転職エージェントに料金はかかる?相場から裏事情まで知っておくべき全知識
「転職エージェントに料金はかかる?」、「無料で使えるって本当?」など、転職エージェントの料金について気になっていませんか?
結論、転職エージェントは企業側がエージェントに紹介料を払う仕組みで、転職する本人は無料で使うことができます。
無料な上に転職を秘書のようにサポートしてくれて、転職には必須と言えますが、近年質の悪い業者が増えているなど、利用には注意点もあります。
このページでは、転職エージェントとして1,000人以上の転職をサポートしてきた筆者が、転職エージェントの料金ついて、以下の流れで解説していきます。
- 転職エージェントの料金はいくら?
- そもそも転職エージェントとは?料金以外の特徴を解説
- 他のサービスとの比較と使うべき人
- 転職エージェントの選び方とおすすめ
- 転職エージェントを最大限活用するためにすべき9つのこと
- 転職エージェントの登録~内定までの流れ
全て読めば、転職エージェントの料金はいくらで、どんな裏側があるのか、そもそも転職エージェントはどんな仕組みで、使うべきなのかまでがわかり、転職エージェントで失敗することがなくなるでしょう。
著者:I.J(現役転職エージェント)
1. 転職エージェントの料金はいくら?
結論から言うと、転職する本人は、転職エージェントを無料で使うことができます。
転職エージェントを使うとキャリア相談から求人紹介、企業とのやりとりまで全てサポートしてもらえますが、最初から最後まで料金はかかりません。
エージェント経由の選考や内定を辞退したり、担当変更や急な退会をしたとしても、ペナルティで料金がかかるといったことも一切ありません。
1-1. 転職エージェントはなぜ無料?
転職エージェントが、あなたを紹介することで企業から謝礼(紹介料)としてあなたの年収の30%前後の金額を受け取っているからです。
転職エージェントのように、職業を紹介して稼ぐ業者は、求職者から料金をとってはいけないと「職業安定法」という法律で決まっています。
有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。
引用:職業安定法「第三十二条の三」
そのため、どの転職エージェントも、このように企業から料金を取る形で運営されています。
企業から転職エージェントに払われる紹介料は、以下のように高額になります。
あなたの年収 | 紹介料(年収の30%) |
300万円 | 90万円 |
500万円 | 150万円 |
1,000万円 | 300万円 |
1-2. 無料なのは他の転職サービスも同じ
他にも、転職で使えるサービスは複数ありますが、どれも転職する本人は無料で使うことができます。
- 転職サイト:自分で求人を探して応募する
- スカウトサービス:登録してスカウトを待つ
- ハローワーク:公共の転職支援サービス
その代わり、同じように企業がサービスの料金を負担する仕組みになっています。
企業が支払う料金 | |
転職サイト (リクナビネクスト、マイナビ転職) |
・一つの求人につき1ヶ月で20~150万円の掲載料(求人の情報量によって変動) ・掲載中に何人採用しても料金は変わらない |
スカウトサービス (ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト) |
・一月あたり約12万円の利用料 ・採用が決まったら、入社する人の年収の15%の支払い |
ハローワーク | 公共サービスのため無料 |
有名なものだと、スカウトサービスの「ビズリーチ」のみ、一部のスカウトの確認に、求職者が月に約5,000円払う有料プランがあります。
ただ、基本的な機能は全て無料で、主に企業からの手数料収入で運営されている点は変わりません。
企業にとっては転職エージェントが最も高い
他の転職サービスと比べると、企業側の支払う料金は、転職エージェントが最も高くなります。
例えば、半年かけて、年収500万円の人を3人採用した場合の企業側のコストを比べると以下の通りです。
- 転職エージェント:紹介料150万円×3人=450万円
- 転職サイト:掲載料20万円×6ヶ月=120万円
- スカウトサービス:(利用料12万円×6ヶ月)+(紹介料75万円×3人)=約300万円
- ハローワーク:0円
転職エージェントが最も高くなるのがわかります。
1-3. 大金を払ってまで企業がエージェントを使う理由
他のサービスより高い金額をかけてまで、企業がエージェントを使うのは、企業側に以下のメリットがあるからです。
- たくさんの人を選考する手間が省ける
- 表に出したくない求人募集ができる
転職サイトなどで一般に求人募集をした場合、企業は応募してきた人全員を選考する手間がかかります。
一方、エージェントは企業の職務内容や雰囲気を知った上で、マッチした人を選りすぐって紹介してくれるため、企業は選考の手間が省けます。
採用の手間がなくなる分、企業は他の仕事に集中できるようになります。
また、以下の理由で、表には出したくない求人も、エージェントになら個別に紹介を頼めるメリットもあります。
- 人気なポジションでインターネットに出すと応募が殺到してしまう
- 重要なポジションで、他社に求人を出していることを知られたくない
- 今、その会社で働いている人が嫉妬するような条件
返金の決まりがあるから、企業も安心して使える
エージェントに大金を払って採用した人がすぐに辞めてしまうと、企業は大損になりますが、その場合は紹介料が返金になる決まりがあります。
実際に大手転職エージェント「doda」の企業向けページでは、以下のように返金ルールの説明があります。
doda人材紹介サービス経由で入社された人材が早期に退職してしまった場合、コンサルティングフィーの一部を返金させていただきます。
返金額は退職までの期間やご契約条件によって異なります。
ご契約時に専任の営業担当よりご説明させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
引用:doda「中途採用を検討中の企業さまへ」
万が一のミスマッチが起きても、大損はしない仕組みになっていて、企業側も安心して転職エージェントを使うことができるのです。
1-4. 紹介料がかかる分、エージェントを使うと選考で不利になるのでは?
不利になることはなく、むしろエージェント経由は有利です。
高い紹介料がかかる分、採用コストがかからない直接応募に比べてエージェント経由が不利になるか心配する人がいますが、それはありません。
企業の採用担当は、直接応募してきた素性のわからない人よりも、付き合いのあるエージェントからの紹介の方が安心と考えるからです。
また、万が一ミスマッチが起きた際も、エージェント経由の方が、以下の点で採用担当にとって都合が良いのです。
- 採用失敗を、紹介してきたエージェントのせいにできる
(直接応募の採用に失敗すると、選考をした採用担当が社内で責められる) - 早期退職なら紹介料は返金になる
また、そもそもですが、大手・優良企業だとエージェント経由でしか募集をしない会社も多く、直接応募の人と同時に選考に進むことはほぼありません。
この点でも、紹介料による有利不利は気にする必要はないと言えます。
2. そもそも転職エージェントとは?料金以外の特徴を解説
転職エージェントとは、転職するときに間に入ってくれるエージェント(代理人)のことで、転職に必要なサポートをしてくれる完全無料のサービスです。
登録すると、あなたの経歴やキャリアに合わせて、求人の紹介から面接のセッティングや対策、内定後の手続きまで行ってくれます。
※非公開求人:表に出ないエージェントしか持っていない求人
具体的に言うと下記の6つをしてくれ、あなたは面接以外で企業と直接やりとりする必要がなくなります。
- キャリアの相談
- 求人の紹介
- 応募書類の添削
- 面接対策
- 面接や入社の日程調整
- 年収交渉
逆に言うと、転職エージェントを使わないと、これらを全て自分で行う必要があります。
具体的に、利用のメリット・注意点を解説していきます。
2-1. 転職エージェントの3つのメリット
- 転職時に必要なサポートを全て無料で受けられる
- 世の中に出ていない”非公開の求人”を紹介してくれ、応募できる
- 選考をより有利に進められることがある
それぞれ解説します。
メリット①転職時に必要なサポートを全て無料で受けられる
先ほど紹介したような、キャリアの相談〜内定後の年収交渉まで、転職で必要な調整や作業を代理で行ってくれます。
自分で求人を探して応募する場合と比べて、圧倒的に手間が減り、あなたは、選考対策だけに集中できるようになります。
特に働きながら転職活動をする場合、日中の連絡や、面接調整など、仕事と転職活動の両立は非常にハードです。
転職エージェントは現在の仕事の事情も考慮してくれ、まるで秘書のように、転職ですべきことを行ってくれます。
メリット②世の中に出ていない”非公開の求人”を紹介してくれ、応募できる
そもそもですが、下記のような優良な求人は、インターネットには中々出てきません。
- 人気なポジションでインターネットに出すと応募が殺到してしまう求人
- 重要なポジションで、外部には求人を出していることを知られたくない求人
- 今、その会社で働いている人が嫉妬するような条件の求人
これらの求人は、企業側が取引のある転職エージェントに内々に相談し、そのエージェントに登録している人だけに紹介されます。
転職エージェントを使うことで、これらの高品質な非公開求人に応募できるのもメリットです。
逆に言うと、インターネットに出ている公開求人は、幅広く募集しないと人が集まらない低品質なものが多いので、注意しましょう。
メリット③選考をより有利に進められることがある
転職エージェントを使うことで、直接申し込んだ人よりも、選考が有利に進むことがあります。
採用側からすると、どこの誰かわからない人よりも、転職エージェントがプッシュしてくる人の方が安心して採用することができるからです。
エージェントは、企業側に書類に書けないあなたの魅力をアピールしてくれ、優秀なエージェントだと、面接で失敗しても結果を覆してくれることもあります。
2-2. 転職エージェント2つの注意点(デメリット)
- ハズレの業者や担当者に当たると、役に立たず、足を引っ張られる
- 相手にしてもらえず、満足いくサポートを受けられないことがある
それぞれ解説します。
注意点①ハズレの業者や担当者に当たると、役に立たず、足を引っ張られる
転職エージェントの業者にもそこで出てくる担当者にも、当たり外れがあることに注意しましょう。
×ハズレの転職エージント業者の特徴
- 中小だったり、設立したばかりなので、優良企業とのパイプがなく、いい非公開求人をもっていない
- 実績が少なく、企業ごとの対策や、ノウハウが社内に貯まっていない
- 1人1人の担当に無理なノルマを押し付け、利用者の幸せを考えない転職を強いる
×ハズレの担当者の特徴
- 知識のない人、入ったばかりの新人など、相談やアドバイスに価値がなく、手続きにミスも多い
- ノルマに追われていて、的外れな提案・求人ばかり押し付けてくる
こういった業社や、担当者に頼ってしまうと、逆に足でまといになり、転職に失敗する原因になります。
これらを避けるためにも、下記を重視して転職エージェントを選びましょう。
- 優良企業とパイプの強い、老舗・大手の転職エージェントを使う
- 複数の転職エージェントに登録し、ハズレの担当者がついたエージェントの利用を止める
特に近年は、転職エージェントが急増していて、ハズレの転職エージェントが増えているので、注意して選ぶ必要があります。
注意点②相手にしてもらえず、満足いくサポートを受けられないことがある
転職エージェント自体が、転職を成功させることで、企業からお金をもらっています。
つまり、下記のような人で、「転職できる見込みがない」と判断されると放置されたり、求人を一切紹介してもらえなかったり、利用を断られることもあります。
- キャリア・経験がなく、自社と取引のある企業に紹介しにくい
- 転職活動へのやる気が見えず、本当に転職したいのかわからない
- 理想が高すぎて、転職が実現しなさそう
特に1点目については注意が必要で、自分のキャリアにあったエージェントに登録しなければ、相手にされません。
このページでは、年収別・その他状況別に分けて転職エージェントを紹介しますから、ご自身のキャリアにあった転職エージェントに登録するようにしましょう。
3. 他のサービスとの比較と使うべき人
転職エージェント以外の転職サービスとして下記があります。
- 転職サイト:自分で求人を探して応募する
- スカウトサービス:登録してスカウトを待つ
- ハローワーク:公共の転職支援サービス
これらのサービスと転職エージェントとの違いは、専任の担当者が付き、転職に必要なことを何から何までサポートしてくれるということです。
下記メリットを全て満たすのは転職エージェントだけですから、転職したい方は転職エージェント一択です。
- 転職時に必要なサポートを全て無料で受けられる
- 世の中に出ていない”非公開の求人”を紹介してくれ、応募できる
- 選考をより有利に進められることがある
それぞれ、「サポート」「求人の質・量」「選考の有利さ」で比較をしました。
サポート | 求人の質・量 | 選考の有利さ | |
転職エージェント | ◎ 相談〜内定後の交渉まで |
◎ 良質な非公開求人、数多い |
◎ 選考対策・プッシュあり |
転職求人サイト | × 自分でやる |
◯ 公開求人、数多い |
× 自力で頑張る |
スカウトサービス | ◯ 一部のみのサポート |
◯ 良質だが、数少ない |
◎ 選考対策・プッシュあり |
ハローワーク | △ 求人の紹介 |
△ 数は多いが低品質 |
△ 簡単な選考対策のみあり |
以上を踏まえても、転職エージェントは使うだけで転職が有利になるので、絶対に使うべきです。
他のサービスを使う唯一の条件
このページで紹介する、転職エージェント3社以上に利用を断られた方のみ転職エージェントではなく、転職サイトを使いましょう。
その場合は、転職エージェントに「お金にならない人」と判断されてしまった可能性が高く、サポートしてくれるエージェントを探すより、自分で求人を探した方が効率的です。
最大手「リクナビNEXT(https://next.rikunabi.com/)」だけ使えば大量の求人を見て応募できますから、登録し複数の企業にチャレンジしましょう。
4. 転職エージェントの選び方とおすすめ
転職エージェントは必ず使うべきですが、ハズレの転職エージェントに頼ってしまうと、転職に失敗する原因になります。
そうならないように、ここでは、転職エージェントの選び方とおすすめエージェントを紹介します。
4-1. 選ぶ際に知っておくべき裏事情
下記は厚生労働省の出す転職エージェントなどの職業紹介事業所の数の推移ですが、転職エージェントは、5年間で約1万社も急増しました。
引用:厚生労働省ホームページ
その裏事情として、求人データベースサービスの登場があります。
これを使って簡単にエージェント業をはじめられるようになり、独自の求人を持たない転職エージェントが増えてしまった、という背景があります。
求人データベースとは?
複数の転職エージェントが共有で使う求人情報のデータベースのことです。
データベースの求人は、簡単にいうと売れ残りの集まりで、「不人気ですぐ人が辞める大量採用な求人」がほとんどです。
大手エージェントでも長期間決まらなかった求人が流れ着いているイメージで、データベース内には以下のような会社ばかりが並んでいます。
- きついノルマが有名な保険会社、不動産会社
- ブラックで有名な飲食チェーン、引越し会社
- 薄給でスキルも身につかない3次請け、4次請けのIT企業
求人数は何万件と多いですが、誰も応募したがらないような求人ばかりで構成されています。
設立から数年なのに「求人5万件」のようなアピールをするエージェントがいたら、ほぼ間違いなくこのパターンなので注意しましょう。
現在転職エージェントはこうした質の悪い求人しか持たない業者が多く、危険なサービスであることは理解しておきましょう。
求人以外の面も要注意!
こういった、新設のエージェントは、求人の質以外にも注意点があり、以下を持っていないことがあります。
- あなたのことを採用担当にプッシュできるだけの、企業との信頼関係
- 企業・部署・ポジションごとの選考のノウハウ
そのため、同じ求人に申し込んでも、Aエージェントなら受かっていたのに、Bエージェントを使ったせいで落ちる、ということもあるのです。
中には、代表が何十年も人材紹介をしていて、これらが十分にある新設エージェントもありますが、見極めるのが難しいです。
また、実績作りのためにブラック企業にあなたをねじ込もうとしたり、「ひどい提案」をしてくるエージェントも多いのが実情です。
4-2. では、どう選べばいいのか
裏事情や、転職エージェントの注意点をまとめると、転職エージェントの選び方で重要なのは下記の3つです。
- 優良企業とパイプの強い、老舗・大手の転職エージェントだけを使う
- あなたのキャリアにあった転職エージェントを使う
- 複数の転職エージェントに登録し担当者を見極める
一つずつ具体的に紹介します。
①優良企業とパイプの強い、老舗・大手の転職エージェントだけを使う
まず、最も重要なのが、大手もしくは老舗の転職エージェントだけを使うことです。
人気な求人・高待遇な求人は企業と信頼関係ができているエージェントにしか集まりません。
企業によっては、エージェントごとの採用枠を用意することもあるくらい、採用側とエージェントのパイプは重要です。
②あなたのキャリアにあった転職エージェントを使う
また、上記理由で、有名エージェントには人が殺到するので、キャリアに合わないエージェントに登録しても相手にしてもらえません。
このページでは年収別に、選ぶべきエージェントをまとめましたから、身の丈にあったエージェントを使いましょう。
③複数の転職エージェントに登録し担当者を見極める
優良エージェントにもハズレの担当はいるため、3社以上登録し、担当者を比べましょう。
複数使うことで、求人の質やアドバイス力の比較ができ、ハズレの担当に頼って失敗することが避けられます。
また、転職エージェントごとにパイプの強い企業が違うので、複数登録するだけで、求人の選択肢が大幅に増えます。
4-3. キャリア別に選ぶ、老舗・大手エージェント7選
老舗・大手の転職エージェントについて、年収別におすすめ度をまとめました。
あなたの年収に合わせて3社以上に登録しましょう。
おすすめ度各社の特徴
・ おすすめ エージェント |
~500万円 | 500~ 700万円 |
700~ 900万円 |
900万円~ |
・ リクルートエージェント |
◯ | ◎ | ◎ | ◯ |
・ doda |
◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
・ マイナビエージェント |
◎ | ◎ | ◯ | △ |
・ type転職エージェント |
◎ | ◯ | ◯ | △ |
・ パソナキャリア |
△ | ◯ | ◎ | ◎ |
・ LHH転職エージェント |
△ | ◯ | ◯ | ◎ |
・ JACリクルートメント |
× | △ | ◎ | ◎ |
・ おすすめ エージェント |
|
・ リクルートエージェント |
公開求人数が30万以上と最多の大手で、地方の求人にも強い |
・ doda |
リクルートエージェントに次ぐ求人数を誇る業界No.2 |
・ マイナビエージェント |
新卒領域では最大手なのもあり、20代の若手のサポートに特に強い |
・ type転職エージェント |
ITエンジニア、営業職、女性のサポートに強く、主に一都三県が対象 |
・ パソナキャリア |
半数以上の求人が年収800万以上で、管理部門や女性の管理職の転職に強い |
・ LHH転職エージェント |
世界60の国と地域でサービス提供実績のある企業が運営元で、外資系の転職に強い |
・ JACリクルートメント |
ハイクラスの転職で真っ先に名前が上がる老舗で、年収700万円以上は登録必須 |
また、登録する際は、サービスの内容に注意してください。
例えば、「doda」はエージェントサービス以外に、同じ名前で転職求人サイト(サポートが一切ないタイプ)を運営しており、「使っていても全然サポートを受けられない」ということもあります。
各社の転職エージェントサービスは以下の通りですので、間違えないようにしましょう。
- リクルートエージェント(https://www.r-agent.com/)
- doda(https://doda.jp/consultant/)
- マイナビエージェント(https://mynavi-agent.jp)
- type転職エージェント(https://type.career-agent.jp)
- パソナキャリア(https://www.pasonacareer.jp)
- LHH転職エージェント(https://jp.lhh.com)
- JACリクルートメント(https://www.jac-recruitment.jp/)
4-4. “特化型”の転職エージェントは使うべきか
ここまで紹介してきたのが、どの業界にも強い”総合型”の転職エージェントですが、「〇〇業界特化!」という”特化型”転職エージェントもあります。
ただし、結論、総合型の方が優れているため、使うべきなのは下記の特殊な業界や事情に当てはまるごく一部の方だけです。
使うべき業界・事情 | 特化型を使うべき理由 |
アパレル・美容師 | それぞれの業界が特殊で、店舗見学などにも対応しているエージェントが好ましい |
看護師、薬剤師、医師など医療系専門職 | エージェント側に業界知識と病院とのパイプがないとうまくいかない |
フリーター・無職 | 大手総合型だと相手にしてもらえない |
それぞれの業界別に、使うべきエージェントをまとめました。
アパレル | クリーデンス |
美容師 | QJエージェント |
看護師 | ナース人材バンク |
薬剤師 | ファルマスタッフ |
医師 | 医師転職ドットコム |
フリーター・無職 | ハタラクティブ |
- いずれも運営実績、求人数の面で特に優れたもの
上記以外の方は、「総合型」転職エージェントだけを使い、時間があれば「特化型」転職エージェントを併用する程度で良いでしょう。
なぜ特化型のエージェントの優先度が低いのか
求人・利用者ともに少なく、ノウハウや企業とのパイプが大手総合転職エージェントに劣るケースが多いからです。
以前までは、特化型エージェントも「業界に詳しそう」と人気があったのですが、最近は総合型エージェントも下記の理由でそれぞれの業界に詳しいです。
- 業界ごとに部署が分かれており、それぞれの業界の事情や対策に詳しい
- 特化型エージェントから優秀な社員の引き抜きを行っている
そのため、大手で優良企業とのパイプが強い、総合型エージェントだけ使えば、ほとんどの方は満足いく転職活動ができます。
(参考)主な特化型エージェントまとめ
どうしても特化型が気になる方向けに、その他の業界で、よく名前の上がる大手を以下にまとめました。
特化する業界、職種 | それぞれの最大手 |
ITエンジニア・デザイナー | レバテックキャリア |
コンサル | ムービン |
金融 | コトラ |
メーカー(エンジニア) | メイテックネクスト |
管理部門・バックオフィス | MS-Japan |
まずは総合型を3つは使い、さらに使う余裕のある方のみこれらを使ってもいいでしょう。
5. 転職エージェントを最大限活用するためにすべき9つのこと
ここでは、転職エージェントの裏事情も踏まえ、最大限活用するためにすべき以下9つのポイントを紹介していきます。
- 最初の申し込みを丁寧に行う
- 希望の転職時期は「1日でも早く」と答えておく
- 経歴・スキルに嘘はつかない
- 複数のエージェントを使っていることは隠さない
- 少なくとも2週に一度はコンタクトをとる
- 担当者が使えないと判断したら付き合わない
- 「推薦状を見せて欲しい」と伝える
- 「転職したら3年は頑張りたい」と言っておく
- 最低限のマナーは守る
5-1. 最初の申し込みを丁寧に行う
優秀な担当者をつけてもらうために、登録時の情報入力は省略せず、できる限り丁寧に行いましょう。
入力が適当だと、「この人は転職するかわからないから、実力ある担当をつけるのはもったいないな。新人に任せてみよう。」となり、優秀な担当がつかないリスクがあるからです。
下記を意識し、転職への熱意を伝え、優秀な担当をつけてもらいましょう。
- 入力が任意の箇所でもできる限り全て埋める
- 転職予定時期を選ぶ箇所があれば、「すぐにでも」やそれに近い回答を選ぶ
- 経歴を書く場面があれば、強みになりそうな経歴は省略せずに書く
5-2. 希望の転職時期は「1日でも早く」と答えておく
最初の面談でも、エージェントに希望の転職時期を聞かれますが、「1日でも早く転職したい」と答えておきましょう。
エージェントは内定が決まって初めて企業から手数料がもらえ、それが個人のノルマになったり、ボーナスを決める要因になります。
以下のような方はどんなに優秀でも、自然と対応の優先度が下がります。
- 転職予定がかなり先
- そもそも転職への意欲が低い
すぐにでも転職したい意思を伝えることで、「早く売り上げにつながる人」と判断され、優先的に対応してもらうことができます。
5-3. 経歴・スキルに嘘はつかない
求人を紹介するにあたって最初に経歴やスキルを聞かれますが、なるべく嘘のない回答を心がけましょう。
転職エージェントにとっては、転職する本人だけでなく、手数料をくれる企業側との関係も大事です。
いざ働き始めてから「紹介された人材が話と違う」となると、エージェントは企業からの信頼に傷がつきます。
やり取りの中で嘘がわかると、企業との関係が悪くなるのを恐れて求人紹介が減るため注意しましょう。
5-4. 複数のエージェントを使ってることは隠さない
転職エージェントを複数使う場合、他社も使っていることは、それぞれに隠さず伝えましょう。
言いにくいと感じるかもしれませんが、隠すのには以下のリスクがあります。
- あなたの希望求人のイメージに誤解が出る
- 結果として、的外れな求人紹介ばかりになる
すでに他社で応募した求人を紹介されたときに、隠していると「すでに応募済み」とは言えず、適当な理由で断るしかなくなります。
これを繰り返すと、本当はあなたに合った求人も、「前に似た求人を断られたな」と思われ紹介されなくなり、希望とズレたものばかり紹介されるようになります。
こうならないためにも、他社を使っていることは、話しておきましょう。そもそも複数社使うのはごく普通のことで、気にする必要はありません。
5-5. 少なくとも2週に一度はコンタクトをとる
登録後は、少なくとも2週に一度は、エージェントにコンタクトを取るようにしましょう。
長期間連絡しなかったり、応募をしない期間が続くと、「転職が決まって活動を終了した」と判断され、求人が紹介されなくなります。
以下のような簡単な質問でいいので、日頃からこまめにしておきましょう。
- こういった求人はないか
- こんな業界は自分でも通るか
自動的に、後回しにされるリスクも
転職エージェントは、企業から紹介の依頼を受けると、自社のシステムから転職活動中の候補者を絞ります。
その際以下のように情報の更新日(最後にコンタクトを取った日)が新しい人から順に候補者が表示され、エージェントはこれを見て求人紹介をしていきます。
更新日が古いとあなたの名前がエージェントの目にも触れず、機械的に後回しになるリスクがあります。
この点も意識し、こまめに連絡は取るようにしましょう。
5-6. 担当者が使えないと判断したら付き合わない
どんなに大手の優良エージェントでも、仕事のできない担当者は存在します。そういった担当に当たってしまったら利用をやめましょう。
具体的には下記に2つ以上当てはまったら、危険なので、担当を変えてもらうか、そのエージェントの利用を止めましょう。
付き合うべきではない担当者の特徴 |
|
2つ以上当てはまった場合、下記の方法で担当を変えるか、そのエージェント自体の利用を止めましょう。
担当を変えたい場合
担当者を変えたい場合は、問い合わせフォームに以下の文章を送りましょう。
件名:担当変更のご相談
いつもお世話になっております。(あなたの名前)です。
私は現在、(担当者名)様に転職サポートをして頂いており、熱心なアドバイスや求人紹介には大変感謝しております。
しかし、(担当者名)様の考える転職プランと、私の理想のキャリアプランにズレを感じており、ご本人にも何度か相談しましたが、改善も困難と考えております。
つきましては、もし可能でしたら、担当者を変更していただけないでしょうか。
お手数かけますが、何卒よろしくお願いいたします。
担当者に直接伝える方法もありますが、言いにくいと感じる方が多いです。
各社公式ページやマイページで問い合わせフォームを用意しているため、これを活用しましょう。
エージェント自体の利用をやめる場合
基本的に面談や面接の約束をしていないのであれば連絡を無視すれば大丈夫です。
ただ、連絡がしつこくくる場合は、退会の手続きをしましょう。
エージェント自体の利用をやめる場合は、問い合わせフォームや担当者へのメールで、以下の文章を送りましょう。
件名:退会手続きのお願い
〇〇エージェント 〇〇様
いつもお世話になっております。(あなたの名前)です。
この度、転職活動を休止することとなり、それに伴い退会の手続きをお願いしたいです。
(担当者名)様には、親身に相談に乗っていただき、たくさんの求人をご紹介いただいたのですが、改めて自分のキャリアを考えた際に、もう少し今の職場で頑張ろうと思いました。
熱心にサポートして頂いたにも関わらず、申し訳ございません。
お忙しい中恐縮ですが、ご対応のほどよろしくお願い申し上げます。
退会にあたって、料金がかかるなどのペナルティは一切ありません。
5-7. 「推薦状を見せてほしい」と伝える
エージェントは応募の際に、企業にあなたの強みを客観的な視点で伝える推薦状をつけてくれます。
これについて、以下の理由で見せて欲しいと伝えてみましょう。
- 面接での自分の発言と違いが出ないか不安
- 改めて自分のアピールポイントを整理したい
見せてくれるかは担当によりますが、こうすることで、エージェントにとって「人事にしっかりアピールできるものを書かないと」というプレッシャーになります。
以下のように、定型分のような、手抜きの推薦文を出すエージェントもいますが、そういったことの防止になります。
(参考)ひどい推薦文の例
〇〇大学を卒業後、△△社にて営業職として5年勤務されていました。
コミュニケーション能力が高く、明るい方です。
ぜひ一度お会い頂きますよう、お願い申し上げます。
5-8. 「転職したら3年は辞めずに頑張りたい」と言っておく
エージェントに対して、「転職したら3年は辞めずに頑張りたい」と日頃から言っておきましょう。
先ほども紹介した通り、転職エージェントは、転職した人が早期退職すると、企業から受け取った手数料を返還する決まりがあります。
転職してもすぐ辞めそうな人は、結局売り上げにつながらない可能性が高く、エージェントにとってサポートするメリットが薄いです。
紹介される求人が減ることもあるため、こうした見られ方をしないためにも、長く続ける意思は示しておきましょう。
また、前職の不満のようなネガティブな話ばかりの人も、「文句ばかりで仕事が続かない人」という印象を持たれやすいです。
こうした話はしすぎないよう注意しましょう。
5-9. 最低限のマナーは守る
エージェントとのやり取りでは、面談の時間に遅れない、遅れる際は連絡を入れるのように、最低限のマナーは守りましょう。
こうした常識がないと、「マナーがない=企業にも悪印象を与える人材で内定の見込みが少ない」と判断され、対応の優先度を下げられます。
また、担当者も人間ですから、個人的な感情で、力の入れ具合が変わることも多いです。
応募する会社だけでなく、エージェントに対しても感謝の気持ちを持って、丁寧な対応を心がけましょう。
6. 転職エージェントの登録〜内定までの流れ
ここまで選び方や使いこなすコツを解説してきました。
この章では、実際に転職エージェントを使って転職する流れを解説してきます。
大まかな流れは以下の通りです。
- ネットから申し込み
- エージェントと面談
- 求人紹介を受ける
- 企業に応募
- 面接
- 内定
6-1. ネットから申し込み
まずは以下のようなWEBページから申し込みに進みます。
- リクルートエージェント(https://www.r-agent.com/)
- doda(https://doda.jp/consultant/)
- マイナビエージェント(https://mynavi-agent.jp)
- type転職エージェント(https://type.career-agent.jp)
- パソナキャリア(https://www.pasonacareer.jp)
- LHH転職エージェント(https://jp.lhh.com)
- JACリクルートメント(https://www.jac-recruitment.jp/)
申し込み時は、氏名や学歴といった情報以外に、以下の入力が必要になります。
- 転職の希望時期
- 希望勤務地
- 直近の勤務歴、年収
- これまでの転職回数
これらは正直に、丁寧に埋めるようにしましょう。
6-2. エージェントと面談
申し込みから数日でエージェントから連絡が来て、面談に進みます。
面談の主な目的は、求人の紹介にあたって必要な、あなたの以下の情報を確認することです。
- これまでの経歴や、そこからわかる強み
- どんな仕事につきたいか
- 働き方や職場環境などで、譲れない条件はあるか
面談までに「履歴書」や職歴やスキルをまとめた「職務経歴書」の用意が必要ですが、書き方のアドバイスは後からもらえるため、書ける範囲の記入で大丈夫です。
時間がある方は「プロ直伝!転職を成功に導く自己分析4ステップ【シート付】」を元に、ご自身の経験やキャリアを整理しておくと面談が有意義にでき、エージェントに意欲を伝えられます。
面談時の服装は私服でよく、面談方法は、エージェント会社の拠点で対面で行うか、リモートや電話から選べることが多いです。
面談は、60分~90分で終わることが一般的です。
6-3. 求人紹介を受ける
面談でのヒアリングをもとに、エージェントが5件から多くて20件以上の求人を紹介してくれます。
中から応募する会社を選びますが、全く自分に合わない求人があった場合は、理由も含めてはっきり伝えるようにしましょう。
そうすることで、エージェントもあなたの理想の仕事への理解が深まり、より合った求人が提案しやすくなります。
ただ、以下ようなパターンもあるはずです。
- 的外れな求人ばかりで、提案力に疑問を感じる
- もう一度求人紹介を頼むのも、気が引ける
こういった場合は、併用する他社のエージェントとの活動に切り換えてしまえば問題ありません。
6-4. 企業に応募
気に入った求人があれば、履歴書や職務経歴書など、必要な書類を作成して企業に応募を行います。
この際、エージェントから書類審査の通過率を上げるための、作成のアドバイスを受けることができます。
応募の際は、エージェントがあなたの強みなどをまとめた推薦状をつけてもらえます。
6-5. 面接
書類審査が通ると、面接に進みますが、そこに向けてエージェントが模擬面接などの対策をしてくれます。
企業側に響くアピール内容や伝え方のポイントだけでなく、どんな質問がくるかなど、その企業特有の対策についてもアドバイスがもらえます。
日程調整は全て代行してくれるため、あなたは希望日をエージェントに伝えるだけで済みます。
6-6. 内定
内定が出たタイミングで、エージェントが年収の交渉や入社日の調整などを行なってくれます。
求人の金額と希望額にギャップがあり、年収交渉を頼みたい方は、内定前からエージェントに相談しておきましょう。
勤務先の退職についてエージェントの代行はありませんが、申し出る方法や時期などアドバイスをもらうことができます。
エージェントのサポート期間は決まってる?
はい、約3ヶ月ほどで転職先が決まるケースが多いのもあり、大手のリクルートエージェントでは基本3ヶ月をサポート期間としています。
ただし、必ず3ヶ月というわけではなく、選考が続いていたり、応募をさらに続けたい場合は延長することもできます。
他のエージェント会社では、特にサポート期間は決まっていないことが多いです。
まとめ
転職エージェントの料金について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
転職エージェントは、企業側が料金を支払う仕組みがあり、転職する本人は無料で使うことができます。
メリットが満載で転職には必須と言えますが、近年低品質なタイプが急増しているため注意しましょう。
失敗したくない方は、以下の方法で転職エージェントを使いましょう。
- 優良企業とパイプの強い、老舗・大手の転職エージェントだけを使う
- あなたのキャリアにあった転職エージェントを使う
- 複数の転職エージェントに登録し担当者を見極める
まずは以下の大手エージェントの中から、自分の年収に合った会社に3社登録しましょう。
おすすめ度各社の特徴
・ おすすめ エージェント |
~500万円 | 500~ 700万円 |
700~ 900万円 |
900万円~ |
・ リクルートエージェント |
◯ | ◎ | ◎ | ◯ |
・ doda |
◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
・ マイナビエージェント |
◎ | ◎ | ◯ | △ |
・ type転職エージェント |
◎ | ◯ | ◯ | △ |
・ パソナキャリア |
△ | ◯ | ◎ | ◎ |
・ LHH転職エージェント |
△ | ◯ | ◯ | ◎ |
・ JACリクルートメント |
× | △ | ◎ | ◎ |
・ おすすめ エージェント |
|
・ リクルートエージェント |
公開求人数が30万以上と最多の大手で、地方の求人にも強い |
・ doda |
リクルートエージェントに次ぐ求人数を誇る業界No.2 |
・ マイナビエージェント |
新卒領域では最大手なのもあり、20代の若手のサポートに特に強い |
・ type転職エージェント |
ITエンジニア、営業職、女性のサポートに強く、主に一都三県が対象 |
・ パソナキャリア |
半数以上の求人が年収800万以上で、管理部門や女性の管理職の転職に強い |
・ LHH転職エージェント |
世界60の国と地域でサービス提供実績のある企業が運営元で、外資系の転職に強い |
・ JACリクルートメント |
ハイクラスの転職で真っ先に名前が上がる老舗で、年収700万円以上は登録必須 |
当ページの内容が、あなたの転職成功のお役に立てることを、心から祈っています。