が許されない風土があるので、意思決定も保守的かつ時間がかかります。
仕事は、会長の始めとした上層部の強烈なトップダウンで仕事を進める傾向があります。
ただ、放送法での役員の任期が決まっていることから、会長が変わるたびに方針が変わるので長期的な方向性が定まらないと不満を持つ方もいます。
そして、社内では事務系の職種に比べて、放送局の社員の声が強い傾向があります。
参考:NHKから転職で出ていく人の事情
NHKは、安定した雇用体系、高い報酬から定年まで働く人がほとんどです。
しかし、受信料問題が取り上げられる度に組織の将来性に不安を持つようになった、転勤が多くライフプランが立てづらいと感じるようになった理由で転職を検討されています。
4. NHKはそもそもどんな会社か
引用:Google Maps
NHKは放送法によって設立された特殊法人です。
業務内容は公共放送で、視聴者からの受信料によって運営されています。
会社ホームページ:https://www.nhk.or.jp/
4-1. 会社概要
社名 | 日本放送協会 (にっぽんほうそうきょうかい NIPPON HOSO KYOKAI) |
設立 | 昭和25(1950)年6月1日 ※放送法に基づく日本放送協会の設立日 |
代表者 | 稲葉 延雄 |
従業員数 | 1万268人(2023年度) |
本店所在地 | 東京都渋谷区神南2-2-1 |
事業内容 | ・国内放送 (総合テレビ Eテレ BS1 BSプレミアム BS4K・8K ラジオ第1・第2 FM) ・放送と受信の進歩発達に必要な調査研究 ・国際放送 ・その他、放送法に定められた業務 |
4-2. 事業内容
NHKの事業内容は以下のとおりです。
国内放送 | 総合テレビ Eテレ BS1 BSプレミアム BS4K・8K ラジオ第1・第2 FM |
放送と受信の進歩発達に必要な調査研究 |
放送と受信の進歩発達に必要な調査研究 |
国際放送 | NHKワールドジャパンなど |
その他 | 放送法に定められた業務 |
NHKは主となる、国内放送(総合テレビなど)のほか、リサーチ・NHKワールドジャパンなど事業内容は多岐に渡ります。
また、インターネットの普及に伴って、NHKオンデマンドなどのオンラインサービスの拡大にも注力しています。
4-3. トップメッセージ
画像引用元:NHK
NHKは、放送法に基づき「健全な民主主義の発達に資すること」を使命とする日本唯一の公共放送局です。
激動する国際社会やフェイクニュースの拡散が進む中、正確で信頼性の高い情報提供と、多角的な視点の確保に力を入れてきました。
視聴者の“よりどころ”となるべく、緊急報道や国際的な大型コンテンツなど、幅広い分野で質の高い情報と番組を提供しています。
2025年にはラジオ放送開始から100周年を迎える中、NHKは今後も公平・公正で確かな情報と、視聴者の生活を豊かにする良質なコンテンツを届け続けることを目指しています。
世界の平和と豊かな社会の実現を目指し、次の100年も視聴者や社会にとって不可欠な存在であり続ける意志を表明しています。
4-4. 今後の事業展開
NHKは、2024年に発表した「NHK経営計画2024-2026」にて、コンテンツ戦略として以下の6つ柱を設定しています。
- デジタルと放送が連携して災害時になくてはならない命綱に
- “フェイク”の時代だからこそ顔の見える信頼のジャーナリズム
- 民主主義の一翼を担い平和で持続可能な世界の構築に貢献
- 世界で輝く良質な教育・幼児子どもコンテンツ
- 未来を見つめ 人生を豊かにする教養・エンターテインメント
- 幅広いジャンルと地域情報で多様性・多元性の実現
また、2つの基軸をもとに公共放送の役割を担う予定です。
- 「情報空間の参照点」を提供する・・・信頼できる基本的な情報を提供すること
- 「信頼できる多次元性」・・・民主主義の基盤である多角的な視点
このほか、メディアの整理・削減やDX化の推進により、事業支出の改革を行う予定です。
上記を踏まえると、国民のために有益な公共放送を行うという視点を持ちつつ、時代に即した改革を受け入れる柔軟性を持つ方向けの企業と言えるでしょう。
5. NHKの中途採用の面接想定質問40選と、面接・書類選考のポイント集【年齢別】
この章では、NHKの中途採用選考でアピールすべきポイントや、面接の想定質問を紹介します。
5-1. NHKの中途採用で聞かれる想定質問40選
NHKの面接を想定して、想定質問を作成しました。年齢別に以下のように40個用意しましたので、準備しましょう。
このページでは、どの企業でも聞かれるような、一般的な質問はあえて入れませんでした。
一般的な質問や、答え方を「プロ直伝!転職面接の質問99例の答え方とわかりやすく伝える全ノウハウ」でまとめていますので、合わせてしっかり準備しましょう。
全ての人が準備すべき質問10個
- これまでの経験で、多くの人に価値を届けたと感じる具体的な成果を教えてください。
- 困難な状況で、視聴者や顧客の期待を超える結果を出した経験があれば教えてください。
- スピード感が求められる中で、質を維持しながら成果を出した方法を教えてください。
- チームで働く際に、他のメンバーとどのように連携し成果を最大化したか具体例を教えてください。
- 業務で取り組んだ内容が社会や業界に影響を与えた事例を教えてください。
- 新しい技術や業務手法を学び、それを業務に応用した経験について教えてください。
- 自分の行動が職場やプロジェクトにどのように影響したかを具体例で教えてください。
- 目標未達や失敗の経験があれば、それをどのように乗り越え、次に活かしたか教えてください。
- 複数の選択肢がある状況で、最善の方法を選び取った経験を教えてください。
- 社会的使命を意識した仕事において、自身の役割をどう果たしたかを教えてください。
若手社員(第二新卒〜30歳前後)が準備すべき質問10個
- これまでに経験したチームでのプロジェクトで、具体的にどのように貢献したか教えてください。
- 初めて直面した課題に対して、どのように対処し成果を出しましたか?
- 仕事で新しい視点や発想を提案し、それが受け入れられた経験を教えてください。
- 短期間で成長したと感じる経験について教えてください。
- 周囲のサポートを得ながら、自分なりに主導的に行動した経験を具体的に教えてください。
- 予想外のトラブルや課題に直面した際、どのように対応して解決しましたか?
- 新人や若手の立場でありながら、積極的に役割を果たした事例を教えてください。
- これまでに受けたフィードバックをどう受け止め、改善や成長につなげたか教えてください。
- 何らかの成果を挙げるために、自ら進んで学んだ経験を教えてください。
- NHKの価値観を意識して、自分がどのような役割を担えると考えているか教えてください。
中堅社員(30代〜40歳前後)が準備すべき質問10個
- これまでの職務経験の中で、課題を解決するために行った具体的な取り組みを教えてください。
- 他部署や他職種のメンバーと協力して成果を挙げた経験を教えてください。
- 自身がリードしたプロジェクトで、特に成功を収めたエピソードを教えてください。
- 前職や現職で特に注力して取り組んだ分野と、その成果を具体的に教えてください。
- 変化の多い環境で業務を進める中で、どのように柔軟性を発揮して対応しましたか?
- 課題や問題点を見つけ、改善した経験があれば教えてください。
- マネジメントやリーダーシップの経験がある場合、それがどのような結果をもたらしたか教えてください。
- 長期的な視点を持って取り組んだプロジェクトや業務について教えてください。
- 視聴者や利用者に価値を提供するために、どのような創意工夫を行いましたか?
- NHKの使命や価値観を踏まえ、自身の業務経験をどのように活かすことができると考えていますか?
管理職、シニア(40代以上)が準備すべき質問10個
- これまでに担当した組織やチームの業績向上に貢献した具体的な事例を教えてください。
- 組織の目標達成のために、どのようにリーダーシップを発揮してきたかを教えてください。
- 組織内の課題を発見し、それを改善するために取り組んだ事例を教えてください。
- 自身の経験を活かして、次世代の育成や後輩の指導にどのように取り組んできたか教えてください。
- 異なる意見や価値観を持つメンバーをまとめ、意思決定を行った経験を教えてください。
- 大きな予算や責任を伴うプロジェクトを成功させた経験について教えてください。
- 公共性が重視される業務において、どのような倫理的判断を下してきましたか?
- 視聴者や利用者からの信頼を高めるために、どのような取り組みを行いましたか?
- 複雑な問題に直面した際に、それを分解し解決に導いた経験を具体的に教えてください。
- NHKでの職務を通じて、組織全体にどのような価値を提供できると考えているか教えてください。
5-2. NHKの中途採用選考でアピールすべきポイント
NHKへの転職を目指す人がアピールすべきことを、以下の4つに分けて紹介します。
- 全ての人がアピールすべきポイント
- 若手社員(第二新卒〜30歳前後)がアピールすべきポイント
- 中堅社員(30代〜40歳前後)がアピールすべきポイント
- 管理職、シニア(40代以上)がアピールすべきポイント
1. 全ての人がアピールすべきポイント
面接の質問に答える際や、職務経歴書を書く際は、以下のポイントを意識し、アピールするといいでしょう。
- 公共放送としての使命感と倫理観
- 多様な人々との協働経験
- 新しいメディアや技術への適応力
公共放送としての使命感と倫理観
NHKは公共放送局として、社会的責任や高い倫理観が求められます。
具体的には、過去の業務で公共性を重視した取り組みや、倫理的判断を求められた経験を共有することが効果的です。
多様な人々との協働経験
NHKの業務は多岐にわたり、さまざまな価値観を持つ人々との連携が不可欠です。
異なる立場の人々と協力して成果を上げた経験を具体的に示し、チームワーク能力をアピールしましょう。
新しいメディアや技術への適応力
放送業界はデジタル化が進んでいます。
新しい技術やメディアに対する興味と、それを活用した経験を具体的に伝えることで、NHKの変革に貢献できる人材として評価されます。
2. 若手社員(第二新卒〜30歳前後)がアピールすべきポイント
若手社員でNHKへの転職を目指す方は、下記のポイントも伝えられるようにしましょう。
- 柔軟な思考と学習意欲
- デジタルネイティブとしての強み
- 多文化理解と国際感覚
柔軟な思考と学習意欲
新しい知識やスキルを積極的に学ぶ姿勢が期待されます。
短期間で新分野に挑戦し成果を上げた経験を示すことで、成長意欲をアピールできます。
デジタルネイティブとしての強み
デジタルツールやSNSを活用した経験は、NHKでの業務に活かせる強みです。
それらを活用した具体例を挙げ、即戦力として評価されるアピールを行いましょう。
多文化理解と国際感覚
グローバル化が進む中、異文化理解や語学力は重要な資質です。
留学経験や海外プロジェクトへの参加など、国際的な視点を持つ経験を共有することで、NHKの国際放送や海外展開に貢献できることを示せます。
3. 中堅社員(30代〜40歳前後)がアピールすべきポイント
30代~40歳前後の中堅社員の方は以下のポイントを意識しましょう。
- プロジェクトマネジメント能力
- 業界内での専門性と実績
- チーム育成と指導経験
プロジェクトマネジメント能力
中堅社員には、プロジェクトを計画・実行し、成果を上げる能力が求められます。
具体的なプロジェクトの成功事例や、リーダーシップを発揮した経験を示すことで、即戦力としての信頼性を高められます。
業界内での専門性と実績
これまでのキャリアで培った専門知識やスキル、そしてそれを活かした具体的な成果を強調することで、NHKでの業務にどのように貢献できるかを明確に伝えられます。
チーム育成と指導経験
後輩や部下の育成・指導経験を持つことは、組織全体の成長に寄与する能力として評価されます。
具体的な育成事例やチームの成果を示すことで、組織への貢献度をアピールできます。
4. 管理職、シニア(40代以上)がアピールすべきポイント
40代以上の方は以下のポイントを意識しましょう。
- 組織改革や業務改善の実績
- 戦略的思考とビジョン策定能力
- 危機管理能力と実績
組織改革や業務改善の実績
管理職として、組織の課題を特定し、改善策を実施して成果を上げた経験は大きな強みです。
具体的な改革事例や、その結果としての業績向上を示すことで、リーダーシップを強調できます。
戦略的思考とビジョン策定能力
長期的な視点で組織の方向性を定め、戦略を策定・実行した経験を持つことは、経営層としての資質を示すものです。
具体的な戦略策定の事例や、その成果を共有すると効果的です。
危機管理能力と実績
放送業界では、緊急事態や不測の事態に迅速かつ適切に対応する能力が求められます。
過去に危機的状況を乗り越えた経験や、その際の判断・行動を具体的に示すことで、高い信頼性をアピールできます。
6. NHKの中途採用に応募する際に絶対知っておくべきこと
NHKへ転職する際に重要なことは、自分で申し込まず、「転職エージェント」を使い応募することです。
転職エージェントとは、登録をすると完全無料で転職相談に乗ってくれて、企業の求人紹介から面接のセッティング、給与交渉など転職に必要なサポートをしてくれるサービスのことを指します。
使うべきなのは、下記の4つの理由でNHKへの転職に有利になるからです。
- NHKの非公開求人に応募できる
- NHKの傾向を踏まえた選考対策をしてくれる
- NHK側にあなたの魅力を伝え、プッシュしてくれる
- 内定時に給与交渉をしてくれる
4つの理由を1つずつ解説します。
6-1. NHKの非公開求人に応募できる
転職エージェントは、企業の採用ページや求人情報サイトに乗っていない非公開の求人を複数持っていて、NHKの非公開求人を持っている可能性もあります。
非公開の求人になるのは、一般的に下記のような求人で、総じて「働く上で好条件の求人」が多いです。
- 人気なポジションでインターネットに出すと応募が殺到してしまう
- 重要なポジションで、外部には求人を出していることを知られたくない
- 今、その会社で働いている人が嫉妬するような条件の求人
また、求人を持っていなくても、あなたの希望とスキルが合えば、転職エージェントが企業に営業してくれるケースもあります。
NHKに行きたい場合は、転職エージェントに相談することで、求人の選択肢を大きく増やせますから、自分で探さず、必ず転職エージェントに相談しましょう。
6-2. NHKの傾向を踏まえた選考対策をしてくれる
大手転職エージェントだと、NHKや同業他社に複数の転職希望者を転職させているため、選考を突破するノウハウが溜まっていて、それを元にサポートをしてくれます。
過去の面接の傾向を踏まえ、模擬面接をしてくれたり、書類や面接で何をアピールすべきかを一緒に考えてくれます。
さらに面接前には、面接官の肩書きや、特に重視される点を教えてくれることもあるので、転職エージェントを使っていない人よりも面接を有利に進められます。
6-3.NHK側にあなたの魅力を伝え、プッシュしてくれる
転職エージェントは、人事担当者ともやりとりをしていて、面接や書類では伝わらないあなたの魅力をアピールしてくれます。
企業としては、よくわからない人物よりも、転職エージェントのお墨付きのある人の方が安心して採用できるので、転職エージェント経由だとそれだけで選考に有利になることも多いです。
腕のいいエージェントが担当の場合、面接に失敗しても、エージェントがプッシュしてくれ、結果が覆るということもよくあります。
6-4. 内定時に給与交渉をしてくれる
内定した後も、企業とのやりとりは転職エージェントが間に入ってくれます。
給与交渉などの言いにくいことも転職エージェント経由で相談でき、交渉もしてもらえるので、エージェント経由の方がより良い条件で転職しやすいです。
以上の4つの理由で、NHKやその他企業に転職する際は、必ず転職エージェントを使うようにしましょう。
7. NHKへの中途採用で使うべき転職エージェント
NHKの転職を目指す際に使うべきエージェントは下記の3つです。
この3つに登録し、NHKやその他希望する企業に転職したいと相談しましょう。
これらを選んだ理由は下記3つです。
- 大手で求人数も多く、NHKの求人も持っている可能性が高い
- NHKへの転職を有利にするためのノウハウを持っている
- 提案力・交渉力が高く、転職の強い味方になってくれる
一つずつ解説していきます。
7-1. JACリクルートメント
「JACリクルートメント」は、ハイクラス専門の転職エージェントです。
ハイキャリアの転職で真っ先に名前が上がる老舗で、企業側も「管理職」「高待遇の専門職」などハイクラスな求人はJACにだけ相談していることも多いです。
NHKの中でも、年収800万円以上のポジションを狙う方は、必ず使っておきましょう。
ただし、ハイクラスな人材でないと判断されると十分なサポートを受けられませんので注意しましょう。
JACリクルートメント公式ページ:https://www.jac-recruitment.jp/
7-2. LHH転職エージェント
「LHH転職エージェント」は、世界的に有名な大手人材会社アデコの運営する、ハイクラス向けの転職エージェントです。
サポートを受けた利用者は、平均で年収を約100万円上げていて、年収アップの転職に強みを持ちます。
これまでの経験を活かしつつ、今よりポジション、年収を上げる転職がしたい方には特におすすめです。
LHH転職エージェント公式ページ:https://jp.lhh.com
7-3. doda
「doda」はパーソルキャリアが運営する、業界トップクラスの実績と豊富な求人を持つ転職エージェントです。
求人数・提案力・交渉力・サポート全てが高水準で、非常にバランスがよく、当たり外れが少ないエージェントとも言えます。
過去のサポート実績から社内にデータやノウハウが蓄積されているだけでなく、企業とのパイプも強いので、人気企業を目指すなら一度は相談しておきましょう。
doda公式ページ:https://doda.jp/
8. まとめ
NHKの中途採用について、採用情報から、注意点、転職のコツまで紹介してきましたがいかがでしたか?
NHKは、中途採用を行っており、転職先としても人気企業です。
やりがい面や待遇が充実した団体ですが、ワークライフバランス・職場の雰囲気・キャリア・成長面などで一部不満の声も出ていることに注意しましょう。
またNHKへの中途入社を目指す方も、転職難易度が高いことには注意が必要です。自分一人で動かずに、下記の転職エージェントに相談し、サポートを受けましょう。
あなたの転職がうまくいくことを心から祈っています。
(参考)NHKと競合他社の平均年収、年齢、勤続年数データの参照元
NHK | 平均給与:口コミサイトなどの情報をもとに算出 平均年齢・平均勤続年数:令和5年「業務報告書」 |
テレビ東京 | 第14期「有価証券報告書」 |
日本テレビ | 第91期「有価証券報告書」 |
フジテレビ | 第83期「有価証券報告書」 |
TBS | 第97期「有価証券報告書」 |
テレビ朝日 | 第84期「有価証券報告書」 |